#author("2023-12-21T15:08:49+09:00","default:obata","obata") #author("2023-12-21T15:12:54+09:00","default:obata","obata") CENTER:[[前回◁>2023年度/冬学期/第11講]]&color(#447CFF){第&size(32){12};講};[[▷次回>2023年度/冬学期/第13講]] ----- #qanda_setstid(2023-12-07 16:20:00,90) #qanda_who #qanda_mathjax #qanda_points_chart #qanda_points_hist ✔ REC ON&br; ✅ 接続チェック #qanda_set_qst(12,100,0){{ <ul> <li>✔ 接続状態をおしえてください。</li> <li>価格ベクトルとは何か、もう一度復習してみましょう。</li> </ul> <ul> <li>商品の単価を$p_1,p_2$とする。</li> <li>x軸に商品1の数量、y軸に商品2の数量をとる。</li> <li>1000円で買うことができる商品1,2の組を表す直線の式をもとめよ。</li> </ul> }} #qanda(12,100) #qanda_solution(12,100){{ <h4>解答</h4> <ul> <li>$p_1x+p_2y=1000$</li> </ul> <h4>解説</h4> <ul> <li>傾きが$-p_1/p_2$</li> <li>$1000/p_2$でx軸と交わる</li> <li>$1000/p_1$でy軸とまじわる</li> <li>この直線を予算制約線などとよぶこともあります。</li> <li>要するに、予算1000円のとき買うことのできる商品1,2の物量の組合せ$(x,y)$が、この直線上にあるということです。</li> </ul> }} #qanda_set_qst(12,101,0){{ <ul> <li>原点を通り、予算制約線に直交する直線の方程式をは?</li> </ul> }} #qanda(12,101) #qanda_solution(12,101){{ <h4>解答</h4> <ul> <li>$y=(p_2/p_1)x$</li> </ul> <h4>解説</h4> <ul> <li>$p_2x=p_1y$</li> <li>つまり、$x:y=p_1:p_2$</li> </ul> }} #qanda_set_qst(12,102,0){{ <ul> <li>この直交する直線上に、長さ1のベクトル$\vec{p}=(p_1,p_2)$をとる。</li> <li>原点から予算制約線上のある点$(x,y)$に向かうベクトルを$\vec{q}=(x,y)$とする。</li> <li>$\vec{p} \vec{q}$は何を表すか。</li> </ul> }} #qanda(12,102) #qanda_solution(12,102){{ <h4>解答</h4> <ul> <li>$(x,y)$を買うのに必要な金額、つまり1000円。</li> </ul> <h4>解説</h4> <ul> <li>$\vec{p} \vec{q} =(p_1,p_2)(x,y)=p_1x+p_2y$</li> </ul> }} #qanda_set_qst(12,103,0){{ <ul> <li>この直交する直線上に、長さ1のベクトル$\vec{p}=(p_1,p_2)$をとる。</li> <li>原点から予算制約線上のある点$(x,y)$に向かうベクトルを$\vec{q}=(x,y)$とする。</li> <li>$\vec{p} \vec{q}$は何を表すか。</li> </ul> }} #qanda(12,103) #qanda_solution(12,103){{ <h4>解答</h4> <ul> <li>$(x,y)$を買うのに必要な金額、つまり1000円。</li> </ul> <h4>解説</h4> <ul> <li>$\vec{p} \vec{q} =(p_1,p_2)(x,y)=p_1x+p_2y=1000$</li> </ul> }} #qanda_set_qst(12,104,0){{ <ul> <li>これがポイントです。</li> <li>内積$\vec{p} \vec{q}$ はx,y平面上のどの長さに相当しますか。 </li> </ul> }} #qanda(12,104) #qanda_solution(12,104){{ <h4>解答</h4> <ul> <li>予算制約線とこれに直交する直線の交点を$H$,原点を$O$とすると$OH$</li> </ul> <h4>解説</h4> <ul> <li>$\vec{p},\vec{q}$のなす角を$\theta$とすると</li> <li>$\vec{p} \vec{q} = |\vec{p}| |\vec{q}| cos\theta = |\vec{q}| cos\theta$</li> <li>予算制約線上のどの点から垂線を下ろしても、全部$OH$は同じ。</li> <li>逆いうと、$\vec{p}$に直交する直線上の$(x,y)$は、全部同じ金額になるということ。</li> <li>ベクトル $(x,y)$と$(x',y')$の比較というのは一般にはできないが、価格ベクトル$\vec{p}$を決めてやると、内積でスカラーにして、大小が評価できるということ。 </li> <li>価格というのは、多数の物量で構成されたかたまりを、共通の基準で価値評価する役割を果たしているのだ。</li> </ul> }} CENTER:&size(25){&color(yellow,navy){ 地代 };}; #contents ------ **レント [#sbe6f610] **レント [#cf89c218] -賃料=レントとは、一定期間、何かを「借りる」ときの対価。 -賃料を払って借りることを賃貸借という。 -賃料を伴わない貸借もある。 -貨幣を借りたときのレントは「利子」。 -レンタカーを借りたときのレントはレンタル料。 -借りたものは、借りた期間、その用益を利用することができる。 -賃料を払って「株式」を借りることもできる。貸株。何のための... -土地を借りたときのレントが「地代」である。 #qanda_set_qst(12,1,0){{ <p>賃貸借であろうとなかろうと、貸借契約に伴う義務は何か。</p> }} #qanda(12,1) #qanda_solution(12,1){{ <h4>解答</h4> <ul> <li>借りたものか、それと同種のものか、いずれかを「返す」こと。</p> </ul> <h4>解説</h4> <ul> <li>「返す」というのはどういうことか?</li> <li> <ul> </ul>借りたそのものを返すか </li> <li>借りたものと同種同量のものを返すか</li> のいずれかになる。 </li> <li>土地の貸借は1,貨幣の貸借は2になる。</li> <li>経済活動のなかで賃貸借が利用される領域はひろい。</li> <li>基本的に生産によって、その量を増やせない対象は賃貸借される。</li> </ul> }} #qanda_set_qst(12,2,0){{ <ul> <li>「「賃貸借」と「売買」は、それぞれ独立した取引であり、いずれかに還元することはできない。」</li> <li>真か偽か、理由を述べよ。</li> </ul> }} #qanda(12,2) #qanda_solution(12,2){{ <h4>解答</h4> <ul> <li>偽</li> <li>賃貸借は売買の一種である。</li> <li>賃貸借では、一定期間「利用できる権利」という商品が売買されているのであり、レントはこの利用権の価格である。</li> </ul> <h4>解説</h4> <ul> <li>利子をとって貨幣を貸すというのは、一定額の貨幣を一定期間自由にする権利を売買しているのであり、「利子」はこの利用権の「価格」である。</li> <li>利子は、元本に対する比率(利子率)で与えられるので、しばしば、貨幣は利子率に応じて「ふえる」と勘違いする人がいる。</li> <li>貸したもの=元本は、同額の貨幣が返済されるのであり、ふえはしない。</li> <li>レンタカーの場合、貸した自動車がふえるわけではないのは明らか。</li> <li>ただ、貨幣の場合、元本も利子も金額なので、両者をいっしょにして、あたかも貨幣は一定期間貸せば「ふえる」というのである。</li> </ul> }} **地代の大きさ [#xd2aff8b] **地代の大きさ [#t1399282] +ある生産技術が、ある土地でしか、利用できず、 +利用できる土地の量的限度があるとき、 -生産技術に基づいて、地代の大きさが客観的にきまる。 -これまで使ってきた同じ例で考えてみよう。 -優等な小麦生産技術であるcase2 の$P'$が利用できる土地に量的限界があると仮定する。 -小麦の需要が増大してゆき $P'$だけでは対応できなくなり、それより劣等な$P$による供給が必要になったとする。 -case1 $$\begin{cases} P : & (-1,-1) &\to &(4,0)\\ Q : & (-2,-1) &\to &(0,5) \end{cases}$$ -case2 $$\begin{cases} P' : &(-6/5,-4/5) &\to & (4,0)\\ Q : & (-2,-1) &\to &(0,5) \end{cases}$$ #qanda_set_qst(12,3,1){{ #qanda_set_qst(12,3,0){{ <p>次の文の(A)(B)(C)に当てはまる語句、数値を答えよ。</p> <ul> <li>case1の生産価格比は、小麦価格$p_1$,鉄価格$p_2$としたとき、$$p_2/p_1\fallingdotseq 1.17$$ $$一般的利潤率\fallingdotseq 0.84$$</li> <li>case2の生産価格比は、$$p_2/p_1\fallingdotseq 1.19$$ $$一般的利潤率 r^*\fallingdotseq 0.857$$であった。</li> <li>小麦生産で優等条件が使い切られたする。</li> <li>小麦生産の劣等条件による供給は、鉄生産と同じ利潤率が成立する価格に(A : 上昇 or 下落)するまで、はじまらない。</li> <li>この価格の(A : 上昇 or 下落)の大きさは、$(B) - (C)$ の式で与えられる。</li> </ul> }} #qanda(12,3) #qanda_solution(12,3){{ <h4>解答</h4> <ul> <ul> <li>A: 上昇</li> <li>B: 1/1.17</li> <li>C: 1/1.19</li> </ul> </ul> }} #qanda_set_qst(12,4,1){{ #qanda_set_qst(12,4,0){{ <p>次の文の(A)(B)(C)に当てはまる語句、数値を答えよ。</p> <ul> <li>小麦生産で劣等条件が利用される水準まで小麦価格が上昇すると、優等条件で小麦を生産しているものは、鉄1単位を1円とすると、小麦1単位あたり$(A)-(B)$円だけ、劣等な条件の生産より多い利潤が発生する。</li> <li>劣等な条件で小麦を生産しているものは地代を支払って、優等条件の土地を借りて利用したいと考える。</li> <li>優等条件が使える土地に対しては、地代を払って借りようとする借り手の間の(C)が発生する。</li> <li>この(C)の結果、地代の額は小麦1単位あたり$(A)-(B)$円になるまで上昇する。</li> </ul> }} #qanda(12,4) #qanda_solution(12,4){{ <h4>解答</h4> <ul> <ul> <li>A: 1/1.17</li> <li>B: 1/1.19</li> <li>C: 競争</li> </ul> </ul> <h4>解説</h4> <ul> <li>土地が原因となって生じる超過利潤は、資本家間の競争により、すべて地代となり、地主のものとなる。</li> <li>劣等な土地には、まだ未使用な部分があるから、こちらは劣等地の地主の間の競争の結果、地代はゼロになる。</li> <li>このように、借り手の競争の結果、超過利潤が地代化する地代を<b>差額地代</b> differencial rentとよぶ。</li> </ul> }}