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前回のサプリメント

  • 「宿題」の「閉じた市場」について講義の後すぐに質問がありました。
    • 質問
      1. AとBがリンネル1ヤールと上衣1着を交換
      2. AとCがリンネル1ヤールと茶1kgを交換
      3. BとCが上衣2着と茶1kgを交換
      でOKではないか?
    • 答え
      これはちょっとマズい。というのは

      もしこの比率で交換できるのであれば、

      1. 「AとBがリンネル1ヤールと上衣1着を交換」するかわりに
      2. Aは
        1. Cと、リンネル 1/2 ヤールと茶1/2kgを交換し、次に
        2. Bと、茶1/2kgと上衣1着を交換
      する回り道を選べます。
      回り道をしても同じ結果になるには、

      1:1, 1;1, 1:1

      の比率でなければならないはず。

      1:1, 1:1, 1:2

      としてしまったため、有利な回り道ができるようになってしまったのです。
      推移律というのだそうですが、

      a/b=1, b/c=1 --> c/a=1

      が成り立たないと、回り道が発生します。
    • ヒント
      1. 回り道が生じない<--> Xp=Yp
      2. pは前回の講義で話した価格ベクトル(3次元)です。
      3. XpはA,B,Cの「売り上げ額」、Ypは「購入額」で構成されたベクトルです。
      4. A,B,Cがみな売った金額を支払ってちょうど需要を満たすことができる、という価格がp
      5. このpに比例した比率で「物々交換」をしてX-->Yを実現せよ、というのが「問題」です。
      6. 講義のなかで、「正解」を示しますが、まず、自分で少し考えてみてください。
  • プロジェクターで映した価格ベクトルをつかった 物価指数 の説明です。

概要

市場構造の変形

商品流通の構造(前回のW,Gの図解)を構成する売買 W --- G --- W' の二項に、その難易に決定的な差がある。販売が偶然的で不確定なのに対して、購買は提示された価格でなら、いつでもOKである。

この売りと買いの

+  ...

があるために、売ってから買う W --- G --- W' には変形が生じます。

この変形を追跡して、買って売る G --- W --- G' という

+  ...

が発生する経路を解析します。

配布物

参考


Last-modified: 2021-02-09 (火) 09:52:26