浅羽[1991]第4章「マサチューセッツ植民地における代用貨幣」によると、植民地初期から17世紀末18世紀まで存続、トウモロコシが法貨規定をうけていた。さらに、バージニア植民地では「タバコ・ノート」が貨幣となったという。「政府はタバコ保蔵のための倉庫を各地に設立し、あわせて任命された検査官がそこに搬入されるタバコを調査・吟味して、良質と認められたタバコに対してのみ、預り証たるタバコノートをタバコ保蔵者に対して渡した。」(141頁)「タバコ準備通貨」である。タバコ通過は1600年代初頭から流通していたが、タバコというマテリアルには通貨としての不適合があり、「安定した譲渡可能なタバコ・ノート」(155頁)の発行を見るに至った。1713年、金属貨幣の不足とタバコ貨幣の基本的な欠陥とを背景に、より安定した植民地内通貨の発行を企図」していた。(160頁)以上の歴史的現象に理論的な反省をいくつか加えてみよう。