「形態」Form について †
- 第3節「価値形態または交換価値」の序について読んでみると「形態」という用語があふれている。
- 第1パラグラフはとくに難読になっている。
- 形態という用語を明確に定義しておかないといけないのではないか、というのが論点
- 「価値の現象形態」という「形態」が「価値形態」というときの「形態」
- これに対して、「商品体の形態」「自然形態」というときの「形態*」は異なるように思われる。
- 両者の違いを簡明にいうとどうなるだろうか、これが今日の話題。
- 「形態」の一つの意味は、だれの目にも同じように見える、姿かたち(丸いとか四角いとか)。もう少し広くとって、知覚で識別できる違い(小麦という「形態*」と鉄という「形態*」は違う、両者は「形態*」が異なる、などという。)
- もう一つの意味は、ある対象の状態という意味で、「形態**」。第1パラグラフの最後にでてくる「商品の形態」というのは、これ。生産物が商品という状態におかれているという意味。(液体の「形態**」にある水。固体の「形態**」に変わった水)。
- また、「中味」に対する容器という意味の「形態***」もある。「内実」が中味で、価値ないし価値実体がなかにはいっている器としての「形態***」。
- ....
- これに対して「価値形態」は、直接知覚できないものが、知覚できる「形態」で現れる、という意味での「現象形態」。この形態は、中味と容器のように分離できない。あるいは容器ぬきに中味がまず存在するわけではない。
- 形態という用語は、「XXXの形態」というかたちで用いられる。この「の」の役割が問題。
- 「美の形態」として絵画があったり、彫刻があったりする。抽象的な概念の具体的なすがたという意味での「形態」。
- 「自然形態」というのは、この意味での「XXXの形態」ではなく、「YYYという形態*」である。
obata