#author("2019-10-03T00:06:12+09:00","default:obata","obata") #author("2019-10-03T07:59:29+09:00","default:obata","obata") CENTER:[[前回>2019年度/冬学期/第2講]]<<冬学期/第3講>>[[次回>2019年度/冬学期/第4講]] ------ #qanda_clearckl #qanda_setstid(2019-09-26 16:10:00, 90) #qanda_who ------ CENTER:&size(25){&color(orange,navy){ 労 働 の 構 造 };}; *労働力 [#t9fae67f] -命題:労働力=労働''能''力=意識+身体 #qanda_set_qst(3,1,0){{ 「のどが渇いたので水を飲んだ」。アたりマえの行動ですが、さて、これはどのようなプロセスで構成されているのでしょうか、自分の行動を反省的に分析してみてください。 }} #qanda(3,1) > #divregion(解答,h2) -ほとんど条件反射的に水を飲んでいるのでは、牛や馬と変わりないでしょうね。 -もうちょっと、人間らしい行動を考えてみましょう。 -つまり、それが''労働する''ことなのです。 -といっても、アタマがいいとか、理性的とか、そういうのとはダイブ違います。 -回答⑤に即して分析してみます。 ,のどが渇く, ,,ここで「のどが渇いた」と自覚。自覚できれば.... ,,「ちょっとのどが渇いたんだけど、ナンかない?」と言葉にだして、 ,,人に伝えることだってできるようになる。 ,↓, ,のどを潤したい, ,↓, ,,&color(red){プロセス①}; ''目的設定'' ,,ナンか飲もう、なににしようか? ,,すぐ飲めるのは....( 検索 .... )、コンビニにゆけば....( 検索 .... ) ,,やっぱり水でいいや。 ,,if ....then elseif....then... といったかたちで、イメージを検索。その結果が水 ,,欲望をハッキリした「''対象''=水」に。欲望の対象化。 ,水が必要, ,↓, ,水を取る, ,,&color(red){プロセス②}; ''手段の構想'' ,,どうやって.... ? さすがに、手じゃ、水はつかめない。 ,,コップを探して水道の栓をひねって... or 冷蔵庫からペットボトルを取りだして... or ,,手段を選び、手順を考える。コップがみつかるまえに、栓をひねっちゃダメだよ。 ,↓, ,水を飲む, ,,&color(red){プロセス③}; 逐次的修正を伴う''実行'' ,,プロセス②うえの手順に沿って遂行 ,,if コンプが汚れていたら then .. if こぼしたら then .... -できたら、右の欄のような「意味づけ」「反省」あるいは「抽象化」を試みてみよう... -こんなバカバカしい分析など、人間ならだれもしませんが、 -もしコンピュータに労働させようと思ったら、これが前提になります。 -なぜ?って..... -それは、コンピュータ自体がバカバカしい存在だからです。 -そして、この労働のプロセス全部をまるごと、コンピュータにさせるのはムリなこと=ムダなことがわかります。 -コンピュータに''労働させる''のではなく、 -プロセスのどこを''労働を手伝わせる''か、考えるでしょう。 -いちばん簡単なのは、'''if 水道 then 蛇口をひらく + コップ esleif ペットボルト then 冷蔵庫 + キャップを回す ''' 型の選択プロセス。 -あるいはコップに水がたまったら、蛇口を閉じるといった '''while (たまった水 < コップの容量) { 蛇口を開いておく } ''' 型の繰り返しプロセス。 #enddivregion < #divregion(最小ユニット, h1, admin,lec=3,qnum=1) -このように労働の構造を考えてみると, > +外部の環境を知覚し意識に伝達すると同時に、意識によってコントロールされる''身体''と +身体からの情報を自覚すると同時に、身体を自由にコントロールする''意識'' < という二つのモメント、あるいは基本要素によって構成されているのがわかります。 -図で書けば、こんな感じです。 -教科書 106頁 図II.1.2 -「労働」という矢印の先にある●は? -「対象」=「目的物」です。 -これが次の段階で、「対象」+「目的物」に分化します。それが次の労働の拡張ユニットです。 #ref(II-1-2.png) #enddivregion *労働の同質性 [#x5bc167c] -命題:目的設定の自由度が、人間の労働に同質性という属性を与える。 #qanda_set_qst(3,2,0){{ <p>人間労働が互換性をもつのは、目的が欲求から相対的に自由に設定できるからだ。<p> <p>というようなことが教科書にはかいてありますが、</p> <p>さて、「相対的に自由に」している能力、要素ってなんでしょうか?</p> <p>動物の場合は、「相対的に自由」ではない、ということの対比で考えてみよう。</p> }} #qanda(3,2) > #divregion(解答,h2) -''イメージ''でしょう。 -イメージ先行、目的を自覚する、これが人間の労働と動物の条件反射的行動のちがいです。 -アタマがよいとか、理性があると、という推理能力ではありません。 -こっちは、手段を組み立てるときに有効な能力です。プログラミングのほうの問題です。 #enddivregion < #qanda_set_qst(3,3,0){{ <p>「労働の本質は目的意識にあり、したがって <ruby> <rb>身体</rb> <rp>(</rp> <rt>からだ</rt> <rp>)</rp> がなくても、意識さえあれば労働はできる。」</p> <p>この推論は正しいか。もし、正しくないなら、どこがどう間違っているのか?</p> }} #qanda(3,3) #divregion(解答,admin,lec=3,qnum=3) -誤り。なぜらな > +労働には欲求の存在が前提となるが、欲求は身体なしには生じない。 +欲求にもとづく「目的」を実現する、最初の「手段」として、身体が必要 < だから。 #enddivregion *過程としての労働 [#x7095eac] -命題:手段をつかう結果、労働には自動性が生じる。 #qanda_set_qst(3,4,0){{ <blockquote> 主体は,労働手段をテコにして,モノどうし の複雑な反応に介入する.モノどうしの反応過程には自然法則に基づく自動性 がある.労働力の介入ポイントの数が絞られれば,自然過程の自動性が顕著に 現れる.ここに自動装置としての機械に発展する萌芽がある. </blockquote> 「自然過程の自動性」ってどんなことか、例を挙げてみよ。 }} #qanda(3,4) #divregion(拡張ユニット, h1, admin,lec=3,qnum=3) -この図です。 -教科書 108頁 図II.1.3 #ref(II-1-3.png) #enddivregion *他人のための労働 [#h875d151] -命題:目的の設定=欲望の対象化が、他人のための労働を可能にする。 -命題:手段をつかうため、労働過程のうちに自動性が含まれるようになる。 #qanda_set_qst(3,5,1){{ #qanda_set_qst(3,5,0){{ <p>「他人のための労働」というとき、コミュニケーションはかならず必要でしょうか。コミュニケーションなしに「他人」のためにはたらけるとしたら、それはどうしてでしょうか?</p> }} #qanda(3,5)