第2節「商品に表わされる労働の二重性格」 †
前置き pg.1-2 †
具体的有用労働 pg.3-8 †
使用価値と具体的労働の対応関係 †
上着とりンネルとが質的に異なる使用価値であるのと同じように、それらの定在を媒介する労働も質的に異なるもの --- 裁縫労鋤と織布労働である。pg.5
- 裁縫労働だけで上着が生産されるわけではない。布地をつくる別の種類の労働も間接的に関与している。市場価値(有用性)と特定のタイプの労働を一対一で対応させることはできにない。相互に独立した「単系列」の寄せ集めになっている。
- 労働の合算可能性(合算根拠)が、「商品に表わされる労働の二重性格」に先行して規定されなければならない。「労働過程」における「生産物の立場」に抽象的人間労働の一般的基礎を求めた宇野の議論は正着。しかし、「抽象的人間労働」という概念にこだわるべきではなかった。
有用労働と合目的性 †
一定の合目的的な生産的活動または有用的労働 pg.6
- 合目的性が有用労働に結びつけられてしまった点。
- 本来は、異種労働の合算可能性に基礎に合目的性は位置づけられるべき。
有用労働と分業 pg.5-6 †
具体的有用労働の普遍性 pg.7-8 †
- 「商品体は、二つの要素の、すなわち自然素材と労働との、結合物である。上着、ンネルなどに含まれているすべての異なった有用的労働の総和を取り去れぱ、人問の関与なしに天然に存在する物質的基体がつねに残る。」というように、労働、しかも有用労働を、要素として<物体視>することは無理である。「モノとモノとの反応過程」とでもいうべき、素材のレベルと、人間の合目的的な意思は別。労働概念のコアは後者にある。目的意識 -- 身体 -- モノ というように考えた理由はここにある。
- 「人間と自然との物質代謝」このフレーズは広く受け入れられているが、どういう意味か、あらためて考えてみる必要がある。
抽象的人間労働 pg.9-15 †