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三層構造

欲望飽和論

欲望の限界は成長の障壁

勝村務テーゼは、先進国の内部構造において、欲望の飽和が成長の停滞を招いている、というものである。このテーゼを理論的な問題として捉え返すと、表式でいう第2部門が拡大しないと拡大再生産は成立しないという命題が成りたつかどうか、ということになる。

生産手段生産部門の自己展開的拡張による拡大再生産

これについて結論的にいえば、第1部門の第1部門による第1部門のための拡大ということも考えられる。沖公祐氏のいっていたことが成立するかもしれない。表式とは離れるが、たとえば

小麦10トン --> 小麦30トン
小麦10トン + 労働10時間 --> パン10トン
労働者はパン2トンを消費して10時間はたらく

この関係が資本の競争を通じて編成されているとしよう。 賃金率をw, 一般的利潤率をRとすれば、

10p1(1+R)=30p1
(10p1+10w)(1+R)=10p2
10w = 2p2

となり、

R=200パーセント、p2 = 15/2 p1, w = 3/2 p1

となる。 このような過程を通じて、労働者は毎年2トンのパンを消費しながら同じ生活水準を繰り返しており、とくに消費の拡大がなくても、小麦生産部門(完全オートメーションになっている)は、小麦の蓄積を通じて拡大してゆくことになる。

小麦20トン --> 小麦60トン
小麦10トン + 労働10時間 --> パン10トン

両部門の蓄積率の較差

利得動機と蓄積動機


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