#author("2022-07-28T14:16:39+09:00","default:obata","obata") #author("2022-07-28T14:21:00+09:00","default:obata","obata") CENTER:[[前回 ◁ >2022年度/夏学期/第8講]]&color(#447CFF){第 &size(32){9}; 講}; [[▷ 次回>2022年度/夏学期/第10講]] ------ #qanda_setstid(2022-06-16 16:10:00,90) #qanda_who #qanda_mathjax ------ CENTER:&size(25){&color(yellow,navy){ 流通手段 };}; #contents #qanda_points_chart #qanda_points_hist ✔ REC ON&br; ✅ 接続チェック ------ #qanda_set_qst(9,20,0){{ <p>✔ 接続状態をおしえてください。</p> <p>氏名不詳になってしまった人がいれば教えてください。</p> <hr> }} #qanda(9,20) -6月19日に講義は第5講の[[ここ>2022年度/夏学期/第5講#june16]]からはじめます。 ---- **第9講のネライ [#ca0cd5aa] -商品の流通と貨幣の運動:circulation と currency の区別 -売買の基本構造: 売って買う $W - G - W'$ の閉じることなき連鎖 **商品の流通 [#r9149955] #divregion(動かしてみよう,admin,lec=9,qnum=20) -中心にある貨幣を適当な商品に重ねてみよう。これが売買を意味する。 -なにが起こるか?貨幣の持ち主(買い手)が商品の持ち主に、商品の持ち主が貨幣の持ち主に、入れ替わるはず。 -この関係は右側の図に示される。ヨコの線は持ち主の変化を、斜めの矢印は貨幣と商品の移動を意味する。 -次になにが起こるか?新しい所有者は、別の商品を買うであろう。 -再び貨幣を表す円を,商品に重ねてみよう。右の図がどう変化したか,よく見てみよう。 -売って買う(売買)の繰り返しがどのように連鎖するのか、わかりましたか? #qanda_raw{{ <link rel="stylesheet" href="./css/konva/2022/money-circle.css"> <div id="money-circle-ownerTable"></div> <div id="money-circle"></div> <script src="https://unpkg.com/konva@7.0.7/konva.min.js"></script> <script src="./js/konva/coordinate.js"></script> <script src="./js/konva/2022/money-circle.js"></script> }} #enddivregion #qanda_set_qst(9,1,0){{ <p>商品の動きと、貨幣の動きとの違いを端的に述べよ。</p> }} #qanda(9,1) #qanda_solution(9,1){{ <h4>解答</h4> <ul> <li>商品は一回だけ動くが、貨幣は何度も動く。</li> <li>商品は一度だけ持ち主を変えるが、貨幣は何度も持ち主を変える。</li> </ul> <h4>解説</h4> <ul> <li>商品の動きを<strong>流通</strong>とよびます。</li> <li>貨幣の動きを<strong>貨幣流通</strong>とよびます。</li> <li>本来なら商品流通と貨幣流通が対になるのですが、ただ流通といえば商品流通のことをさし、貨幣のほうは特別に貨幣をつけて貨幣流通という、というわけです。</li> <li>なんとも紛らわしい。貨幣流通の代わりに、通流という用語を新たに定義してつかおうという人もいました。「商品は流通し,貨幣は通流する」といおうというわけ。なるほど....でも「通流」という言葉は残念ながら流通しなかったようです。</li> <li>英語では、商品の流通のほうは circulation で、貨幣流通のほうは currency です。currency は貨幣流通という意味と同時に、文字通り通貨を指すのにも用いられます。</li> </ul> <h4>After</h4> <p>まだ「商品が交換される」という回答が幾つもあったが、厳しく減点した。「商品は売られる」のです。 }} **市場の基本構造:売って買う [#u8ae790c] #divregion(記号の定義,admin,lec=9,qnum=1) -二つだけ記号を定義します。 -以後、商品をW, 貨幣をGで表します。ドイツ語の die Ware と das Geld の頭文字です。 #enddivregion #qanda_set_qst(9,2,0){{ <p>$W \to W$ は「商品流通」circlulation、$G \to G \to \cdots$ は「貨幣流通」currency だった。</p> <p>では$W - G - W'$にあたるのは何か?一語で...</p> }} (1分問題) #qanda(9,2) #qanda_solution(9,2){{ <h4>解答</h4> <p>売買</p> <h4>解説</h4> <p>これを商品流通とよんではいけません。</p> <p>もちろん交換でもない。商品はけっして交換されるわけではありません。売買されるのです。</p> }} #qanda_set_qst(9,3,0){{ <p>「でも、$W-G-W'$って、けっきょく中身は$W - W'$でしょ。貨幣を間にはさんでいるだけで、結果的にみれば、商品 W と商品 W' を交換しているのと同じゃないの?」</p> <p>さて、同じか違うか?理由を述べよ。</p> }} #qanda(9,3) #qanda_solution(9,3){{ <h4>解答</h4> <ul> <li>違う</li> <li>W と W' の交換なら二人でできる。しかし、$W - G - W'$は、Wを渡した相手と、W'を受け取った相手は別人。相手と二人でできる交換とは違う。</li> </ul> <h4>解説</h4> <ul> <li>交換なら、Aさんの$W-W'$には、Bさんの$W’-W$が対応。二行に並べて書けばわかるように、二人で閉じた関係をつくる。 </li> <li>一方、商品売買では、Aさんの売買 $W - G - W'$には、Bさんの購買 $G - W$と、Cさんへの販売 $W' - G$ が対応している。</li> <li>そして売買は、次々にエンドレスにつながっていて、閉じた関係を形づくることはない。</li> </ul> }} &aname(w-g-wStructure); #divregion(流通手段と基本構造,admin,lec=9,qnum=3) -商品の持ち手を変える、つまり商品を流通させるはたらきを、貨幣の''流通手段''という。 -貨幣が流通手段として機能することで、多種大量の商品が流通する。 -商品売買 $W - G -W'$の連鎖を、''市場の基本構造''とよぶ。 &aname(w-g-wStructure); //|BGCOLOR(#ffffff):|BGCOLOR(#ffffff):|BGCOLOR(#ffffff):|BGCOLOR(#ffffff):|BGCOLOR(#ffffff):|BGCOLOR(#ffffff):|c //|B : |G|-|W||| //|A : |W|-|G|-|W'| //|C : |||W'|-|G| #qanda_raw{{ <div id="wgw-circulation" font-family: "Kavivanar"></div> <script src="./js/konva/2021/wgw-circulation.js"></script> }} -その最小ユニットは、三主体($\Bbb{A,B,C}$) +二商品($W,W'$) からなる。 $$ \begin{array}{ccccccc} \Bbb{B}: & G & - & W & & \\ \Bbb{A}: & W & - & G & - & W'\\ \Bbb{C}: & & & W' & - & G \end{array} $$ #enddivregion