訪問者:氏名不詳
情 報 技 術 の 歴 史 1
情報処理技術の二つの顔 †
- 数値の操作(計算)
- 文字の操作(文字列の編集)
計算の歴史 †
- 第4講では、情報技術の一つの顔、「計算の技術」について考えてみます。「文字操作の技術」は次講。
- 今日の情報技術の基盤であるコンピュータは、はじめ、電子計算機として発達してきました。
- 文字通り、計算が目的でした。
- ただし、計算を正確に高速におこなう工夫は、ふるくから存在してきました。
- コンピュータがはじめてではありません。
- 「計算の技術」を歴史的にふりかえることで、コンピュータとは何か、定義してゆきます。
「数える」と「はかる」 †
- コンピュータの本質を考える基礎の基礎として、非常にアタリマエの話から...
問題 5-1
「数える」ことと「はかる」の違いは?
数えられてもはかれないもの、はかれても数えられないものをイメージして考えてみよう。
5-1 の回答を +
11/50 ...1点以上 22%
- なんでこんなヘンな質問をとおもっている人に
- 復習の意味で追加問題を...
問題 5-11
砂時計というのがあります。
これは時間をはかっているのですか、数えているのですか。
はかっているならアナログ、数えているならデジタルと答えてください。
時間をデジタルで数える時計というのはどんな時計ですか。
5-11 の回答を +
43/45 ...1点以上 96%
▶解答
▼解答
- 砂時計は文字通りアナログです。
- analog はアナロジーです。何が何のアナロジーなんでしょうか?
- digital のdigit は指です。指で数えるように数えるのです。
- 「デジタル化社会」とか、やたらにデジタルという言葉がつかわれるのですが、その意味は?
問題 5-2
数えるときの「一つ」は「単位」か?「単位」でないとすればなぜか?
5-2 の回答を +
11/54 ...1点以上 20%
▶解答
▼解答
- 「単位」の共通性:自分だけの単位=私単位ではなくだれでも共通の単位=社会的単位
- 「制度」がないとはかれない?度量衡。
問題 5-3
歴史をさかのぼっていったとして、ヒトは「数える」ことと「はかる」ことは、どちらが先にできるようになったのか。
あるいは、子供の成長をみていて、「数える」のと「はかる」のとは、どちらが先にできるようになるか。
5-3 の回答を +
9/70 ...1点以上 13%
▶解答
▼解答
- 数えること。といいたくなるが、だれもみたものはいない。自然数概念にとらわれている。
- 順番、位置としての数のほうが先かも。まえ、あと、という順番。序数。
- 子供をみていて、数えるのとはかるのとは、どちらが先にできるようになるか。
- 「数える」能力の前提は?リンゴが、一つ二つ...でも、リンゴはみんな違うけど。違うモノが「同じ」だという能力。抽象化。
問題 5-4
コンピュータはホントに、人が数えるように「数える」ことができるか?
5-4 の回答を +
14/93 ...1点以上 15%
▶解答
▼解答
- 数えた数の計算はできるけれど、「数える」こと自体はむずかしい。
- リンゴという「言葉」なしに、リンゴの数を数えることはできるか?
- 抽象化の能力が必要。
問題 5-5
ヒトは、なぜ数えたり、はかったりしてきたのか?
5-5 の回答を +
57/89 ...1点以上 64%
▶解答
▼解答
- まわりのモノを、管理しコントロールするため。
- 管理・コントロールする能力の基礎として、「数える」「はかる」「計算する」能力。
- もし、対象に対して目的意識的にはたらきかける人間の活動をひろく「労働」と定義するなら、
- 「数える」「はかる」ということ自体、りっぱな労働。
- 「計算する」ということもまた、りっぱな労働。
▶要するに...
▼要するに...
- 「労働」というと、ついつい、畑を耕したり、船をこいだり、といった目に見える身体的な活動をイメージしてしまうが、そうした活動を通じて、まわりのモノを操作している点が「労働」の本質です。
- その意味で「数える」「はかる」「計算する」ことは基本中の基本、ある意味で労働の本質です。
- このことを理解することは、情報通信技術が発達するなかで、現代の労働がどのように変わるのかという問題を考える重要なヒントになります。
- 「数える」「はかる」「計算する」ことなんて、労働するまえに、あるいは労働のそとで、だれかがやること、労働そのものは、汗水垂らして身体を動かすことだ、といった労働観では、コンピュータが労働に及ぼす影響など、考えられません。
暗算と筆算 †
- 計算には時間がかかります。そのため、むかしから、いろいろな工夫がなされてきました。
- その計算「技術」の歴史は、コンピュータとは何かという問いにヒントを与えてくれます。
問題 5-6
小学校にあがるまえの小さな子供でも、指を使って「2+3は5」と計算できるようになる。
「じゃ、7+8は?」ときいてみよう。どうやって計算するか。
自分が子供だったとき、どうしたか、思いだしてみよう。
5-6 の回答を +
79/84 ...1点以上 94%
▶解説
▼解説
- みなさんの回答、なかなかおもしろいですね。
- 大きくいうと二つのやり方があるようです。
- 1,2,.....7,として,8,9,10,11,....
と連続的に「数える」ひと。この人たちは、どうしてもオハジキとか棒とか、道具が必要になります。足の指?これもオハジキ派でしょう。
- 5と2,5と3にわけて、10の位と1の位を別々に「数える」ひと。なんで5かといえば、指の数が5だからでしょう。
- ほかにも7が10になるには3足りないから... と考えて、片手の7(グー+指2本)にもう片手の8から3とって10(パー)にして.... という、筆算をやるときに近いやり方もあります。
- 要するに、モノをつかった計算では、いくつかやり方、手順がある、ということがわかります。ここがコンピュータを理解するときのポイントです。
- やり方、処理の手順のことを「アルゴリズム」といいます。「プログラム」を書くということの基礎の基礎は、この手順を書くことです。
- ついてにいっておくと、もう一つの基礎の基礎は、処理方法ではなく、処理対象をどう表現するか、です。単純な'6'でも10進法で表すか、4ビット16進法で表すか、8ビットの256進法で表すか、2ビットの2進法で表すか、いろいろありそうですが、さらに0.123 のような小数をどう表すか、と等々、表し方にもいろいろあります。こっちは「データ構造」です。
- むかし読んだ(ような気がする)『アルゴリズム+データ構造=プログラム』という本に、私の記憶ではこんなことが書いてあった(ような気がします)。
▶解答
▼解答
- 片手の指は5本しかないから....
- 計算のアルゴリズム
- 計算は「アタマ*1でやる」と思っている人が多いが、実は
- 道具をつかった計算が基本。
- 指もりっぱな計算という労働の手段。
- モノをつかった計算
- リンゴが20個ある、これを3人で分ける...
- 棒や小石をつかってモデル化....
- モノに計算させることはできるか?
▶数字の利用
▼数字の利用
- 筆算も道具をつかった計算
- ローマ数字の意味:I,II,III,IV,V,VI,VII,VIII,IX,X,XI,...
- アラビア数字とは:
- 1,2,3,4,5,6,... いくら'4'という記号をながめても、●●●●●●のイメージにはたどりつけない。
- コンピュータも'6'はまったく「理解」できない(そのままのかたちで「処理できない」)。
- ついつい、コンピュータを人間のように「理解」できるかできないか、などといってしまうが、この時点からすでに、妄想にとりつかれてはじめている。
- プログラムのなかに 'number = 6' などと書いても、'6'の意味がわかるのは、書いた人間だけ。
- コンピュータで最終的に処理できるのは、6=(2×2) ×[1] + (2)x [1] + (1) x[0] なので、[1][1][0] の状態 つまり スイッチC [on] スイッチB [on] スイッチA [off] というモノの状態。
- 小石を並べて足したり引いたりするときの、小石がモノの状態なのと同じ。