2014年度/夏学期
Capital23c,d.pdf
節制,節欲,禁欲 †
| 節制(Enthaltung) | 節欲(Abstinenz) | 禁欲(Entsagung) |
初出 | S.220 注22訳「抑制」 | S.206 訳「節欲」 | S.147 訳「禁欲」 |
| (「節制」の初出 S.243 注33) | | |
剰余価値部分の投資 †
- 投資関数を考える必要はあるのか.
- 労賃騰貴が恐慌の原因としか言わないのであれば,投資関数を入れても「いつなるか」が問題になるだけで,最終的には同じことになるか.
- 宇野においては,第二篇第二章「資本の流通過程」でG-W-P-W'-G' の循環図を入れたために,当初から剰余価値部分をどれだけ蓄積するか,という問題が後景に退いてしまったのではないか.
- 従来の議論は,何故か構成不変or構成高度化の蓄積の議論に終始していた.
- 一方で,マルクスにおいては,資本の定義自身にm部分の分割についての定義が含まれている訳ではない.
- 個人的消費の節約の結果を蓄積にまわす古典的資本家と,蓄積の結果を個人的消費にまわす近代的資本家(S.620)
「総資本の論理」 †
Pauper の扶養、社会的空費、という月岡君の三番目の問題点「資本は,受救貧民の負担を労働者階級および下層中間階級の肩に転嫁する(S.673)」に関して、ゼミの時に言及した「社会的総資本の論理」ですが、とりあえず
http://www.l.u-tokyo.ac.jp/~slogos/archive/34/tanaka2010.pdf
などみてください。
オバタ
移動民・労働力移動 †
- cのタイトルである移動民はどこからどこへの移動か?
- 労働力移動を原論で考えることは可能か
- 1.産業部門間移動(これは従来から考えられてきた) 2.都市の形成と農村から都市への人口移動 3.何らかの形で地理性を導入することで労働力移動を段階論的に考える(中世:商品作物生産地域への植民・労働排出的な蓄積がメインの時代の植民・先進国における産業構造分化による職業内階層構造の定着とそこへの出稼ぎ労働としてのグローバルな労働力移動など)
原理論と小生産者 †
- 従来は独立小生産者はいないことになっている
- 労働力の生成の観点から言えば,独立小生産者は必ずしも淘汰されないかもしれない(家庭における独立小生産者としての労働・「拡大家族」)
- 或いは,資本主義には内側に小生産者的な構造を作りながらその上にマウントするような形が有り得る(フランチャイズなど)->問屋制と同じ構造か?
- プロト工業化論
- メンデルスの議論:16〜18世紀の西ヨーロッパのフランドル地方の実証的研究を基にモデル化.土地が肥沃な沿岸部では農村工業が発達したなかった一方、農業に向いていない内陸部は、人口が相対的に稠密な地域であり低賃金労働力が利用できるため工業が発達するインセンティブがあったとする。そして,農村工業の成長は農地相続に制限されない世界形成を可能にし,結婚年齢を低下させて,その結果出生率が上昇し人口増大したと結論づけた.