#author("2020-10-03T07:16:49+09:00","default:obata","obata")
#author("2020-10-08T12:56:32+09:00","default:obata","obata")
CENTER:[[前回 ◁ >2020年度/冬学期/第2講]]&color(#447CFF){第 &size(32){3}; 講}; [[▷ 次回>2020年度/冬学期/第4講]]
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#qanda_mathjax
#qanda_setstid(2020-10-01 16:10:00,90)
#qanda_who
#qanda_points_chart
#qanda_points_hist(20,冬,3)

✔  REC &color(red){ON}; ?

#qanda_set_qst(3,20,0){{
<p>&#x2714;接続状態をおしえてください。</p>

<p>&#x2714;なお、前回学生証番号を登録した人で、今回「氏名不詳」になってしまった人は「再登録」と書いてください。</p>

<p>&#x2714;履修者リストにとうろくされていません、というエラーがでた人は、トップページからメールで知らせてください。</p>
}}
#qanda(3,20)

-----
CENTER:&size(20){&color(navy){&nbsp;生産と労働(2)};}; &nbsp;&size(25){&color(yellow,navy){&nbsp;労働&nbsp;};};
----

#divregion(方法の問題,lec=3,qnum=20,admin)
-私たちが&qanda_tooltip(ふだん使っている言葉){まさにいま書いているこの言葉です。自然言語といいます。};は、いろいろな広がりをもっています。
--これはいろいろな現象を柔軟に語ることができる優れた能力で、大事に活かしてゆくべき言葉の最大のメリットです。
--ただ論理を組み立てようとするとき、自然言語をナマのまま持ちこむと、厳密さを妨げる障害となります。レトリカルなごまかし、含蓄による逃げです。
--これを避けるには、自然言語をトコトン分析し、暗黙裏に含まれる拡張子を一つ一つ明示する必要があります。
--これにより、あることばが、別のことばと、どの拡張子で連結してるのか、語間構造を明らかにすることもできます。
-この原論の基本方針は、いたずらに厳密さだけを追い求め機械的な定義を与えるのではなく、
>
+自然言語に自由に語らせ
+人々の活きた語り方を客観的に分析することで
+「コア+拡張子」という厳密だが柔軟な定義をあたえる
<
方法を試してみることです。
//-この方法によって、ここまでの
//$$「生産」\to「ふえる」\to 「ふやす」\to「つくる」\to 「はたらく」\to「労働」$$
//という語間構造を分析してきたわけです。
#enddivregion

#qanda_set_qst(3,1,0){{
<p>「ふえる」と「ふやす」の関係は?</p>
<p>「関係」というのは、「含む・含まれる」つまり「の一種」だとか、「親・子」<span class="tooltip">「兄弟」<span class="dscp"><span class="text">最近、英語では sibling 。こういえば gender free です。</span></span></span>だとか、「原因・結果」だとか、まだまだ、いろいろあります。要するに、「A は B の 〜 だ」というように、二つを結びつけるのに必要な述語です。</p>
}}
#qanda_solution(3,1){{
<p>解答</p>
<p>「ふえる」は「ふやす」を含む(「ふやす」は「ふえる」の一種だ、あるいは一部だ)。</p>
<p>解説</p>
<p>「ふやす」が原因で「ふえる」が結果?</p>
<p>これ、当たっているようにみえますが、ハズレです。</p>
<p>ふやそうとしなくても、ふえるものはあるのです。河の水が溢れるのだって、雑草が庭にふえるのだって、....</p>
<p>すべての現象は、だれかがそうしようとしたから生じたのだと考えると、けっきょく神様のような超越的存在を考えなくてはならないことになります。</p>
<p>... ということで次の問題</p>
}}
#qanda(3,1)
#qanda_set_qst(3,2,0){{
<p>「ふえる」にはなくてもよいが、「ふやす」には必ずあるものは?</p>
}}
#qanda_solution(3,2){{
<p>解答</p>
<p>意志</p>
<p>目的</p>
<p>解説</p>
<ul>
<li>「人」とかでもいいのですが、もっと絞り込めば、ふやそうとする「つもり」つまり「意志」でしょう。</p>
<li>「労働」っていう答えもあるでしょうが、労働ってなにか、これから考えているところなので、それはちょっと待ってください。</li>
<li>もう一つの答え方は、「ふえる」は自動詞、「ふやす」は他動詞、だから、「ふやす」には必ず目的語があり、それが表す「目的」があるハズだ、というもの。</li>
<li>なるほど、理屈ですね。</li>
<li>はだかの「意志」が唯我独尊、野原にポツリとたっているワケではない、「意志」にはつねにその向かう先がある、それが「目的」だ、といえば、二つは別の話ではなくなります。</li>
</ul>
}}
#qanda(3,2)

#qanda_set_qst(3,3,0){{
<p>「ふやす」は他動詞だった。さて、この「ふやす」をふくめ、意志に重点をおいた人間の行為をひろくカバーできる他動詞はなんでしょう?その言葉を選んだ理由も一言。</p>
}}
#qanda_solution(3,3){{
<p>解答</p>
<p>つくる</p>
<p>する</p>
<p>目的語が指す対象を「ある状態から別の状態に変える」ことをもっとも広く意味する動詞だから。</p>
<p>解説</p>
<ul>
<li>いろいろ考えられるので、「答えは一つ」という基準で採点できる問題ではありませんが、</li>
<li>出題者は「つくる」を期待しています。</li>
<li>「はたらく」とか「労働する」といかにまで、一気に進んでしまう人もいると思いますが、まだちょっとはやい。</li>
<li>ここでは「労働」の要素分析が目的なので、もうちょっと基礎的な言葉で、内容を考えてみたいのです。</li>
<li>ということで、とりあえず「つくる」ではどうかな、ということになります。</li>
<li>こうしたよく知っている言葉の分析を手がかりに、労働の構造を分析するのです。</li>
</ul>
<hr size=2lix width=50%>
<ul>
<li>日本語の「つくる」は、「目玉焼きを作る」とか「家を造る」とか、何かしら目に見える具体的なものをつくるという意味合いがつよく、ちょっと狭いかも。</li>
<li>英語の make はもっとひろい範囲に及ぶようです。
<li>「意志」の対象も、ものだけではなく、人にも及ぶわけで、その場合には「させる」という使役動詞になります。</li>
<li>日本語の「つくる」も、意志をもつ人$P$が、あるモノ $M$ を別のモノ $O$ に「させる」という意味では、<span class="tooltip">$P( M \to O)$<span class="dscp"><span class="text">Pはpersonで主体, Mはmittelで手段, Oはobjectで目的です。</span></span></span>という構造は同じです。</li>
</ul>
<hr size=2lix width=50%>
<ul>
<li>「つくる」よりも、<span class="tooltip">主体の意図<span class="dscp"><span class="text">人間様の「こうしてやろう」という浅ましい「つもり」のことです。</span></span></span>をあんまり表にださない言い方に「する」があります。</li>
  <li>「する」にはもちろん自動詞としての使い方もありますが、AをBに「する」という言い方もあり、こっちのケースです。</li>
  <li> たとえば、「豆腐を冷や奴にする」とか「卵を目玉焼きにする」とか....</li>
<li>「卵で目玉焼きをつくる」と比べてみてください。この場合は、つくろうという気持ちがハッキリでています。</li>
<li>「卵を目玉焼きにする」ということは、卵自身が目玉焼きに「なる」という<span class="tooltip">性質<span class="dscp"><span class="text">潜在的な可能性です。豆腐は絶対に卵焼きにはなりません。可能性ゼロです。</span></span></span>をもっていて、人間はいわば素材の可能性を引きだし実現してやる介添え役をはたすだけです。</li>
<li>さて、$つくる \to する \to なる$ という語間構造、わかったでしょうか。</li>
<li>これがわかれば、労働と生産の関係の基礎の基礎もわかります。</li>
<li>「つくる」が労働であり、「なる」のほうが生産です。</li>
<li>だから、人間の意図的なはたらきかけがなくても、つまり「つくらなくてもなってしまう」ことが性質が潜在的にはあるわけで、こちらが強まってくれば、自動化=オートメーションといわれます。</li>
<li>自動的の卵が目玉焼きになる装置があれば人間が労働しなくてよいわけです。卵焼きでは迫力がないですが、工場だって原理は同じです。</li>
</ul>
}}
#qanda(3,3)

#qanda_set_qst(3,4,0){{
<p>「つくる」「ふやす」「ふえる」の関係は?</p>
}}
RIGHT:2 mini
#qanda_solution(3,4){{
<p>解答:</p>
<ul>
  <li>$(「つくる」\supset 「ふやす」) \land (「ふやす」 \subset 「ふえる」)$</li>
  <li>「つくる」は、なにかをなにかに<span class="tooltip">「する」<span class="dscp"><span class="text">「〜を〜にする」と目的語をとります。「変える」とも。</span></span></span>行為。「ふやす」ためには「つくる」必要があるが、ふえても減っても「つくる」は「つくる」です。</li>
</ul>
<p>解説:</p>
<ul>
  <li>あまり形式的に論じてもしょうがありませんが、大いなる誤謬をうむ原因が潜んでいます。</li>
  <li>「ふえる」という意味で、「生産」ということばを定義しました。「生産」対「消費」の「生産」です。</li>
  <li>しかし、日常、「生産」はよく「つくる」と同じ意味でつかわれます。</li>
  <li>「生産とはなにかをつくることだ」といっても違和感、ないでしょう。</li>
  <li>このとき「生産」ということばは、ふえるか減るか、という観点から切り離されます。</li>
  <li>要するに、ほんらいべつのものである「つくる」と「ふえる」が、「生産」ということばを媒介に結びつけられているわけです。$「つくる」- 生産 -「ふえる」$</li>
  <li>さらに、「つくる」は人間が意図的に変えることなので、「労働」ということばを連想させます。</li>
  <li>「なにかをつくることが労働だ」といってもそれほどヘンな感じはしないでしょう。</li>
  <li>このような拡張子による暗黙裏の連結が、「労働なければ生産なし」という大いなる誤謬を生むのです。</li>
</ul>
<p>After:</p>
  <ul>
    <li>採点をしてたら、とてもクレバーな回答にでくわしました。</li>
    <li style="color:red">「つくる」と「ふえる」の共通部分が「ふやす」</li>
    <li>21番目の回答です。講師以上、ポイント2倍にしたいくらいですね。</li>
  </ul>
}}
#qanda(3,4)

#qanda_set_qst(3,5,0){{
  <p>「労働」ということば古い日本語にはない。「労働」にあたることば「はたらく」であろう。</p>
  <p>さて、「つくる」だけでは「はたらく」にはならない。「はたらく」であるためには、つくったモノが「はたらき」をもっていなければならない。</p>
  <p>この「はたらき」というのはなんだろうか?「はたらき」に相当する別の単語を考えて、「つくる」と「はたらく」の違い、あるいは関係をいってください。</p>
}}
#qanda_solution(3,5){{
<p>解答</p>
  <p>効果とか、機能とか、...</p>
  <p>漢字二字にはなりませんが、役立ち</p>
  <p>解説</p>
  <p>これも、一筋縄ではいきません。</p>
  <p>これは、「つくる」の場合の「目的」とは、ちょっと違うものです。つくっただけでは、まだ物足りない。つくられたモノ、新しい状態が、なにかの「役にたつ」とか「意義をもつ」とか、そういう効果があって、はじめては「はたらいた」ことになる。</p>
  <p>「つくる」というのが、現状を意図的に別の<span class="tooltip">状況<span class="dscp"><span class="text">モノに限定せず広く状況といっておきます</span></span></span>にかえるとすると、その状況がベターであるとき、はたらいたことになる。</p>
  <p>もっと広くいったら、結果の効果でしょう。ここから、はたらき→効果→機能・作用のような拡張も生じるわけ。人間の意図
    は消えてみえなくなっても「このバネがうまくはたらいている」ということもできるわけです。</p>
  <p>「労働」という言葉は、おそらく labour をもとに幕末明治に考案された翻訳語でしょうが、日本語としてずっと活きているのは「はたらく」でしょう。</p>
  <p>つまり、日本語では「はたらく」ということばが深層をなしていて、「労働」は表層の、しかもその一部をおおっているにすぎません。</p>
}}
#qanda(3,5)

#qanda_set_qst(3,21,0){{
<p>ここまでで、もう少し説明が必要な点があればどうぞう。</p>
}}
#qanda(3,21)

#qanda_set_qst(3,6,0){{
<p>「労働」と対をなす用語はなにか。この「労働」は「はたらく」という広い意味の「労働」です。</p>
<p>「非労働」などという形式的な答えはナシです。</p>
<p>「はたらかない」って、なにをするか、胸に手を当てて考えてみてください。</p>
<p>「どうにも答えにくいな」と思った人は、「なぜ、答えにくいのか」、その理由をいってください。</p>
}}
#qanda(3,6)
#qanda_solution(3,6){{
<p>解答:</p>
<ul>
  <li>あそぶ(遊び)</li>
  <li>やすむ(休息)</li>
  <li>なまける(怠惰)</li>
  <li>ボーとする(放心)</li>
</ul>
<p>解説:</p>
<ul>
  <li>労働のほうは、生産と違って、いろいろでてきて、対をなすことばを一語に絞ることむずかしそうです。</li>
  <li>なぜ、そうなるのか。一つの理由は、そうしようと思ってはたらくのが「はたらく」。その反対は、「こうしよう」と思わない行為になる。なにをするつもりか、「つもり」がハッキリしない、つまり意識的でないから、そうした行為をまとめて言いあらわす単一の単語がない、ということ。</li>
  <li>対語が一つになりにくいことから、逆に「労働」を見なおすと、「労働」の正体が、意識的になにかをすること、目的意識的な行動であることがわかります。</li>
  <li>ということで、労働の対をなす一語がみつからないので、遊び、休息、怠惰、放恣、.... などをまとめて、「非労働」とよぶことにします。やむを得ません。</li>
</ul>
}}

#divregion(生産と労働の関係,lec=3,qnum=6)
-生産の反対は消費、労働の反対は非労働、とすると、生産と労働の関係はどのようになりますか。

#qanda_konva(width=800,height=600){{
var width = window.innerWidth;
var height = window.innerHeight;

var fullLength = 400;
var halfLength = fullLength / 2;
var shiftLength = 100;


var points1=
        [0, 0,
        0, halfLength,
        halfLength, halfLength,
        halfLength, 0];
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var points3=
        [halfLength, halfLength,
        fullLength, halfLength,
        fullLength, fullLength,
        halfLength, fullLength];
var points4=
        [halfLength, halfLength,
        halfLength, fullLength,
        0, fullLength,
        0,halfLength];

for(let i=0;i<points1.length;i++){
  points1[i] += shiftLength;
}
for(let i=0;i<points2.length;i++){
  points2[i] += shiftLength;
}
for(let i=0;i<points3.length;i++){
  points3[i] += shiftLength;
}
for(let i=0;i<points4.length;i++){
  points4[i] += shiftLength;
}

var stage = new Konva.Stage({
  container: 'container',
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  height: height,
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var layer = new Konva.Layer();

var xLine = new Konva.Line({
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  stroke: 'black',
  strokeWidth: 2,
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var yLine = new Konva.Line({
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  stroke: 'black',
  strokeWidth: 2,
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var rect1 =  new Konva.Line({
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  fill: 'hsla(0, 20%, 40%,0.4)',
  // stroke: 'red',
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var text1 = new Konva.Text({
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  fontSize: 20,
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var text2 = new Konva.Text({
  x: 200,
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  fontSize: 20,
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var text3 = new Konva.Text({
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var text4 = new Konva.Text({
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var text5 = new Konva.Text({
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  text: 'つくる',
  fontSize: 20,
  fontFamily: 'Calibri',
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var text6 = new Konva.Text({
  x: 200,
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  text: 'ふえる',
  fontSize: 20,
  fontFamily: 'Calibri',
  fill: '#aaa',
  draggable: true,
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var text7 = new Konva.Text({
  x: 300,
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  text: '減る',
  fontSize: 20,
  fontFamily: 'Calibri',
  fill: '#aaa',
  draggable: true,
});
var text8 = new Konva.Text({
  x: 400,
  y: 570,
  text: 'はたらく',
  fontSize: 20,
  fontFamily: 'Calibri',
  fill: '#aaa',
  draggable: true,
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layer.add(rect1);
layer.add(rect2);
layer.add(rect3);
layer.add(rect4);
layer.add(yLine);
layer.add(xLine);

layer.add(text1);
layer.add(text2);
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layer.add(text5);
layer.add(text6);
layer.add(text7);
layer.add(text8);

// add the layer to the stage
stage.add(layer);
}}

#enddivregion

#qanda_set_qst(3,22,0){{
<p>ここまでで、もう少し説明が必要な点があればどうぞう。</p>
}}

#qanda(3,22)

#qanda_set_qst(3,7,0){{
<p>労働がおこなわれていなくても生産であるということは、具体的にはどんな状態か?</p>
}}
#qanda(3,7)
#qanda_solution(3,7){{
<p>解答:</p>
<ul>
  <li>たとえば、オートメーション化された工場。</li>
  <li>化学コンビナートなども。溶鉱炉のなかで鉄鉱石から鉄が生産されるのもそうかも。</li>
  <li>しかし、酒やビールの生産では長期のあいだ発酵がなされる。これなども労働なしに生産が進む過程。</li>
  <li>農作物の生産なども、太陽光を利用して植物が光合成することで生産になっている。</li>
</ul>
}}

#qanda_set_qst(3,8,0){{
<p>生産過程では、モノにモノが作用し変化する自然過程が基底をなしている。人間が労働しなくても生産になっていることは前問の解答例でみたように、広く存在しそうだ。</p>
<p>とはいえ、人間の労働が必要になる生産、生産と労働が結びついた領域はたしかに存在する。</p>
<p>とすると、この領域でどうして人間の労働が必要なのだろうか。この領域における労働の典型例をあげ、その労働はなぜ必要なのか、説明せよ。</p>
}}
#qanda(3,8)
#qanda_solution(3,8){{
<p>解答:</p>
<ul>
  <li>組み立て作業</li>
  <li>部品がほっておいても部品が自然に自動車になる、なんておいうことはない。農作物や畜産では、ある意味で自動で、つまり自然に成長が進むが、自動車部品は絶対に自ら成長するなんていうことはない。こうしたところでは、人間の目と手をつかった組み立て労働が必須。</li>
  <li>軽工業にはこのような労働を必要とする作業がおおい。</li>
  <li>ただ18世紀後半の産業革命は、綿工業を中心にはじまった。機械の導入で単純労働が広がったといわれるが、この分野で補助労働として児童や婦人が使われることはあっても、単純労働の量が紡績織布で増大したわけではない。ただ、川下の綿製品の加工では細かい縫製など手による労働は増大した可能性がある。</li>
  <li>その後20世紀になっても、ずっと人間の目と手をつかった、広い意味での組み立て作業が、工場でおこなわれる大量生産のもとでふえていった。</li>
</ul>
}}

#qanda_set_qst(3,9,0){{
<p>工業生産では、さまざまな廃棄物がでてくる。かつては廃棄物は文字通り、河川や海に流したりして、自然の浄化作用にまかせていた。</p>
<p>しかし、自然破壊が進むなかで、廃棄物は廃棄物処理工場などで処分されるようになってきた。</p>
<p>廃棄物処理は、生産か、消費か?</p>
<p>廃棄物を処理する労働は、やはりなにかを生産しているのか?</p>
}}
#qanda(3,9)
#qanda_solution(3,9){{
<p>解答:</p>
<p>廃棄物処理は消費である。</p>
<p>廃棄物を処理する活動は、労働であるが、なにかを生産しているわけではない。</p>
<p>サービスを生産しているという人もいるが、サービスはサービスであり、一度生産して、それからそれを消費するわけではない。</p>
<p>この講義では、「サービスを生産する」というもっともらしく聞こえるが、じつは誤解を生むだけでの用語をしない。</p>
}}

#qanda_set_qst(3,23,0){{
<p>ここまでで、もう少し説明が必要な点があればどうぞう。</p>
}}

#qanda(3,23)

**今日のまとめ [#qef12a34]
#divregion(要するに....,lec=3,qnum=9,admin)
-生産・消費は、モノ対モノのレベルの規定であり、必ずしもそのすべてが人間の労働に結びつくわけではない。
-「労働」すなわち「はたらくこと」は、
+自分のであれ他人のであれ、欲求を遂行可能なモノのすがたにし、
+目的物をハッキリ意識して、注意深く追求する人間特有の行動である。
-生産と労働は次元が違う人間の活動である。
-「生産・消費」と「労働・非労働」は、タテヨコの関係にある。
#enddivregion

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