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 コンピュータと労働 1 

概要

  • 製造業を中心に、労働が歴史的にどのようにそのすがたを変えてきたのか、ふりかえる。
  • コンピュータの普及は、このような変化を、新たにどのような方向に転じさせるのか、考える。

製造業*1における労働の変容

  • 『資本論』における労働の減少・消滅論
    • 機械による労働の単純化と置換え
    • 19世紀の綿工業(急激に機械化されていった紡績・織布工場)が中心的なイメージ。
  • しかし、大量生産された綿布の消費には、さらに大量の労働が必要となる。
    • 縫製工場。実はここでは手作業が主流。
  • 『資本論』は大筋で、機械の導入で労働が単純化され、機械に置き換えられ、雇傭は縮小すると推論。
    • これは19世紀に労働のすがたの一面をついていた。
    • しかし、20世紀になっても、全体としてみると労働の領域は縮小せず、むしろ拡大した。
  • そこでは、労働者は何をしているのか?なぜ、労働が必要だったのか?
    • 商業や金融における事務的労働の話は後にまわし、まず、基幹的な製造業における労働を考えてみよう。

労働の新たな二つの型

  1. 組立型労働
  2. 操作型労働

組立という労働

  • 20世紀にはいると、家電や自動車など大量生産される耐久消費財の生産が発展。
  • 鉄やプラスティック、繊維や塗料などの素材は大工場で自動化。マルクスが考えたように労働は不要になる。
  • しかし、これらの素材を消費できるように加工するには組立型労働が必要だった。
問題 8-1
20世紀を通じて、耐久消費財の生産では、ベルトコンベアに沿って労働者がならんではたらく、昔ながらの分業が中心で、自動化がなかなか進まなかった。その最大の原因はなにか?
8-1 の回答を 
  +  
36/56 ...1点以上  64%

  分

操作という労働

  • 20世紀になると組立でも、手作業にかわって「機械」が導入されるようになった。
  • その早い例はミシン。「ミシン」の語源はMachine。Sawing Machine.
  • 組立とはふつういわないが縫製工場も組立型の工場。
問題 8-2
ミシンはコンピュータとよく似ているという人がいる。どこが、だろうか?共通点といえば....?
8-2 の回答を 
  +  
38/83 ...1点以上  46%

  分
問題 8-3
「機械を操作(操縦)する」というが、「道具を操作(操縦)する」とはあまりいわない。このことをヒントに「操作」operation という行為の本質はなにか、述べよ。
8-3 の回答を 
  +  
44/86 ...1点以上  51%

  分
▶解説
問題 8-4
「運転」という行為で、いちばん大事なのは「注意力」だといわれる?「注意力」とはにか、どんな「力」なのか?
8-4 の回答を 
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12/92 ...1点以上  13%

  分
▶解答

コンピュータの影響

原理

▶解答

漸進的導入

  • しかし、それはあくまで潜在的な可能性。
  • 実際にコンピュータが多くの労働に直接影響を与える過程は、少しずつゆっくりと進んだ。
  • 溶鉱炉の温度管理にも、化学コンビナートの反応制御にも、かなり早い段階からコンピュータが導入されてきた。「プロセス工業」
  • 「組立加工型工業」における早い例としてたとえばNC旋盤
  • マイコンという、見えないコンピュータの浸透。
  • しかし、組み立てにおいても操縦においても、コンピュータによる制御は理論的には可能でも、なかなか普及しなかった。
問題 8-5
労働における□□をコンピュータに移す過程がなかなか進まなかった理由を、自分の言葉で簡単にまとめてみよ。復習問題です。
8-5 の回答を 
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25/96 ...1点以上  26%

  分

*1 「工業」という用語には難点がある

Last-modified: 2021-02-20 (土) 19:13:40