#author("2020-12-20T20:12:33+09:00","default:obata","obata") #author("2021-01-05T15:45:30+09:00","default:obata","obata") CENTER:[[前回 ◁ >2020年度/冬学期/第4講]]&color(#447CFF){第 &size(32){5}; 講}; [[▷ 次回>2020年度/冬学期/第6講]] #qanda_mathjax ---- #qanda_setstid(2020-10-15 16:10:00,90) #qanda_who ------ CENTER:&size(25){&color(yellow,navy){ 協業 };}; ----- RIGHT:2 mini #qanda_set_qst(5,1,0){{ <p>前回の復習です。A〜Cは?</p> <blockquote> <p>人間の労働を動物の行動と比べたとき、最大の違いは、まず先に(A)を定めてから実行する点にあります。</p> <p>しかし、この特徴は人間の労働に、さらなる広がりをあたえることになります。</p> <p>(A)を実現するには、(A)の対をなす(B)を整備しなくてはなりません。</p> <p>また(A)になるまえの(C)を、ハッキリした(A)に対象化することも必要です。</p> <p>コンピュータサイエンスの発達とインターネットの拡大は、いま労働のすがたを大きく変容さていますが、こうした変容をとらえるためには、以上のような広がりをもった労働の基本構造の理解が不可欠なのです。</p> </blockquote> }} #qanda_solution(5,1){{ <p>解答</p> <p>(A)目的 (B)手段 (C)欲望(欲求)</p> <p>解説</p> <p>前回の問題を思いだしてください。</p> <ol> <li>欲望の対象化</li> <li>手段の体系化</li> <li>過程のコントロール</li> </ol> <p>2 や、さらに 1 にまで広がりをもたせて、人間労働の特徴を考えてみました。</p> <p>コンピュータをつかった新たな自動化は、道具から機械へという従来のオートメーションとは次元が異ことなります。</p> <p>18世紀後半の産業革命にさかのぼる 3 の領域における機械化だけではなく、2 や 1 の領域で新たな「アタマの単純作業化」がはじまりつつあります。とはいえ、まだまだ自動化というのはほど遠いのが現状、コンピュータは「アタマの道具」の段階ですが。</p> <p>...ということで、前回の講義の後半に労働の三つのフェーズのイラストをみておきましょう。</p> }} #qanda(5,1) #divregion(労働の結合連鎖, lec=5 , qnum=1 ,admin) -多くの場合、&qanda_tooltip(労働主体){「労働者」というと雇われて工場やオフィスではたらく賃金労働者を思い浮かべる人が多いので、この講義では労働する人全般を指す「労働主体」と抽象的によぶことにします。};は、単独ではバラバラにたらくわけではない。労働主体の労働は、ほかの労働主体を前提にして、互いに結びついています。 -労働の基本構造を思い浮かべると、この結びつきを可能にする、大きくいって二つの要素があるのがわかります。すなわち > +「意識」の面で、目的を他の主体と共有する直接的な結合原理:協業 +「目的物」の面で、他の主体の生産物を利用するモノを介した間接的な結合原理:分業 < の二つです。 -もちろん、[[現実の労働の場面>https://www.youtube.com/watch?v=B_-EpXa3uFg]]で両者を分離することはできません。ただ、いろいろな要因を理論的に二つに分けることで、現実の諸現象を両者の合成として分析できるようになります。 #qanda_konva(width=800,height=600){{ const width = window.innerWidth; const height = window.innerHeight; // scale の調整 var stage = new Konva.Stage({ container: 'container', width: width, height: height, }); var layer = new Konva.Layer(); // 基調の色調 const hue = 180; // 座標系のサイズ x,y軸のプラス部分 const size = 220; // 原点から東西南北への座標 const coordinates = { O:{x:0, y:0}, N:{x:0, y:-1 * size}, S:{x:0, y:size}, E:{x:size, y:0}, W:{x:-1 * size, y:0}, } // 原点を移動 shiftX = 360; shiftY = 280; for(let pnt in coordinates){ coordinates[pnt].x += shiftX; coordinates[pnt].y += shiftY; } // 塗りつぶしエリアを縮小するスケール // プラス方向のx, y軸 size の 0.1パーセント短くする // let area = new Object(); const areaShrink = 0.1 * size; const area = { O: {x: coordinates.O.x, y: coordinates.O.y}, N: {x: coordinates.N.x, y: coordinates.N.y + areaShrink}, S: {x: coordinates.S.x, y: coordinates.S.y - areaShrink}, E: {x: coordinates.E.x - areaShrink, y: coordinates.E.y}, W: {x: coordinates.W.x + areaShrink, y: coordinates.W.y}, fill: function (NS,EW,hue){ var rect = new Konva.Line({ points: [ this['O'].x, this['O'].y, this[NS].x, this[NS].y, this[EW].x, this[NS].y, this[EW].x, this[EW].y ], fill: 'hsl(' + hue + ',30%,80%)', closed: true, }); layer.add(rect); }, }; area.fill('N','E',30); area.fill('N','W',60); area.fill('S','E',90); area.fill('S','W',120); // 原点から東西南北にx軸y軸をひく for ( let NSWE of ['N','S','W','E']){ var arrow = new Konva.Arrow({ points: [coordinates['O'].x,coordinates['O'].y, coordinates[NSWE].x,coordinates[NSWE].y ], fill: 'black', stroke: 'black', strokeWidth: 2, }); layer.add(arrow); } // 文字項目を配置する function putItems(items,shiftY,color){ const fontSize = 18; //文字項目 書き込みスタート位置 let itemX = coordinates['W'].x; for(let item of items){ let action = new Konva.Text({ x: itemX, y: coordinates['S'].y + shiftY, text: item, fontSize: fontSize, fontFamily: 'Calibri', fill: color, draggable: true, }) itemX += item.length * fontSize + 20; layer.add(action); } } const actions = [ '集まる', '別れる', '分ける', '分けない', '作業', '人' ]; putItems(actions,30,"hsl(120, 60%, 30%)"); const methods = [ '協業', '分業', '協業にもとづく分業', '家内工業', '工場生産', ]; putItems(methods,60,"hsl(240, 50%, 60%)"); // // y-grid をひく // const sep = 50; //grid の間隔 // const gridNum = size/sep; //gripの片側の数 // for (let i=1;i < gridNum ; i++){ // var grid1 = new Konva.Line({ // points: [ // coordinates.O.x + sep *i, // coordinates.S.y, // coordinates.O.x + sep *i, // coordinates.N.y // ] , // stroke: '#aaa' , // strokeWidth: 1, // }); // layer.add(grid1); // var grid2 = new Konva.Line({ // points: [ // coordinates.O.x - sep *i, // coordinates.S.y, // coordinates.O.x - sep *i, // coordinates.N.y // ] , // stroke: '#aaa' , // strokeWidth: 1, // }); // layer.add(grid2); // // x-grid をひく // var grid3 = new Konva.Line({ // points: [ // coordinates.W.x, // coordinates.O.y + sep *i, // coordinates.E.x, // coordinates.O.y + sep *i // ] , // stroke: '#aaa' , // strokeWidth: 1, // }); // layer.add(grid3); // var grid4 = new Konva.Line({ // points: [ // coordinates.W.x, // coordinates.O.y - sep *i, // coordinates.E.x, // coordinates.O.y - sep *i // ] , // stroke: '#aaa' , // strokeWidth: 1, // }); // layer.add(grid4); // } stage.add(layer); }} #enddivregion RIGHT:1 mini #qanda_set_qst(5,2,0){{ <ol> <li>分業なき協業</li> <li>協業なき分業</li> </ol> <p>の典型例をあげよ。</p> }} #qanda_solution(5,2){{ <ol> <li>大勢の漕ぎ手が大きな船を一斉に漕ぐ。</li> <li>職人が各自の作業場で製品のパーツをつくる。</li> </ol> }} #qanda(5,2) **協業 [#a89543f5] #divregion(協業とは, lec=5 , qnum=2 ,admin) - 協業という言葉は、cooperation の訳語。『国富論』や『資本論』などが翻訳された対象から昭和のはじめに、「分業」division of labour との対で「協業」となったのではないかと思います。 -現代では、企業と企業が合同で事業を進めるときなど、<協業>という用語が使われるようですが、ここではマルクス経済学の伝統的な用語法で、労働における「協力」 cooperation の意味で用います。 #enddivregion RIGHT:2 mini #qanda_set_qst(5,3,0){{ <p><span style="font-wegiht:bold">いっしょに</span>協力してはたらいているようにみえる社会的動物はいろいろいる。</p> <p>しかし、人間の「協力」のしかたには、ほかの動物とは異なる、大きな特徴がある。この違いを生みだしている最大の要因はなにか?</p> <p>たとえばミツバチと比較したとき、この要因は、どのような違いを生みだしているのか。</p> }} #qanda_solution(5,3){{ <p>ことばをはじめ、表情、仕草など、多彩なコミュニケーション能力が発達していること。</p> <p>人間の場合、巣をつくる、幼虫を育てる、などといった、特定の同じ行動を繰り返すかたちでの協力ではなく、状況に応じて目的を変更し、そのための多様な行動をつくりだすかたちで協力できる。</p> <p>まず先に、目的をきめて、それから実行する、という「目的と実行の分離」ができるから、他の労働主体と「目的」を共有することで、「実行」を有機的に結びつけることができる。</p> }} #qanda(5,3) #divregion(集団力, lec=5 , qnum=3 ,admin) -複数の労働主体が協力することで生みだす効果を「集団力」という。 -チームの力。 -労働力が労働能力であるように、集団力も能力、効果であり、物理的な「力」ではない。 -集団力をつくりだす基本原理には、次のようなものがある。 #enddivregion #divregion(集中の原理, lec=5 , qnum=3 ,admin) -共通の目的を意識して、同時にはたらきかけること -たとえば > + 重い岩を1人でなん時間押し続けても動かない。 + ところが10人が力を合わせて押せば動く。 < といったケース。 -「合わせて」というところがポイント。「力」だけの話ではありません。 -アタマをつかう作業でも、みんなが意見をだしあって、ある問題の解答をさがす、といったときも、その問題に「集中する」ことが前提です。 #enddivregion RIGHT:2 mini #qanda_set_qst(5,4,0){{ <p>集団力は、メンバーを統率指揮する者がいなければ発揮されない。</p> <p>たとえば、個々のメンバーの演奏能力が高くても、指揮者がいなければオーケストラは成りたたない。</p> <p>それゆえ、集団力とはけっきょく、リーダーが生みだした力なのである。</p> <p>この主張は妥当か。そう判断した拠を述べよ。</p> }} #qanda_solution(5,4){{ <p>■解答</p> <p>不適切。</p> <p>労働主体は、コミュニケーション能力をもち、目的を共有して、互いに結びつく潜在能力を持っている。</p> <p>指揮したり、かけ声をかけたりすることで、つながりが寄り円滑になることはあっても、それはオマケ。</p> <p>指揮監督がすべてをうみだすというのなら、一人で指揮棒を振ったり、かけ声をかけてみたらどうなるか、考えたらよい。</p> <p>□解説</p> <p>社会的な価値観の違いで、この問題に対する答えはわかれる。ここでは、講師の立場で回答してみた。</p> <p>違う立場からでも、筋の通った推論(こうだからこうだ)がなされていればよしとします。</p> <p>因みに、この解答では、協力の潜在能力→指揮監督は補助 という推論にたっています。</p> <hr style="width:50%"> <p>After</p> <ol> <li>妥当でない、と答えた場合、理由としては、問題文の「それゆえ」がロジカルには「それゆえ」になっていないことをつくのが、いちばん。</li> <li>そのためには「リーダーがいなくても、コミュニケーションがチャンととれれば発揮できる」といっておく必要がある。 <li>あるいは別解として、「リーダがいないと発揮できない」と「リーダーが生みだしたもの」とは同じではない、する手もある。「引きだした」を「生みだした」と混同している、と批判するわけ。</li> </ol> }} #qanda(5,4) #divregion(同調の原理, lec=5 , qnum=4 ,admin) -相手とタイミングを合わせ、適切なときに適切な行動をすること -たとえば、整列してバケツを受けとって次々にわたしてゆくバケツリレーの例など #enddivregion RIGHT:2 mini #qanda_set_qst(5,5,0){{ <p>10人がならんでバケツリレーをする。</p> <p>バケツを手渡すのに要する時間は、人によってバラツキがあり、ならんだ順で、1秒->2秒->1秒->2秒->3秒->2秒->1秒->3秒->1秒->2秒 であったとする。</p> <p>このとき、バケツを端から端まで送るのに必要な時間は何秒か。</p> <p>また、もっと効率のよい並び方があれば、並び替えてみよ。</p> }} #qanda_solution(5,5){{ <p>解答</p> <ul> <li>3 x 10 で30秒</li> <li>並び方を変えてもムダ</li> </ul> <p>解説</p> <ul> <li>バケツリレーの話ですよ。一個で解散、ハイ終わり、じゃバケツリレーにはなりません。次から次にバケツをリレーして、何個も何個も連続して運ぶときの話、っていうことは、暗黙のうちに察しがついたとして....</li> <li>この連続的なリレーでは、3秒かからないと通過しないところが、ボトルネックになります。</li> <li>どんなにほかがスピードアップしても(というか、スピードアップできないのですが)、ここを通過するのに必要な時間で、全体の時間はきまります。</li> <li>高速道路の渋滞をイメージすればわかるかな?</li> <li>ではこの3秒が縮まらないかぎり、もうスピードアップする方法はないの?</li> <li>あるかも... 3秒の人をタテに並べたら....どう?</li> </ul> }} #qanda(5,5) #divregion(ならべかえても..., lec=5 , qnum=5 ,admin) #qanda_raw{{ <script src="https://unpkg.com/konva@7.0.7/konva.min.js"></script> <div id="bukets-relay"></div> <script src="./js/konva/coordinate.js"></script> <script> konvaContainer ={ width: 800, height: 200, } const stage = new Konva.Stage({ container: "bukets-relay", width: konvaContainer.width, height: konvaContainer.height, }) /////////// 以下に追加 //// var layer = new Konva.Layer(); startPoint= new Coordinate(-400,200); function drawCircle(point){ return new Konva.Circle({ x: startPoint.x, y: startPoint.y, radius: 20, fill: 'hsla(0,100%,40%,0.3)', stroke: 'black', strokeWidth: 2, }); }; const skills = [1,2,1,2,3,2,1,3,1,2]; for(let i = 0; i< 10; i++){ startPoint = startPoint.add(new Coordinate(60,0)); layer.add(drawCircle(startPoint)); text = putText({ text: skills[i].toString(), point: startPoint, // stroke: "black", //konvaTextで stroke を設定すると文字が太くなる。不要。 fill: "hsla(0,40%,50%,1.0)", fontSize: 16, align: "center", draggable: true, }); layer.add(text); } // grid(50); // mark(0,0); stage.add(layer); </script> <script src="./js/konva/2020/bukets-relay.js"></script> }} #enddivregion #divregion(競争心, lec=5 , qnum=5 ,admin) -&qanda_tooltip(競争心は英語のemulationの訳語){トップを争う競争 competition と区別しましょう。As verbs the difference between emulate and compete is that emulate is to attempt to equal or be the same as while compete is to contend emulously; to seek or strive for the same thing, position, or reward for which another is striving; to contend in rivalry, as for a prize or in business; as, tradesmen compete with one another.};。 -まわりをみまわして、自分より優れた成果をあげている者をみつけ「どうしてうまくいっているのだろうか」よく観察して、そのマネをすることです。 -要するに「模倣」のことです。「学習」ともいいます。 #enddivregion RIGHT:3 mini #qanda_set_qst(5,6,0){{ <p>協力は競争と両立しない。だから競争心を抑制することで、同じ目的に向かっていっしょにはたらく協業は可能になる。</p> <p>真か偽か、理由を述べよ。</p> }} #qanda_solution(5,6){{ <p>偽</p> <p>「競争」一般と「競争心」は別。他より優位にたち他を打ち負かし排除しよう、限られた成果を独り占めしよう、というタイプの競争は「協力」と矛盾するが、他に学ぼうとする競争心は、外部から強制されることなく、自分たちで同じ目的を実現しようとするまとまりをつくるためには、逆に不可欠な要素である。</p> }} #qanda(5,6) RIGHT:4 mini #qanda_set_qst(5,7,0){{ <p>いつでも互いに顔がみえるオフィスワークに比べて、在宅勤務、リモートワークは協業の効果を弱めることになる。</p> <p>真か偽か、理由を述べよ。</p> }} #qanda_solution(5,7){{ <p>偽</p> <ul> <li>「集まる」ことは協業に必須の条件だが、それは場所的に一カ所に集まることを同じではない。</li> <li>目的が共有でき、互いの成果が見くらべられれば必要な条件は満たされる。</li> <li>インターネットの発達は、在宅勤務、オフィスワークで、協業の新しい可能性をひらく(かもしれない)。</li> </ul> }} #qanda(5,7) RIGHT:3 mini #qanda_set_qst(5,8,0){{ <p>この講義は遠隔地講義のかたちでおこなっています。</p> <p>さて「対面講義でないと協業の効果は発揮できない」という意見について論評してみてください。</p> }} #qanda_solution(5,8){{ <p>解答</p> <ul> <li>あくまで講師の立場からの論表になりますが、</li> <li>この講義は一つの実験で、対面以上の協業効果をねらっています。</li> <li>これだけインターネットの環境が利用できるようになったのですから、大人数に対面で一方向でおこなう講義の限界をこえたいと思っています。</li> <li>講義での「集まる」効果は、必ずしも、<span class="tooltip">顔を見合わせる<span class="dscp"><span class="text">大人数の講義では、顔や身振りでみなさんに伝えることはほとんどありません。この情報はたいていはノイズ、理論に集中するにはジャマなだけです。</span></span></span>ということではありません。 <li>対面授業(らしきもの)をそのまま再現する、というのでは、インターネットを媒介にした講義のメリットを活かしたことにはなりません。</li> <li>参加者が相互に意見を見くらべられるかどうかが、協業の効果、ありやなしや、の決め手。</li> <li>ということで、この講義では、みなさんの回答を一度に集めて、比較論評しています。</li> </ul> <p>解説</p> <ul> <li>そもそも、学校で学ぶことが「労働」かどうか...この点に疑問を感じる人もいるでしょう。まだ迷っていますか.....</li> <li>...であれば、この講義の「労働」の定義にもどって、もういちど考えてみましょう。「労働の結果が生産」だ、といった固定観念からはとっくに足を洗ったはずです。「ふやす」と「つくる」はタテとヨコ、「つくる」よりもっとひろい「はたらく」work が「労働」で、そのコアは目的意識的に欲求をみたす活動全体だ、と。</li> <li>みなさん、なんとなく講義にでているわけでも、また、大学に遊びにいくわけでもないでしょう。</li> <li>じゃ、勉強するのも「はたらいている」うち、というなら、やはり、なにか生産しているはず、だから、なにかしらふえていて利得があるはず...と思ってしまうようなら、まだ労働の概念を見なおした意味が???です。</li> <li>家で料理をつくって食事をするには、明日の活力を生産するため?そんなこと考えていては、せっかく、おいしいものをつくっても台無し。食事を楽しむことが第一で、そのためにはたらいても、それは消費です。あくまで<slian style="font-weight:bold">結果的に</slian>明日の活力につながるわけです。勉強するのも同じで、自分の労働能力をたかめて高く売るために勉強しているわけではありません。</li> </ul> <p>after</p> <p>対面授業一般の是非、有効性をたずねたのではなく、協業論に関する質問です。対面でないこの講義を念頭におきながら「対面講義でないと協業の効果は発揮できない」という命題について、一般的・客観的な論評を求めたのですが、これが伝わらなかったようです。</p> <p>みなさんの要望のようなものが大半なので、この問題は評点を避けます。</p> }} #qanda(5,8) #divregion(学校で学ぶ, lec=5 , qnum=8 ,admin) -「学校」というシステムがいつからはじまったか、諸説あろうかと思いますが、原理的にいえば、その基本はやはり「協業」です。一カ所に集まるということが大事で、そうすれば学生どうしが互いに切磋琢磨するようになります。一方的に「教授」するだけなら、先生と学生が一対一で向きあるほうが効率がよいでしょう。あるいは、チャンとした教科書を読めばすむことです。 -多数の学生を「集める」ことで、学生はおなじことを「学んでいる友達に学ぶ」ことができます。つまりエミュレーションの効果がはたらくわけです。これによって、自ら学ぶ力、「自学」の能力が身につきます。「自学」というのは、一人きりで学ぶという意味ではありません。「学び方」を学ぶことです。 -「こんなの、どうやったらわからない」とき、やり方をいちいち指示してほしいと思うかもしれませんが、これは何度やっても、新しい問題にぶつかるたびに「わかりませ〜ん」を連発するだけで終わります。 -その問題にともかく答えた友達がどうやってその答えにたどりついたか、よく観察してみることです。ヒントはそこにあります。自らヒントをみつけてゆく能力がつけば、問題そのものを批判し、新しい問題につくりかえる力もついてきます。ここまでできるようになれば、そろそろ「学校」というシステムもお別れ、大学も卒業するころです。 #enddivregion //-[[織物>https://www.youtube.com/watch?v=c5uYgD03onM]] //-[[産業革命>https://www.youtube.com/watch?v=SaUd5EbbpuA&list=PLZcbXZMTxClyIO5eOO4wmWK-tKLsvgTlj]]