#author("2019-06-26T19:22:35+09:00","default:obata","obata") #author("2019-06-27T08:35:47+09:00","default:obata","obata") CENTER:[[前回>2019年度/第7講]]<<第8講>>[[次回>2019年度/第9講]] CENTER:&size(25){&color(yellow,navy){ 貨幣について(7)};}; ----- #qanda_who #qanda_setstid(2019-06-27 16:10:00,30); ------ #divregiongroup *これまでの流れ [#hcc21d43] #divregion(この講義全体の流れをつかもう) + 資本主義の&color(red){全体};のすがたを捉えること + 第一は&color(red){市場};とはなにか。 + 出発点で二つに分かれる。&color(red){( A )};の交換か、&color(red){( B )};の売買か?~ //#qanda_setqst(8,1,Aは?)&br; #qanda(8,1) &br; ////#qanda_on(8,1) //#qanda_setqst(8,2,Bは?) #qanda(8,2) ////#qanda_on(8,2) + &color(red){( B )};とは100%&color(red){( C )}; にだけ役にたつ&color(red){( A )};~ //#qanda_setqst(8,3,Cは?) #qanda(8,3) //#qanda_on(8,3) + それをもっている当人にとって&color(red){( B )};は&color(red){( D )};を''もつ''。~ すなわち、&color(red){( B )};には&color(red){( D )};が''ある''。~ //#qanda_setqst(8,4,Dは?) #qanda(8,4) //#qanda_on(8,4) + &color(red){( D )};はかならず&color(red){( E )};を用いて&color(red){表現};される。~ //#qanda_setqst(8,5,Eは?) #qanda(8,5) //#qanda_on(8,5) + すべての商品に共通の、単一で、期間を通じて持続性をもつ&color(red){( E )};が&color(red){( F )}; である。~ //#qanda_setqst(8,6,Fは?) #qanda(8,6) //#qanda_on(8,6) + &color(red){( E )};となることができる&color(red){( B )};&color(red){( F )};には、 ++直接に&color(red){( B )};&color(red){( D )};と結びついた&color(red){(G)};&color(red){( F )};と~ //#qanda_setqst(8,7,Gは?) #qanda(8,7) //#qanda_on(8,7) ++間接に&color(red){( B )};&color(red){( D )};と結びついた&color(red){( H )};&color(red){( F )};と~ //#qanda_setqst(8,8,Hは?) #qanda(8,8) //#qanda_on(8,8) &br; がある。 +このほかに、100円玉のように&color(red){( D )};とのつながりをもたない&color(red){(I)};&color(red){(F)};もある。 //#qanda_setqst(8,9,Iは?) #qanda(8,9) //#qanda_on(8,9) +しかし、&color(red){(I)};&color(red){(F)};だけでは、&color(red){( D )};を&color(red){表現};することはできない。 +したがって、&color(red){(I)};&color(red){(F)};は、&color(red){( B )};&color(red){( F )};なしにそれだけで機能することはできない補助的な存在である。~ #enddivregion *前回の復習 [#z9e53f93] #divregion(車輪と回転) + さて、自転車全体を部品レベルから組み立てるイメージでいうと、やっと&color(red){車輪};ができたところ。 + このとき、どんな状況になっているか、前回板書した第一の図をおもいだせますか? #divregion(貨幣が実在する市場の図) CENTER:&ref(2019年度/第7講/wgw.png,,70%); #enddivregion + &color(red){車輪};の組立は終わったので、今度はこの&color(red){車輪};を実際に転がしてみよう。 + この&color(red){車輪};は、どのように動くのだろうか? + その様子が第二の図になります。これも自分で書いてみよう。 + この図をみると貨幣は三つの機能を果たしている。 ++ 価値尺度機能 ++ 流通手段機能 ++ 蓄蔵機能 + それぞれのポイントになるキーワードを一つ考えてみよう。&br; //#qanda_setqst(8,10,価値尺度機能のキーワードは?) #qanda(8,10) &br; //#qanda_on(8,10) //#qanda_setqst(8,11,流通手段機能のキーワードは?)&br; #qanda(8,11) &br; //#qanda_on(8,11) //#qanda_setqst(8,12,蓄蔵手段機能のキーワードは?)&br; #qanda(8,12) &br; //#qanda_on(8,12) #enddivregion *概要 [#m14f2e4d] -今回は次の二つの発展問題を考えます。 -いずれもこれまで話してきた基礎の基礎がわかっていれば解けるはずです。 +貨幣数量説 +物価指数 **貨幣の量と商品の価格 [#n0498c1a] #divregion(商品流通の図) CENTER:&ref(2019年度/第7講/wgww.png,,50%); #enddivregion #divregion(貨幣のながれにそってみると...) +貨幣の&color(red){流れ};が ''current''...... is not circulation!! +図のGが一枚の一万円札であり +一万円札は一日平均3回使われるとすると....&br; //#qanda_setqst(8,13,この一万円札は1日平均X万円の需要を生みだす。Xは?) #qanda(8,13) //#qanda_on(8,13) &br; +一万円札が一億枚存在すると....&br; //#qanda_setqst(8,14,1日平均Y万円の需要が生まれる。Yは?) #qanda(8,14) &br; //#qanda_on(8,14) ++貨幣が一日に使われる回数=平均''流通速度''はほぼ一定していると仮定し、 ++貨幣は流通のツールであり、生産や消費の量には''影響を与えない''=''中立''であると仮定する。 +このとき、もし貨幣の量が2倍に増えたとすると....&br; //#qanda_setqst(8,15,どのような結果が生じるか?) #qanda(8,15) //#qanda_on(8,15) #enddivregion #divregion(貨幣数量説) +貨幣量&mathjax{M}; 平均流通速度&mathjax{v};,商品 &mathjax{i};の販売数量&mathjax{x_i};価格&mathjax{p_i};として、 > &mathjax{Mv =p_1x_1+p_2x_2+\cdots\cdots=(p_1,p_2,\cdots)(x_1,x_2,\cdots)=\boldsymbol{px}}; < //#qanda_setqst(8,16,左辺は何を表しているか?) #qanda(8,16) &br; //#qanda_on(8,16) //#qanda_setqst(8,17,この式で「期間」の長短で変化しない量=ストック量はどれか?記号で。) #qanda(8,17) &br; //#qanda_on(8,17) //#qanda_setqst(8,18,「期間」の長短で変化する量=フロー量はどれか?式で。) #qanda(8,18) &br; //#qanda_on(8,18) +貨幣の数量が商品価値の水準をきめるという学説を、'''''貨幣数量説'''''という。&br; //#qanda_setqst(8,19,「貨幣数量説」でもっとも重要な仮定はなんだろう?) #qanda(8,19) &br; //#qanda_on(8,19) #enddivregion **貨幣の価値と物価 [#z3fa794c] ***貨幣の価値 [#l01f9175] #divregion(貨幣の価値を表現することはできるか?) -貨幣の価値の大きさを表現することはできるのか?&br; //#qanda_setqst(8,20,「缶ジュースの価値が100円であり、菓子パンの価値が100円であるように、100円玉の価値も100円である。」この主張は真か偽か?偽であるならその理由を述べよ。) #qanda(8,20) &br; //#qanda_on(8,20) -いろいろな商品の価格が''全般に''あがれば、貨幣の価値はさがる、逆なら逆である。 -でも、この「''全般に''」をちゃんと定義するのかはむずかしい。 #enddivregion ***物価指数 [#v332a7af] #divregion(そもそも指数って.....) -異なる状態を比較するのには、'''''指数''''' index が使われる。 -異なる状態は複数の計測可能な数値のセット。&br; //#qanda_setqst(8,21,梅雨ですね。不快指数という言葉を耳にするようになりました。ところで、この不快指数って、そもそもなにを表しているのでしょうか?「不快指数」を計算するのに使う数値は?) #qanda(8,21) &br; //#qanda_on(8,21) //#qanda_setqst(8,22,BMIを計算するのに使う数値は?BMIはそもそもなにを表している?) #qanda(8,22) &br; //#qanda_on(8,22) #enddivregion #divregion(バラバラな価格の変化はどう測るべきか...) -いろいろな商品の価格が''全般に''あがれば、貨幣の価値はさがる、逆なら逆である。 -でも、この「''全般に''」をどのように定義するのかはむずかしい。 -簡単な数字で考えてみよう。 --価格には上がるものもあればさがるものもある。 --あがるほうを商品1で、さがるほうを商品2で代表させる。簡単にするために、この二つの商品しかないとしよう。 --昨年の価格と取引量を&mathjax{\boldsymbol{p_1}=(2,5),\boldsymbol{x_1}=(4,2)}; --今年の価格と取引量を&mathjax{\boldsymbol{p_2}=(4,3),\boldsymbol{x_2}=(3,5)};&br; --&color(red){用語上の注意};:&br; > &mathjax{\boldsymbol{p_1}=(2,5)};や &mathjax{\boldsymbol{p_2}=(4,3)};を ''価格ベクトル''&br; &mathjax{\boldsymbol{x_1}=(4,2)};や &mathjax{\boldsymbol{x_2}=(3,5)};を ''物量ベクトル''&br; < とよぶことにします。 |CENTER:|CENTER:|CENTER:|CENTER:|CENTER:|c ||>|価格|>|取引量|h |~|商品1|商品2|商品1|商品2|h |昨年|2|5|4|2| |今年|4|3|3|5| //#qanda_setqst(8,23,昨年の価格p1のままだったら、今年の数量x2を買うのにいくら必要か?) #qanda(8,23) &br; #divregion(正解) (2,5)(3,5)=6+25=31 #enddivregion //#qanda_on(8,23) //#qanda_setqst(8,24,今年の価格p2であったら、昨年の数量x1を買うのにいくら必要か?) #qanda(8,24) &br; #divregion(正解) (4,3)(4,2)=16+6=22 #enddivregion //#qanda_on(8,24) //#qanda_setqst(8,25,昨年の取引額を基準にしたとき、昨年の取引額=100に対して、今年の取引額はいくつになるか。(小数点以下切り捨てで)) #qanda(8,25) &br; //#qanda_on(8,25) // #divregion(正解) &mathjax{(4,3)(3,5)\div (2,5)(3,5) \times 100 =(12+15)\div(6+25)\times 100=27/31\times 100 = 87}; &br; 13ポイント下落している。 #enddivregion //#qanda_setqst(8,26,今年の取引額を基準にしたとき、昨年の取引額=100に対して、今年の取引額はいくつになるか。(小数点以下切り捨てで)) #qanda(8,26) &br; //#qanda_on(8,26) #divregion(正解) //&mathjax{(4,3)(4,2)\div (2,5)(4,2) \times 100 =(16+6)\div(8+10)\times 100=22/18\times 100 = 122}; &mathjax{\displaystyle \frac{(4,3)(4,2)}{ (2,5)(4,2)} \times 100 =\frac{16+6}{8+10}\times 100=\frac{22}{18}\times 100 = 122}; &br; 22ポイント上昇している #enddivregion #enddivregion -最後の5題はちょっと面倒です。だいぶ混乱したと思います。何を計算したのか、来週まで''ゆっく〜り''考えてきてください。