#author("2019-11-06T22:58:32+09:00","default:obata","obata")
#author("2019-11-06T23:10:14+09:00","default:obata","obata")
CENTER:[[前回>2019年度/冬学期/第6講]]<<冬学期/第7講>>[[次回>2019年度/冬学期/第8講]]
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#qanda_clearckl
#qanda_setstid(2019-10-24 14:00:00, 90)
#qanda_who
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CENTER:&size(22){&color(orange,navy){ コ ン ピュ ー タ と 労 働(2)};};
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*道具を使った計算 [#k33b999e]
**電卓 [#w87d9015]
#divregion(電卓の登場,admin,lec=5,qnum=7)
-ソロバン玉も物理的な運動。ただ力学的な運動で遅い。
-電子的な状態変化を利用する技術。それ自身は高速。
-技術的には [[on/off 可能なスイッチで計算>http://kids.casio.jp/hatena/hatena2.html]]。二進法。
-しかし、真空管をつかった初期の計算機はエネルギーの浪費。
-半導体による計算機によって実用化。
#enddivregion

#qanda_set_qst(7,1,0){{
足し算引き算のレベルだと、ソロバンになれた人が電卓をつかう人と競争しても大差がつかないのはなぜか?
}}
#qanda(7,1)

#divregion(解答,admin,lec=7,qnum=1)
-読み取り読み出しに時間がかかるから。
-計算部分(ソロバン玉を動かしたり、レジスターが反応したりする)が占める比率に対して、
-数字を読んで指で入力する時間はけっこうかかる。
-要するに「遅い入出力装置=人間」の作業がしめる比率が圧倒的に高いから、
-計算部分が高速化し差が大きくなっても、その影響は限定的なのだ。
#enddivregion

#qanda_set_qst(7,2,0){{
<p>電卓の基本:電卓は、7+8 をどのように計算をしているのか?</p>
<p>わかる範囲で、想像してみよう。</p>
}}
#qanda(7,2)

#divregion(解答,admin,lec=7,qnum=2)
-もっとも単純なかたちなら、三つのレジスターが基本。
-レジスタAの値が10進数の液晶で表示されるタイプ。
|||Aレジスタ|Bレジスタ|Cレジスタ|表示=Aレジスタ|
|1|7ボタン|00000111|00000000|00000000|7|
|2|+ボタン|00000111|00000111|00000000|7|
|3|8ボタン|00001000|00000111|00000000|8|
|4|=ボタン|00001111|00000111|00001000|15|
#enddivregion

#qanda_set_qst(7,3,0){{
<p>電卓にはMとRM というボタンがついているものがある。Mを押すと現在表示されている数が記憶され、RMを押すとそれが呼びだされる仕掛けになっている。</p>
<p>さて、この電卓で<p>
<p>(7+8)÷(9-6)</p>
<p>を計算するには、どのような順番でボタンを押したらよいか。</p>
<p>4 + 3 M 5 RM .... = のように、順番にならべてください。</p>
}}
#qanda(7,3)

#divregion(解答,admin,lec=7,qnum=3)
-9 - 6 M 7 + 8 ÷ RM =
-9 - 6の計算結果を、一度メモリに''記憶''しておいて、後で呼びだしてつかっているわけです。
#enddivregion

#divregion(解説,admin,lec=7,qnum=3)
-実際に電卓をつかう人をみてると、このメモリをほとんど使っていません。
-紙にメモして、好きなときに呼びだしてつかうほうが、使い勝手がいいのでしょう。
-大きな数だとメモするのがたいへんですが、ただメモリはすぐ消えてしまいます。
-あまり利用されていないメモリですが、計算機能をするレジスタ=半導体素子のほかに、データを書き込み読みだすことができるメモリの存在は、コンピュータとはないか、考えるうえで重要です。
#enddivregion

#qanda_set_qst(7,4,0){{
メモリ [M] [RM]ボタンのついた電卓はコンピュータか?
}}
#qanda(7,4)

#divregion(解答,admin,lec=7,qnum=4)
-例によって、Xとはなにか?という定義問題はむずかしい。
--実際につかっているコンピュータは、ずっーとずっと複雑。
--いろいろなタイプのものもある。スマホは?デジカメは?....もちろんパソコンは?...
-原論的アプローチでゆきますか....
--考え方として、これがないとコンピュータとはいう意味がない、という最小限の要素を絞り込む。
--電卓をコンピュータと定義すべきか?
---解答①:電卓も立派なコンピュータだ。というのは、どんなコンピュータも最低限もっているあるものをチャンともっているから。それは... on/off のbitが組み合わさった繰り上がりできるレジスタCPUをもっているから。
---ただCPUだけではなにもおこらない。
---そうですね... では、定義1:コンピュータ=CPU +入力装置+出力装置。これを定義として、電卓も立派なコンピュータだ、ということにします。
---解答②:いや、この定義はあまい。レジスタがあればというだけでは広すぎる。レジスタだって、ソロバン玉だって、物理的な装置。人がソロバン玉を機械的に操作するのと、電卓のボタンを押すのと、基本的な違いはないではないか。
---コンピュータ=操作手順を人の指から離せる計算の道具。7と8を入れれば、+や=のボタンをおすという操作をしなくても、画面に15がでてくるとき、コンピュータとよぶ。つまり、入力のまえに、操作の手順を指定できる計算の道具。要するに、プログラミンができること。これで、労働者=ユーザーの視点から、ソロバンや電卓 vs コンピュータという区別がハッキリする。
---解答③:いやいや、解答2でもまだあまい。ただあらかじめ手順をプログラムしておくか、アタマのなかのプログラムにしたがて、ボタンを押すか、だけでは決定的な違いにはならない。
---じゃ、どう区別するの?それは、次の項で....
#enddivregion

**コンピュータ [#v897bad0]
#qanda_set_qst(7,5,0){{
-ユーザーの視点からみて、たとえ手順を先にしていできる電卓でも、やはりパソコンとは異なる点がある。それはなにか。
}}
#qanda(7,5)

#divregion(解答,admin,lec=7,qnum=5)
-条件分岐ができるかどうか。
#enddviregion

#divregion(解説,admin,lec=7,qnum=5)
-if P then Q という論理操作ができるか。
-もし ① A と B の比較。もし同じ(でない)値なら ② 操作に戻る(移る)という二つのことを、レジスタをつかってやれるようになったとき、コンピュータとよぶ。
-人間が目的意識的活動=労働をおこなうことができるのは、目的にあっているかいないかを「判断」できるから。
--もし、あっていれば続ける、
--あっていなければ修正する・やりなおす・やめる ということができるから。
-この「判断」(の一部)を代行させることができるようになった装置がコンピュータ。
--ここが、ソロバンとも電卓とも違う点。
-「計算装置」ではなく、「論理装置」になったとき、コンピュータとよぼう。これが解答③のなかみです。
-この講義ではこれから、解答③の意味でコンピュータという用語をつかっていきます。
#enddivregion


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