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訪問者:氏名不詳



 コンピュータと産業 



今回のテーマ

  • 前回の
    1. 「デジタル化」の多層性
    2. 通信技術と情報処理技術の結合
    について確認
  • 「コンピュータをつくる産業」と「コンピュータをつかう産業」の区別
    • 「コンピュータをつくる産業」は旧来型。
    • 新しい問題は「コンピュータをつかう産業」にある。
  • コンピュータと労働
  • 三つの産業+個人ユーザー
  1. つくる産業:ハードウェア産業
    1. 半導体産業
    2. コンピュータ・メーカー
  2. つかえるようにする産業:ソフトウェア産業
  3. ユーザー
    1. つかう産業:ユーザー産業
    2. 個人ユーザー

コンピュータを「つくる」産業

半導体産業

  • メモリやCPUなどコンピュータに必須の原材料をつくるのは、半導体産業である
問題 12-1

「20世紀後半に急速に発展した半導体産業は、鉄鋼業や化学産業とは異なるタイプの新産業であった。」

この主張は、正しいか、誤りか?

12-1 の回答を 
  +  
25/59 ...1点以上  42%

  分
▶回答


ハードウェア メーカー

  • メモリ、CPU etc などの原材料を調達して組み立てる産業
    問題 12-2

    「コンピュータを実際に製造している産業は、一種の素材産業である半導体産業は違い、コンピュータの登場とともに現れた新しいタイプの製造業である。」

    この主張は、正しいか、誤りか?

    12-2 の回答を 
      +  
    35/68 ...1点以上  51%

      分
▶回答


ソフトウェア産業

  • 装置としてのコンピュータは電源を入れさえすば、何でもしてくれるわけではない。
  • ユーザーが「何をしたいか」を、「何でもできる」(と思われている)コンピュータに伝えて、実際に「させる」必要がある。
  • ユーザーと装置の間に、伝達のためのソフトウェアが必要となる。
  • ソフトウェアの世界は広く複雑だが、この領域をビジネスとする産業を、ここではとりあえず「ソフトウェア産業」とよぶ。
  • すべてのソフトウェアがソフトウェア産業でつくられるわけではない。
  • コンピュータを操作するということは、どんなに単純なことでも《手順》が必要。「こうして、ああして、もしこうなったら...」
  • この操作の《手順》を組み立てるのが広い意味でのプログラミング。
  • ユーザがどこまで「ソフトウェア産業」にプログラミングを委ねるかの境界は弾力的。
  • ということで、質問です。
問題 12-3

大規模なソフトウェアの開発では、発注元に対してソフトエア開発会社が受注者になる。

両者の間で、ソフトエアの仕様 スペックとそれに応じた価格と納期がきめられ、契約が結ばれる。

この取引形式は、別のある産業で広くおこなわれていることと同じ。さて、どんな産業でしょうか。

12-3 の回答を 
  +  
7/71 ...1点以上  10%

  分
▶回答


プラットフォーマ

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問題 12-4
プラットフォームをつくる産業は、モノを作って売るメーカー(産業資本)や、モノを買って売る商業資本とは違う。ハードウェア・メーカーや、特定のソフトウェアを受注して生産するソフトウェア会社とも違う。どこが違うのだろうか?
12-4 の回答を 
  +  
12/79 ...1点以上  15%

  分
▶解答
▶解説



コンピュータを「つかう」産業

  • コンピュータの影響をうけて大きく変容しているのは、コンピュータをつくる産業だけではない。
  • 製造業のみならず、商業、金融、ほぼすべての産業が、コンピュータを「つかう」産業となっている。
  • コンピュータをベースにした情報通信技術の発展は、経済の構造全体を「変容」*3させる。
  • 18-19世紀産業革命期の綿糸→綿布とか、20世紀初頭の鉄鋼→鉄道・自動車といった、個別的な連鎖とは違うインパクト。
  • コンピュータを、直接・間接に「つかう」労働が一般化している。

コンピュータを「つかう」労働

「つかう」とは

  • もう一度強調しておきます。
▶コンピュータは....ではない。
▶どう「つかう」の?
▶この作業って労働?


20世紀型労働

  • 20世紀後半に、可変的な「判断」をおこなう道具(コンピュータ)が登場
  • 文字情報を処理することで、コンピュータは情報通信技術として発展
  • ただ、それはいくつか画期はあったが、基本的に漸進的な発展だった。
  • 人間の「判断」能力をベースとする20世紀型の労働
    1. 手先の器用さを活かした組立型
    2. 機械の操縦・操作・運転型
    に、一挙に取って代わることはなかった。

新たな転換点

  • 2010年代にはっいて、「AI化」というかたちで注目されるようになった画期に突入。
  • ただし、すでに話したように、「AI」が必ずしも本質ではない。
  • 今までも、何度か、画期をへてきた。画期はいつも、これこそ本物の、と宣伝されるが...
  • 冷静に今回の画期の特徴を見つめてみよう。
問題 12-5
「部品組立」「操作操縦」「運転」など、20世紀型の労働の構造を転換させた要因はなにか、思考力とか、高速化、とかなるべく一般的な用語でキーワードをつくり、その意味を解説せよ。
12-5 の回答を 
  +  
6/82 ...1点以上  7%

  分
問題 12-6

人間の知覚の基本は、パターン認識ではない。たくさん三角形のかたちをみせないと、「三角形なるもの」がわからないということはない。

三角形と四角形は、一対を一目見れば区別できるはず。どうしてだろうか?

12-6 の回答を 
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5/79 ...1点以上  6%

  分
▶解答

▶要約

*1 古典派経済学やマルクス経済学では「差額地代」といいます。
*2 小幡道昭『経済原論 基礎と演習』(2009年)の第3篇1.4「地代」には、この「地代」論の拡大解釈がジミに書いてあります。
*3 この「産業構造の変容」はまた別の機会に講義する予定。

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Last-modified: 2021-02-20 (土) 19:13:40