『資本論』における価値形態論と交換過程論とは,商品しか存在しない状況を舞台設定としている点では共通する.
しかし,そこでの課題とその解決方法は,それぞれ異なる.
価値形態論では,商品に内在した価値をいかにして表現するかという問題が取り扱われ,それは商品の中から他のあらゆる商品の等価物に立つ貨幣商品が選び出されることによって解決されると言われる.
それに対し交換過程論では,商品交換がいかに遂行されるかという課題が与えられ,その困難は商品交換の位相からは区別された,自立した貨幣の存在によって解消されると述べられる.
価値形態論 | 交換過程論 | |
舞台設定 | 商品のみの世界 | 商品のみの世界 |
課題 | 価値表現 | 交換の遂行 |
解決 | 貨幣商品の選定 | 独立した貨幣の導入 |
ehara