obata (2005-05-14 14:52:23 (土))
青才さんの教材、ちょっと目を通した印象です。
90年代の情報通信技術とそれ以前の自動化論とが連続的にとらえられているようです。小幡はあえていえば逆で、ここに不連続性があると考えています。
一般には、コンピュータの導入で労働の単純化、そして労働排出が進むというように考えられてきたが、コンピュータ自体は機械というより道具に近く、コンピュータを使う労働は必ずしも省力化しない、と<理論的に>考えています。コンピュータを作る生産過程は、「旧来の」自動化生産の流れにありますが、そのコンピュータ自体は道具的で、人間が働きかけないと、作動しないという性格をもっている、という説なのですが、こうした<ひねり>はちょっと理解しにくいでしょう。
マルクスの補償説(リカードの機械論)は、機械の導入で綿工業で労働力の排出は、機械をつくる産業で機械化が進まないので、吸収される、というのですが、情報通信技術は逆で、コンピュータをつくる方はコンピュータで設計したりプログラムもコンピュータ上で開発(プログラムをはくプログラムとしてアセンブラから高級言語までコンパイラが何層にも咬んでいるとか、usw.)され、コンピュータを使う設備もコンピュータを使って設計される、などして、自動化してゆくのですが、最後の端末のところで、人間労働に直面すわけです。ここの部分に多くの人間労働が張り付くわけで、情報通信技術というのは、機械化=ロボット化=自動化=オートメーション化といった流れとはギャップがある、というのが小幡の考えです。
青才高志 (2005-05-14 09:21:48 (土))
●●2005.5.14.
◆5月13日の照屋論文に関連し,情報化につき,信州大学での講義教材を参考のため,添付します。
obata (2005-05-13 21:52:17 (金))
- 派遣労働をどう位置づけ 労働力商品化の問題として、引き受けて考えて見ようかと思います。
- 実態は従来どおり、労働者が実際に労働する資本に労働力を販売している。青才説。
派遣会社は労働力の販売先を斡旋しているだけ。労働力の販売にも一般商品と同じく、流通期間も流通費用もかかると考える。これまで、労働力の販売期間など考えてこなかったのですが、考えてみますか。流通期間がかかるということは、労働力商品に在庫の存在を認める、ということになります。在庫=失業説。
- 派遣会社が労働力を購買して、労働サービスを資本に卸している。いわば商業資本的な派遣会社の位置づけ。
- 派遣会社は労働力を不変資本として購入し、特定のサービスのかたちに「生産」して、資本に販売している。勝村説でしょうか。
- 景気循環を規定する指標
実体経済 | V+M | 量的変動、成長率、雇用の拡大 |
C+V+M | 再生産規模全体の拡大 | |
M/V | ||
M/(C+V) | ||
蓄積率 | Mのどれだけが再投資されるか。置塩説は利潤率の関数。利潤率が高ければ蓄積率も高いとみる。 | |
貨幣現象 | 物価変動 | 需給ギャップが成長を促す動的過程。古典派の場合、景気循環=もっぱら貨幣的な現象、数量説 |
利子率 |