冬学期第1講>>[[次回>2018年度/冬学期第2講]] *ガイダンス [#mf065d22] われわれが今生きている経済社会を「資本主義」とよぶ。 資本主義=市場+生産 -夏学期は「市場」の理論を学んだ。 -冬学期は「生産」の理論を学ぶ。 **夏学期のまとめ [#z7b30171] -[&number(); ]市場を理解する出発点となるカギ概念は? #region 商品 #endregion -[&number(); ]これが存在すると必ず #region 貨幣 #endregion が実在する市場になる。 --現実の市場は、一般均衡論が想定している間接的物々交換の世界ではない。 --売るのにはランダムな時間がかかる市場 --このような市場では、 > +「売ってから買う」だけではなく +「買って売る」転売を繰り返し価値増殖を目指す #region 資本 #endregion の運動が発生する。 < -[&number(); ]この運動の本質は > -「自己増殖する価値の運動体」といわれるが、その特徴は +[[損益計算書 >https://www.bulldog.co.jp/company/pdf/050513_IR3.pdf]] +[[貸借対照表 >https://www.bulldog.co.jp/company/pdf/050513_IR3.pdf]] < で理解できると思うので、もう一度簡単に解説。 **市場と生産の結びつき方 [#u32b9295] -資本主義=市場+生産 といったけれど、この+の意味は? -もちろん、市場と生産が並んで存在するという意味ではない。「結びついている」とは... #region --すべてが金もうけのために、市場めあてに、生産されるようになるということ... --自分のために生産をして、あまった部分を市場にだす、という経済から、資本が生産の主体となる経済へ... #endregion -市場があれば資本(=商人)はでてくるが、資本が生産を支配するためには、さらに必要な条件がある、それは.... #region --「労働力の商品化」 --すなわち、貨幣を支払えば労働者をいくらでも自由にやとえること --つまり大量の賃金労働者がいる労働市場の存在 #endregion -そのための条件は.... #region --労働者が「生産手段=土地」をもたない((もちろん、古い時代に、労働者=農民が土地を「私有」していたわけではない。しかし、領主のもとで農民は土地と結びついて(結びつけられて)いた。自分の土地で労働して生産物の一部を年貢として収めるかたち。))こと。 --労働力をもっていても、それは「他人のための使用価値」⇒ 商品化。 #endregion **資本主義の起源と発展段階 [#l6f24dc6] -これは15,6世紀から18世紀にかけてイングランドで典型的に進んだ現象:『資本論』で「いわゆる資本の原始的蓄積」とよばれた、近代プロレタリアートの形成。 -資本主義はどのように誕生したのか、はホットなテーマ。というのは、20世紀に末に、新たな地域で資本主義が誕生しつつあるから... -20世紀の先進資本主義諸国(西欧諸国、アメリカ合衆国、そして日本)も、イギリスに遅れて19世紀末に一斉に資本主義化した。 - 資本主義の発生は、イギリスの事例は典型かもしれないが、唯一の出来事ではない。 - イギリスにおける資本主義の発生の特殊性 --羊毛工業と綿工業の断絶: -19世紀末の資本主義化の特殊性 --綿工業と重化学工業 --装置産業としての重化学工業とアセンブリ型の自動車・家電などの大衆消費機械工業 --20世紀は多くの諸国が工業化の道を断たれてきた。植民地化、低開発、南北格差の拡大。 -20世紀末にはじまり、現在進行中の資本主義化の特徴は --情報通信技術の影響力は? -冬学期の広義の前半では、こうした生産の歴史も思い浮かべながら、生産と労働の定性分析をおこなう。 -後半は、これをふまえた定量分析:価格水準の決定原理など、講義する予定。 *配布物 [#x139fe47] -[[ハンドアウト>http://gken.sakura.ne.jp/tus/pub/2018/handout_w1.pdf]] &new{now;}; -[[ハンドアウト>http://gken.sakura.ne.jp/tus/pub/2018/handout_w1.pdf]] &new{2018-09-13 (木) 21:13:09};