#author("2020-05-20T11:23:33+09:00","default:obata","obata") #author("2020-05-20T11:24:34+09:00","default:obata","obata") CENTER:[[前回>2019年度/第3講]]<<第4講>>[[次回>2019年度/第5講]] CENTER:&size(25){&color(yellow,navy){ 貨幣について(3)};}; //講義開始前に一度だけ実行:cookie log の初期化と自分用クッキー //#qanda_initlec #qanda_who //#setstid //#qanda_setstid *概要 [#y5229e29] -前回までのところで、「商品」の概念を厳密に規定してきました。 -抽象的でちょっとむずかしかったと思いますが... #region(基本的な考え方は) -一口に貨幣といっても、いろいろなものがあります。 -それらをすべて含むような「貨幣」の一般的な定義を考えてきたのです。 -そのために、かなり抽象的な話になりましたが、 -今回は、この定義をベースに、さまざまな貨幣について考えてゆきます。 -いろいろな「貨幣(のようなもの) 」→ 「貨幣」という帰納ではなく、 -モノ・財・商品 → 「貨幣」という演繹を基礎に、 -「貨幣」 → さまざまな「貨幣(のようなもの)」というアプローチです。 #endregion -今回から さまざまな「貨幣(のようなもの)」について学んでゆきます。 #region(具体・抽象・単純・複雑) -具体的な対象ですが、こっちは複雑多様で細部をみるとキリがありません。 -抽象的でシンプルなのと、具体的だけど複雑なものと、どっちがいいですか? -具体的でシンプルな説明があれば、いちばんいいのですが... #endregion -これをベースにして、貨幣について考えてゆきます。 -考察の手順は以下の通り。 ------ +商品貨幣 ++物品貨幣(金属貨幣) ++信用貨幣 ++クレジット・プリペイド・デビットカード +法定貨幣(フィアット・マネー) ++国家紙幣・貨幣国定説 ++仮想通貨(クリプトカレンシー)の可能性 ------ -今回は、''定義''どおりの貨幣 =「商品貨幣」、つまり 1 の、そのまた i まで説明。 - それ以外の1は、次回にまわします。 -2は「貨幣のようなもの」です。''定義''どおりの「貨幣」ではありません。 -2については、時間が許すかぎりで、次回に話します。 **■貨幣の基本 [#hfd2e76b] ***貨幣とは(再定義) [#o6da8387] #region(等価物) -「等価物」という用語の追加して、貨幣を定義してみます。 +「商品」が存在すれば、 +必ず「価値」が存在し、 +その「価値」は必ず「表現」を伴う。 +価値を「表現する」には、「なにか」something else で表現するほかない。 +表現するためのこの「なにか」を''等価物''とよぶ。 +それぞれ価値をもつさまざまな商品が、等価物になる「資格」を秘めているが、 +すべての商品が、単一の商品で、それぞれの価値を表現するようになったとき、これを''一般的等価物''とよぶ。 +''一般的等価物''が持続的な性格をもつとき、これを''貨幣''とよぶ。 #endregion &aname(lend); //#qanda_setqst(4,1,<p>次の文の誤りを指摘し、理由を述べよ。</p><p>「あずき 1トンを1ヶ月、借りて10万円で売り、1ヶ月後に、8万円であずき 1トンを買って、等価物として返した。」</p>) --[[質問&number(問題);>問題:lec=4&qnum=1]] --[[回答>回答:lec=4&qnum=1]] //--[[質問&number(問題);>問題:lec=4&qnum=1]] //--[[回答>回答:lec=4&qnum=1]] #qanda(4,1) ***貨幣の基本の基本は [#n64d6de8] #region(価値表現) -&color(white,blue){ 商品の価値の大きさを表現する };こと --「貨幣がある」ということは、「価値が表されている」ことと表裏一体の関係。 --商品に価値がありながら、貨幣は存在しないということはありえない。 #endregion //#qanda_setqst(4,2,<p>次の文が誤りであるという人に、誤りではない理由を説明しようと思う。<p style=""font-weight: bold;"">「貨幣は支払いに使わなくても貨幣である。」</p><p>説得のキーワードになるのはなにか。</p>) --[[質問&number(問題);>問題:lec=4&qnum=2]] --[[回答>回答:lec=4&qnum=2]] //--[[質問&number(問題);>問題:lec=4&qnum=2]] //--[[回答>回答:lec=4&qnum=2]] #qanda(4,2) ***価値と価格 [#m37a37e9] -教科書41頁の「 D. 貨幣形態」を読んでみます。 -[[貨幣法(旧)>http://gken.sakura.ne.jp/tus/pub/2018/M0000000000001738005_023710101734.pdf]] -[[通貨法>http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=362AC0000000042&openerCode=1#1]] -[[補助貨幣・硬貨について>http://www.stat.go.jp/data/chouki/04exp.html]] -[[財務省の「貨幣」定義>https://www.mof.go.jp/currency/coin/lot/2018kaheikeikaku.html]] ***強調点を一つ追加しておきます。 [#h837f273] #region(価値のないものでは価値表現には使えない) -「商品の価値の表現は、他の商品の物量で表現される」というとき、それはあくまで「商品の物量」であって「モノの物量」ではありません。 -「商品の物量」というのは、「それ自身、何らかの価値をもっている商品」の物量という意味です。 -商品の価値の表現には、やはり他の商品の価値が必要なのです。 -価値をまったくもたないとわかっている「なにか」ではダメなのです。 #endregion -ここが貨幣に関する最大の難問です。 #region(難問中の難問) > +無価値なモノではダメだが、 +価値表現しようとしている商品の価値と同じように、 +表現の材料にする等価物の「価値」も、直接取りだすことはできない。 < 貨幣は > +見えない価値を見えるモノにして(たとえば金の価値 → 金の重さ) +見えない価値を表現している(たとえば リンネル1ヤールの価値 = 金1ミリグラム) < #endregion **■さまざまな商品貨幣 [#qc187f6f] ***商品貨幣 [#zf8d616d] #region(商品貨幣とは) > 価値をもつ商品が、''直接、間接に''、貨幣になったもの < #endregion //#qanda_setqst(4,3,次の文は真か偽か、理由も述べよ。「すべての貨幣が商品貨幣だとはかぎらない。」) //--[[質問&number(問題);>問題:lec=4&qnum=3]] //--[[回答>回答:lec=4&qnum=3]] #qanda(4,3) -直接型:物品貨幣≒金属貨幣≒金貨 -[[お金の歴史(日銀貨幣博物館)>https://www.imes.boj.or.jp/cm/history/]] -[[造幣局>http://www.mint.go.jp/operations/exam/operations_certification-01.html]] -[[ロイヤルミント>http://www.royalmintmuseum.org.uk/history/index.html]] -[[お金の歴史雑学コラム>https://manabow.com/zatsugaku/]] //**物品貨幣(金属貨幣) [#k82d025e] //-教科書44頁の「1.3.3 商品貨幣」の部分を読んでみます。 //-物品貨幣を支える「貨幣制度」についてはスライドで説明してゆきます。 //*配付資料 [#dbbb6542] //-[[ハンドアウト>http://gken.sakura.ne.jp/tus/pub/2018/handout4.pdf]] &new{2018-05-09 10:46:59};