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*概要 [#h607f1d0]
前回、充分説明できなかった金属貨幣(物品貨幣)について、解説することからはじめます。&br; 金本位制についても、質問があったので説明してゆきます。その他、「価値を表現する」という場合の「表現」の意味についても質問がありました。

**商品貨幣 '''復習''' [#od927449]
-もう一度、簡単に振り替えておきます。
***価格 [#m37a37e9]
-教科書41頁の「 D. 貨幣形態」を読んでみます。

-教科書44頁の「1.3.3 商品貨幣」の部分を読んでみます。

***貨幣の必然性と実装方式の変容 [#sa236ad3]
|BGCOLOR(blue):COLOR(yellow):|CENTER:|CENTER:|CENTER:|CENTER:|c
|>|>|>|>|BGCOLOR(yellow):↓ 外的条件(取引対象、貨幣制度, 科学技術 etc) ↓|
| 機 能 |>|>|>|価値尺度、流通手段、蓄蔵手段....|
|実装方式|金属貨幣|不換銀行券|仮想通貨?| .... |
|スペック|>|>|>|その価値を&color(red){表現};すること|
|基本原理|>|>|>|商品には&color(red){知覚};できない価値がある|
|>|>|>|>|BGCOLOR(yellow):↑原理的要請(多種類の商品が大量に存在)↑|


**物品貨幣(金属貨幣) [#k82d025e]
***物品貨幣のすがた [#n64ee7db]
-物品貨幣を支える「貨幣制度」については[[スライド>http://gken.sakura.ne.jp/tus/pub/2018/handout4.pdf]] で説明してゆきます。
-金属貨幣を実装 implement するためには、価値表現という内在的な力に、次のような外的要因が加わる必要があった。
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①本位貨幣=「正貨」spicie 規定:価格単位の制定(特殊な度量衡法である貨幣法による「円」の定義)
①本位貨幣=「正貨」specie 規定:価格単位の制定(特殊な度量衡法である貨幣法による「円」の定義)
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②自由鋳造性:本位貨幣の実体化:金貨を「鋳造」((鋳造は「貨幣」をつくることではない。素材の品位を鑑定・保証するにすぎない。「鋳造」しても金量が増大することはない。そのすがたが変わるだけ))すること。造幣局 Mint の設立。
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③法貨規定:「強制通用力」を与えること。貨幣単位で表示された負債に対する最終決済をもつ貨幣を制定すること。「強制通用力」を「無理矢理に買うことができる力」などと誤解してはならない。あくまでも、自由な価格で売買契約を結んだ後に必要となる支払手段として、強制力をもつ(裁判で支払を主張できる貨幣=法貨。100万円の郵便切手をもっていっても支払を拒否されることはあるが、100万円の日本銀行券をもってゆけば、相手は拒絶できないということ。
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***物品貨幣の原理 [#x355cc76]
-商品の価値を表現する貨幣(商品貨幣)は、それ自身、商品価値とリンクしていなくてはならない。商品価値とリンクしていない貨幣=フィアット・マネーでは価値表現はできない。
-ただし、貨幣の価値も、それ自身の大きさは
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知覚
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できない。
-しかも、何円というように、単一の単位をもちいて
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表現
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することもできない。
-貨幣の価値の大きさは、
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多数の商品の価格ベクトル (p1,p2,....pn) ((ベクトルの大きさはどのように測られるのか?p1>p1' はいえても、同じように P>P' をいうことはできない。どうしたらよいか、自分で考えてみてください。第7講で説明しますが....))
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として現象する(知覚可能な世界に現れる)。
-金貨幣の場合
--①金の重量は
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知覚可能(計数化できる。金貨何枚というように...)
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だが、
--②その「価値の大きさ」は
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不可測で、しかも変化する((不可測な対象について、「変化」という概念が適用できるか?考えてみてください。))
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--③ただ
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大量のストックがある
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ので安定した大きさの価値をもつ。
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*配付資料 [#dbbb6542]
-[[ハンドアウト>http://gken.sakura.ne.jp/tus/pub/2018/handout4.pdf]] &new{2018-05-09 10:46:59};

*参考 [#w411a51a]
-[[お金の歴史(日銀貨幣博物館)>https://www.imes.boj.or.jp/cm/history/]]
-[[造幣局>http://www.mint.go.jp/operations/exam/operations_certification-01.html]]
-[[ロイヤルミント>http://www.royalmintmuseum.org.uk/history/index.html]]
-[[お金の歴史雑学コラム>https://manabow.com/zatsugaku/]]
-[[貨幣法(原文)>http://gken.sakura.ne.jp/tus/pub/2018/M0000000000001738005_023710101734.pdf]]
-[[貨幣法(旧)>https://ja.wikisource.org/wiki/%E8%B2%A8%E5%B9%A3%E6%B3%95]] 第1条に「金本位規定」第7条に「法貨規定」
-[[度量衡法(旧)>https://ja.wikisource.org/wiki/%E5%BA%A6%E9%87%8F%E8%A1%A1%E6%B3%95]]
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-[[通貨法>http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=362AC0000000042&openerCode=1#1]] 第2条に通過の「単位規定」
-[[日本銀行法>http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?openerCode=1&lawId=409AC0000000089_20150801_000000000000000#E]] 46条2に「法貨規定」
-[[計量法>http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=404AC0000000051#1]]
-[[補助貨幣・硬貨について>http://www.stat.go.jp/data/chouki/04exp.html]]
-[[財務省の「貨幣」定義>https://www.mof.go.jp/currency/coin/lot/2018kaheikeikaku.html]]
-[[日本銀行営業毎旬報告>https://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2018/ac180510.htm/]]

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