#author("2022-07-07T10:31:30+09:00","default:obata","obata")
CENTER:[[前回 ◁ >2022年度/夏学期/第6講]]&color(#447CFF){第 &size(32){7}; 講}; [[▷ 次回>2022年度/夏学期/第8講]]
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#qanda_setstid(2022-06-30 16:10:00,90)
#author("2022-07-07T13:24:17+09:00","default:obata","obata")
CENTER:[[前回 ◁ >2021年度/夏学期/第6講]]&color(#447CFF){第 &size(32){7}; 講}; [[▷ 次回>2021年度/夏学期/第8講]]
#qanda_setstid(2021-07-15 16:10:00,90)
#qanda_who
#qanda_mathjax
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CENTER:&size(25){&color(yellow,navy){ 信用貨幣 };};
#contents
//#qanda_points_chart
//#qanda_points_hist

✔  REC ON&br;
✅ 接続チェック

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#qanda_set_qst(7,20,0){{
<p>&#x2714; 接続状態をおしえてください。</p>
<p>氏名不詳になってしまった人がいれば教えてください。</p>
<hr>
<p>&#x2714; 前回学生証番号を登録した人で、今回、「氏名不詳」になっていた人は「再登録」と書いてください。</p>
}}
#qanda(7,20)

**本講のネライ [#m3e3faa7]
+「物品貨幣」とならぶ、もう一つの等価物の構成方法である、間接型について学ぶ。
+間接型である「信用貨幣」について、日本銀行券を例に解説する。

**基本概念 [#w8bf227c]
-価値表現のところで話したように、商品集合は必ず''商品貨幣''を生みだす。
-商品貨幣の根本は''等価物''であること。
-等価物の構成のしかたには、直接型と間接型が考えられる。
-直接型が物品貨幣、そうでない間接型、非物品貨幣をここでは「信用貨幣」とよぶ。
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CENTER:&size(25){&color(yellow,navy){&nbsp;資産とフィアットマネー&nbsp;};};
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**本講のネライ [#g5ce2c7c]
-資産の存在について知る。
-資産市場と銀行資産の関連を理解する。
-「国家紙幣」と銀行券の違いを理解する。

#divregion(少しだけむずかしい話,admin,lec=1,qnum=1)
--「信用」に強い意味をもたせようとすると、ここでは説明できない論点をいくつもさき取りすることになるので注意。
--「非物品」(「信用」)の原義は、債権・債務の関係で,モノと価値を結びつける点にある。
--モノを貸すと、モノの返済を求める債権が発生する。
--このモノが商品であると、使用価値とともに価値をもつ。
--債権は「モノ→商品価値」とストレートにリンクする。債権そのものは有用性=使用価値をもたないから。
--物品貨幣の場合、同じ商品内でのモノ→価値なので、使用価値の分離が徹底しない。
--ただ、信用貨幣では、商品とは別に、モノの貸借関係という追加条件が必要となる点で一般性を欠く。
--....とむずかしい話になりましたが、行下げした部分がわかればセミプロ。
**資産[#v595cdaa]
#divregion(資産の定義,admin,lec=7,qnum=20)
***教科書の定義 [#tdbfdb93]
-価値表現はなぜ必要になるのか. すぐ思いつくのは,「交換するためだ」ということであろう. 価値形態は直接には,「交換を求める形態」の背後に結果的に現出する.
-しかし,商品所有者は,自分のもっている商品をすべて,「いま」「すぐ」交換しようとしているわけではない.さまざまな用途のために蓄えられた財産を''富''といい,このうちとくに市場の存在を前提に保有される富を,''商品経済的富''あるいは簡単に''資産''とよぶ.
#qanda_set_qst(7,1,0){{
<p>立派な邸宅に住んでいたり、豪華な服飾品で身を飾ったり、広大な庭をもっていたりすることは、リッチだ、という意味で「富」を有していることになる。教科書に書いてある「さまざまな用途のために蓄えられた財産」が「富」だというのはこの意味。</p>
<p>さらに教科書では、「商品経済的富」が「市場の存在を前提に保有される」ということで、富一般から区別されている。</p>
<p>そこで質問。「市場の存在を前提に保有される」とはどういうことか、別の言葉で言いかえてみよ。</p>
}}
#qanda(7,1)
#qanda_solution(7,1){{
<p>解答</p>
<ul>
  <li>売るつもりはなくても、商品として価値を評価されている</li>
  <li>つねに商品としてその価値が、価格として評価されている。</li>
</ul>
}}

-商品は「交換の手段」であると同時に「資産」でもある. この両面は密接に関連しており,価値表現も商品全体をおおう方向に発展して,最終的に商品経済的富を体現する貨幣を生みだすのである.
#enddivregion
-------
&color(red){第12回目のライブ講義はここまで。}; 
------

-この講義では
>
+&qanda_tooltip(金属貨幣){金属とはかぎりません。なので厳密には「物品貨幣」といいます。};だけが商品貨幣ではないこと、
+&qanda_tooltip(モノ){まちがっても「商品」なんていってはいけません。};を受けとる権利(債権)も等価物になること、
+この債権型等価物をベースにした商品貨幣が今日の貨幣であること、
<
がわかればOKです。

**銀行券 [#j184994f]
***コア貨幣としての中央銀行券 [#s93a49c0]
-いま目にする貨幣グループのなかで、そのコアをなす商品貨幣は「中央銀行券」です。
-中央銀行券は、商品→貨幣(商品貨幣のこと)→資本、さらに市場と生産が結びつくことで発生する,価格機構→信用機構 と演繹的に推論を重ね、銀行の存在を導きだすことではいめて説明できます。
-銀行券とは特定の様式で銀行の発行する債務証書(みなさんから見れば債権証書)であり、今日では中央銀行だけがこれを発行しています。発券集中論も理論(経済原論)の課題ですが,先の先の話です。
-この講義では、この結論を予定して、日本の中央銀行券の実態を簡単に現実を述べておきます。

#divregion(信用貨幣による価値表現,admin,lec=6,qnum=20)
+右下の「価値A」をドラッグしてみよう。この商品の価値はなにで表現されるのか?
+その何かをドラッグしてみよう。
+さらにその元になるなにかをドラッグしてみよう。
***資産と貨幣の価値 [#l355b7e0]
#divregion(貨幣の価値の大きさはさまざまな資産によって支えられている,admin,lec=1,qnum=1)
-外側の水色のリングをダブルクリックしてみよう。
--これがここまでで定義してきた貨幣のすがた。W0,W1,... という無数の商品がその価値を、すべて単一の貨幣で表現している。
--これらの商品は、売れれば市場からでてゆく、一般商品。
-中心の貨幣の円をダブルクリックしてみよう。
--市場のなかには、売れてもすぐには市場の外にでてゆかない資産がたくさん詰まっている。
--このなかには、[[取引所が存在し、時々刻々、値がついている資産>https://nikkei225jp.com/oil/]]もあれば、個々の売り手買い手の思惑でその値が動くものもある。
--さまざまな資産が転売されるなかで、ある資産の価格が上がり、別の資産の価格がさがるという変動の中で、貨幣の価値の大きさ、つまり購買力は相対的に安定した大きさとして現れる。
#qanda_raw{{
    <div id="bankbl"></div>
    <script src="https://unpkg.com/konva@8/konva.min.js"></script>
<script src="https://unpkg.com/konva@8.0.4/konva.min.js"></script>
<div id="money-asset-relation"></div>
    <script src="./js/konva/coordinate.js"></script>
    <script src="./js/konva/2021/bankbl.js"></script>
    <script src="./js/konva/2021/money-asset-relation.js"></script>
}}
#enddivregion
#aname(july07)
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CENTER:&heart; &color(red){7月7日の講義はここから};
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#divregion(国債,admin,lec=7, qnum=1)
-国債については多くの誤解あり
-国債はそもそも「商品」コモディティである。ただの債務証書ではなく、証券市場でいつでも売買できる有価証券。
-その価値の基礎は確定利払い(と返済リスク)による。返済が確実なら利子率によって価格は変動する。利払いができるかどうかは、最終的に徴税能力による。これは[[国の予算に占める国債費>https://www.mof.go.jp/zaisei/matome/thinkzaisei01.html]]を見ればわかる。
-公債金(収入)- 国債費(支出)をみれば、13兆をえるのに10兆円のコストがかかっているのがわかる。これがプラスになる範囲には限度があり、国の負債だからいくらでもOKというものではない。
-しかも、[[その保有者がかなり偏ってきており>https://www.mof.go.jp/jgbs/reference/appendix/breakdown.pdf]]、競争的に価格が決まる商品としての性格を維持する限界も見えている。
#enddivregion

***日本銀行の銀行券:現状 [#l1fa552d]
-[[日銀法46条>https://elaws.e-gov.go.jp/document?law_unique_id=409AC0000000089_20150801_000000000000000#Mp-At_46-Pr_1]]
-[[日銀券>https://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2022/ac220620.htm/]]
**フィアットマネー [#r4ca34ce]
#divregion(教科書の説明,admin,lec=7, qnum=1)

#qanda_set_qst(7,1,0){{
一万円札の厚さは約0.1ミリである。今世の中にある一万円札を積み重ねたら、約何キロメートルになるか?
}}
#qanda(7,1)
#qanda_solution(7,1){{
  <h4>解答</h4>
  <p>120兆円は1万円札で120億枚。</p>
  <p>0.1ミリなら12億ミリ。1キロは100万ミリだから</p>
  <p>約1200キロメートル(...で1点です。)</p>
}}
-商品貨幣説に対立する考え方は,貨幣表券説である. 市場の外部から,商品ではないモノでも貨幣として導入できると考える立場である. 表券の素材が紙券であれば,国家紙幣であるが,その素材を問わず,広くフイアット. マネ一 (「法令による貨幣」)とよばれている. 人々の合意で,貨幣を独自に創出できるという立場も表券説の一種である.
#qanda_set_qst(7,2,0){{
  <p>発行残高を120兆円、日本の人口を一億2千万人とすると、単純計算で一人100万円になる。</p>
  <p>みんな平均でお札を100万円もっている...なんてありえない。</p>
  <p>こんなに大量のお札はどこにあるのだろうか?</p>
<p>この教科書の定義のフィアットマネーなら、これまでの講義のなかにすでに登場している。なんだろう?</p>
}}
#qanda(7,2)
#qanda_solution(7,2){{
  <h4>解答</h4>
    <p>裕福な個人が溜め込んでいる。</p>
  <h4>解説</h4>
  <ul>
    <li>私たちが日々の買い物のために使うお札は限られている。全体でも120兆円なんて必要ない。</li>
    <li>企業だって、銀行だって、もっていてもなんの利益も生まないお札をもつことはない。</li>
    <li>銀行はATMの支払いで多少のお札を準備する必要があるが、高が知れている。日本銀行に預金をもっているので、お札の準備が足りなくならば、いつでもすぐにお札を引き出すことができるのだから。</li>
    <li>銀行が日銀においている預金には、ちょっぴりだが利子がついている。マイナス金利じゃないの?って、それは日銀当座預金のほんの一部、トータルではプラスです。</li>
  </ul>
<p>「日本国」と刻印された現代の硬貨</p>
}}
-信用貨幣も国家紙幣も,通例,素材が同じであるため,紙幣として一括され,これら両者と金属貨幣との区別が強調される. しかし,これは貨幣の外見にこだわった混乱である. 金属貨幣を含む物品貨幣と信用貨幣はともに商品貨幣説で説明可能な商品貨幣に属する. 貨幣表券説をベースにした,国家紙幣を含むフイアットマネーとは概念的に異なるのである.
#qanda_set_qst(7,3,0){{
<p>なんで裕福な人たちは、こんなにお札を溜め込むのか?</p>
<p>銀行に預金しておくのと、お札を溜め込むのと、どこがちがうのか?</p>
<p>この教科書の説明の「概念的に異なる」というのは「概念がちがう」という意味だろう。つまり、ある点に着目すると、一方であれば他方ではない、というyes/noにハッキリ分かれる問題があるということだ。さて、どんな問題か、質問形式で簡潔に''。</p>
}}
#qanda(7,3)
#qanda_solution(7,3){{
  <h4>解答</h4>
  <p>お札には匿名性があるから。</p>
  <h4>解説</h4>
  <ul>
    <li>何億、何十億もっているなら、預金するのがふつうでしょう。</li>
    <li>ただ、お札でもつか、預金でもつか、で違うのは、持ち主がわかるかどうか、だけです。</li>
    <li>株にせよ、その他の金融資産にせよ、だれが持ち主か、税務当局にはわかります。</li>
    <li>なんで、持ち主がわかると困るのか、それはもっている人に聞いてください。多分、言えない事情があるのでしょう。</li>
  </ul>
<p>解答</p>
<ul>
  <li>商品価値と結びついているか</li>
  <li>価値表現から発生したか</li>
  <li>値付けにつかるか</li>
  <li>....</li>
</ul>
}}
#divregion(中央銀行デジタル通貨,admin,lec=6,qnum=4)
-ひと昔前はここでよく「ビットコインはどうだ?」という質問がでたのですが、いまは「中央銀行デジタル通貨になったらどうなの?」というのがトレンドでしょう。[[中央銀行デジタル通貨>https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/money/c28.htm/]]?
-もし、ホントに、お札をデジタル情報に置き換えるなら、匿名性を保証しなくてはなりません。預金通貨による決済なら、すでに市中銀行の預金でOK、仮に中央銀行が民間の預金を受けいても、市中銀行と競合するだけで、新しいことはなにもありません。
-もし預金通貨ではなく、お札をデジタル化するのであれば、だれがもっいるのか、だれがだれに支払ったのか、こうした取引が見えないようにしなくてはなりません。
-どうやって?ビットコインなどがやってるように、インターネット上に匿名のアカウントを設けて、個人とアカウントをID,Passwordで結ぶ、といったやり方になるでしょう。
-こうすれば、お札のように直接会わなくても、遠隔で即座に支払いができるだろう、って?でもそれは、預金通貨や、それをベースにしたクレジットカード、その他有象無象の電子決済システムですでにできています。
-ただ、これは当局から丸見えになりますが...取引を匿名でやりたい?だったら、今の所、仮想通貨でしょう。しかし、仮想通貨は日常の売買で使えるのるか、というダメでしたね。商品の値段は円で表示されており、ビットとか、サトシとか、そんな仮想通貨の貨幣単位で付けられていないからです。だから商品売買の支払いも、商品価値を表現する能力をもつ「商品貨幣」か、それと結びついた派生貨幣になるのです。
-そして現在のところ、価値表現の能力をもつ「商品貨幣」は日本銀行券です。銀行預金は、銀行預金→日銀当座預金=日本銀行券というたちで、日本銀行券=商品貨幣に固定したレートで結びついているので、お札と同じ資格で、日々の売買の支払いに使えるのです。クレジットカード、その他の派生貨幣による支払いは、今さっき述べた通りです。
-こういうと、じゃー、ビットコインは?...って、聞いてくる人が必ずいます。答えは、同じように支払に使うことはできません。なぜなら、日本銀行券と固定レートで結びつていないからです。レートが上がったり下がったりします。これが旨味でもあるのでしょう。取引所もできているので、そこで値上がりを見込んで買われたり売られたりします。株式や社債・国債などと同じです。つまり「金融商品」であって、貨幣ではありません。金融貨幣?それは語義矛盾でしょう。ただビットコインなどの仮想通貨は、有価証券と違って、だれがもっているのか、は特定できません。でもこれは別に珍しいことではなく、記念切手などのレアものの収集では昔から見られることです。コレクターアイテムです。美術品なども似た面がありますが、ただ、こちらは同種大量性がないところが、ビットコインとは違うわけです。
-さて、いずれにせよ、日本銀行券を本気でデジタル通貨に置き換えようと思えばと、すでに述べたように、ビットコイン型の匿名性を与える必要があります。そしてそれは、少なくとも、技術的にまったっく不可能であるとはいえません。
-しかし、お札を何億、何十億も、ジュラルミンケースに詰め込んで持っている人たちは、たとえ匿名性を保証されてもデジタル通貨にするメリットはないでしょう。デジタル化のメリットは、支払い・譲渡が迅速にできる点にあるのですが、元々、お札を溜め込んでいる人たちは、頻繁に支払いに使うわけではありません。使うのではなく、使わないで退蔵することが目的ですから、いくら支払いに便利だ、といっても、別にありがたくもなんともありません。passwordを盗まれたら一瞬にしてオジャン、なんていう危なっかしいデジタル通貨よりも、現ナマさえしっかり保管すればよい、お札の方を選ぶでしょう。
-ということで、お札をデジタル通貨にする、なんていうことは、多少ともマトモな当局なら考えないでしょう。とはいえ、最近はどうもマトモとはいいがたい方向に走っている気がしますが... もしデジタル化にこだわるのであれば、考えられるのは、お札を部分的にデジタル通貨にするのではなく、お札を全部廃止して、銀行預金一本にすることでしょう。お札も硬貨もないとなれば、支払いは預金ベースで決済するほかなくなり、決済の道具として、クレジットカードとか、デビットカードとか、その他の有象無象ととならんで、中央銀行デジタル通貨(ただしこっちは匿名で、インターネット上のwalletを介して支払われることになるのでしょう)が使われることになります。
-仮にこうなれば、裕福な人たちは、この中央銀行デジタル通貨を、いまのお札と同様に、密かに溜め込むことになるのでしょうか。溜め込む対象としては、いまいち心もとない、安全性が気になります。昔ながらの金にするとか(金は蓄蔵されてきました。Schatzbildung です。でも、いま金を市場で買えば、購買履歴が残ってしまいますから、個人から直接買うとか、しかし、これも偽物をつかまされるかもしれないし...と、余計なカネをもっている人たちに、心配のタネは尽きないようです。
#enddivregion

**ファアット・マネー [#e2fd4837]
-商品価値と直接間接に結びついている商品貨幣に対して、このような結びつきをもたない貨幣をフィアット・マネーという。fiat money のfiatは「
(権威による)命令、許可、認可」の意味であり、「日本国」などと刻印された硬貨はこれに属する。
-商品の基本規定から演繹的に推論するかたちでは説明できない貨幣である。
-したがってまた、もしフィアット・マネーしか存在しならなら、商品価値を表現することはできない。つまり、それだけでは値付けに使えない貨幣である。
-ただし商品貨幣が、物品貨幣ないし信用貨幣のかたちで実装された後、つまり変容のレイアのいまひとつうえの多態化のレイアでは、物品貨幣ないし信用貨幣の機能の一部を担うかたちで、フィアット・マネーが派生する可能性がある。
-このフィアット・マネーだけをとりだして、貨幣の本質を語るのは浅はかである。商品貨幣が主であり、フィアット・マネーはあくまで派生態、従たる存在である。商品貨幣である日本銀行券は無制限法貨であり、日本国の威信で通用するとされている硬貨は制限法貨、小銭にすぎない。[[法貨としての通用限度(通貨法第7条)>https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=362AC0000000042]]
***参考 [#w09d4f12]
-[[今日の貨幣と金融の全貌>https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjexp.pdf]]
-等価物の統一と固定化には,国家や制度などが大きな役割をはたす. しかし,貨幣を生みだす基本的作用は商品世界の側にある.この基本作用に逆らって,国家や制度が独自に貨幣を創出することはできない.これらの外的条件は,貨幣素材を認定し,商品間にはたらく一般的等価物の統一や固定を補助するかたちで商品世界の要請に応えるだけである.

**資産と貨幣の価値 [#l355b7e0]
-今日の貨幣は、転売されるさまざまな商品群、すなわち資産によって取り囲まれている。
-貨幣の価値すなわちその購買力は、これらの商品群との転売のなかで維持されている。
-また、貨幣の量もこれらの商品への変換、再変換のなかで調整されている。
-今年度は時間の都合でこれ以上の詳細は省略。
-興味のある人は[[昨年度の講義ページ>2021年度/夏学期/第7講#l355b7e0]]の「資産と貨幣の価値」をみられたい。
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-6月30日の講義が終わった段階での確認
#qanda_set_qst(7,21,0){{
ここまでの内容に関して、疑問、説明がもっと必要な点などがあれば、どうぞ。
}}
#qanda(7,21)
#enddivregion

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