#author("2020-05-20T11:37:52+09:00","default:obata","obata")
&color(#447CFF){第 &size(32){1}; 講};  [[▷ 次回>2020年度/夏学期/第2講]]
#author("2020-05-20T11:38:09+09:00","default:obata","obata")
CENTER:&color(#447CFF){第 &size(32){1}; 講};  [[▷ 次回>2020年度/夏学期/第2講]]
-----
#qanda_who
#qanda_setstid(2020-05-07 12:10:00,90)
------

CENTER:&size(25){&color(yellow,navy){ ガイダンス};};

-----
-最初に学生証番号を登録してください。以下の質問に、回答できるようになります。
------
#qanda_set_qst(1,1,0){{
<p>最近の経済のニュースで、いまあなたの記憶にいちばん残っているのなんですか?。</p>
<p>そのニュースのどんなところに興味を覚えましたか?。</p>
}}
#qanda(1,1)

*経済学における「理論」 [#g548011a]
**経済学と経済理論 [#aa6430e0]
-経済学の特徴は、○○経済(労働経済、農業経済、国際経済 etc.、日本経済、アメリカ経済、... 、経済史、.. )だけではなく、
-一般な経済「理論」が存在する点にある。
-他の社会科学に比較すると、一般理論の優位が伝統的に維持されてきた.... 最近は崩れつつあるようだが...
-一般理論は「経済原論」ともよばれてきた。この講義は経済原論をベースとした経済学の講義。
**そもそも「原論」とは? [#g69dd196]
-ユークリッドの幾何学原理、ニュートンのプリンピキアのような演繹体系 if A then B スタイルの演繹
-人間の社会が、演繹的な理論の対象になるという驚き
-個人の行動は意図的なもの、法則に支配されているわけではない。強制されることはあるが、基本的には自由に行動できるはず。
-なのに、なぜ、人間の社会に演繹的法則が作用している(ようにみえる)のか?
-無数の人間が影響を与えあう場=市場の存在。だれも「意図」しなかった「結果」が生じる。
-この「意図せざる結果」の存在が、本来自由なはずの人間が構成する社会に対して、演繹型理論の適用を可能にする。
-だから経済理論は、「市場」が社会編成の中心になる時代になって、はじめて成立した。
-この条件が満たされた社会を「資本主義」とよぶ。
-衣食住に関わる経済活動は、昔からあったが、
-それはそのまま、経済理論の対象になるわけではない。
-この講義の対象は「経済活動」全般ではなく、「資本主義の経済」である。
-講義用テキストの2頁に「『資本主義とは何か』という問いは、本当に成りたつのだろうか。」という問題がでている。「とはなにか」というのはイカ本の書名によく使われる。余裕があればチョット考えて巻末の「解説」を読んでみよう。この「解説」の欠陥を自分の言葉でいえるようになれば成績は'''S'''です。

**経済「理論」にはどんなタイプものがあるのか。 [#ocef1390]
-古典派経済学
-ミクロ経済学(新古典派)
--一般均衡論
--ゲーム理論
-マクロ経済学(ケインズ経済学)
などあるが~
-この講義は「マルクス経済学」(「政治経済学」「社会経済学」とも)の理論。
--「マルクス経済学」は古典派経済学の伝統に強く依拠する理論だが、
--「歴史的な条件」や「全体構造の変化」を重視。
--その点で、ミクロ理論・マクロ理論のような今日のメインストリームの'''economics'''とは異なる
--'''political economy''' である。(ただし'''political''' の意味は複雑。「政治」「政策」という意味ではない。)
//--マルクス経済学を、古典派経済学・新古典派経済学と区別する特徴は、「歴史的な観点から資本主義を解明する」点にある。

**この講義を聴けば..... [#d6c3bc67]
+さまざまな経済現象を考える''大きな枠組み''がわかる
+長期の''歴史的な発展''のなかで、今日の経済を眺め、将来を展望できる
+''論理的思考''に強くなる
//--見た目=現象 - &color(blue){「抽象化」=理論化することで }; -> 変わらぬ機能 =本質
#qanda_set_qst(1,2,0){{
講師がいちばん話したがっているのは、うえの3つのうち何番目だと思いますか?
そして、あなたがいちばん話してほしいのは、何番目ですか?
}}
#qanda(1,2)

#qanda_set_qst(1,3,0){{
生産・分配・消費という「経済」自体は人間社会とともに古くから存在してきたのに、「経済学」という学問のはじまりが比較的新しいのはなぜでしょうか?
}}
#qanda(1,3)

#divregion(解説,admin,lec=1,qnum=3)
-「論理的思考に強くなる」とはどういうことか、
-いま考えた上の「質問3」を例に説明してみます。
-- 第1段階
>
+X は古い
+X'は新しい
+X + α → X' と考えて ....
<
---さて α = ? と問題を整理して
---たとえば α = 市場 と推論する。
---つまり「経済学は、経済 (X) 全般ではなく、市場 (α) による「経済」を対象にする学問である」という結論。

-- 第2段階
---では なぜ「市場経済」を対象とすることで、はじめて「経済学」が成立したのか。
---一つの推論として、
>
+ 「市場」では、個人の自由な意志が、だれの意志でもない結果をうむ。典型は価格現象(売り手はできるだけ高く売ろうとし、買い手はできるだけ安く買おうとする。
+しかし、競争の結果、売り手も買い手も意図しない水準に価格は決まる)。「意図せざる結果」が広く観察される。
+人間の直接的な意図に左右されない、客観的現象が観察されるようになるため、自然科学に類似した客観的な「法則」が支配する(かのようにみえる)。
+人間の自由意志によって社会を説明する古くからある学問(政治学、哲学など)から、新しい「経済学」が独立し発展するようになった。
<
-第二段階までゆくとむずかしくなりますが、①複数の要因を分解して、②論理的に組み立てなおす、というのが''論理的思考''の基本です。
#enddivregion

トップ   編集 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS