#author("2023-11-29T17:59:56+09:00","default:obata","obata") #author("2023-11-29T18:09:08+09:00","default:obata","obata") CENTER:[[前回◁>2023年度/冬学期/第7講]]&color(#447CFF){第&size(32){8};講};[[▷次回>2023年度/冬学期/第9講]] ----- #qanda_setstid(2023-11-02 16:20:00,90) #qanda_who #qanda_mathjax //#qanda_points_chart //#qanda_points_hist ✔ REC ON&br; ✅ 接続チェック #qanda_set_qst(8,100,0){{ <li>✔ 接続状態をおしえてください。</li> }} #qanda(8,100) CENTER:&size(25){&color(yellow,navy){ 再生産 };}; #contents ------ **前回のまとめ [#qf8e462a] -「過程」とは?:$はじまり \to おわり$ -$純生産物 = 粗生産物 - 原材料$ -$社会的生産:複数の生産過程の連鎖構造$ **今回のネライ [#m5d33ec0] **今回のネライ [#d046ef64] **今回のネライ [#x38a630e] -「再生産」という概念 -人間による「トリミング」を自覚する(次回で深める)。 -生産に必要な労働量 **再生産 [#wc392b56] **再生産 [#ud12f575] **再生産 [#m0ca9aa9] #qanda_set_qst(8,1,0){{ <p>復習問題です。</p> <p>「生産過程」は、モノの量が「ふえる」過程だ、というが、 物理学には質量保存の法則というのがある。</p> <p>「生産過程」の定義は、この法則に反する。</p> <p>真か偽か,例をあげて理由を述べよ。</p> }} #qanda(8,1) #qanda_solution(8,1){{ <h4>解答</h4> <ul> <li>偽</li> <li>Butter is made from milk.というとき、閉じた系を想定すれば、質料保存則は成りたつが、モノとしてmilk が減りbutterがふえている。</li> <li>ただし、butterの量からmilkの量は引けないので、「ふえた」かどうかは、これだけでは不定である。</li> </ul> <h4>別解</h4> <li>偽</li> <li>問題7-7の例で、$(C_{in},I_{in})\to (C_{out},I_{out})$ で、閉じた系を考えれば質量保存の法則は成りたっているが、モノとしての小麦と鉄はともにふえている。</li> <li>つまり「質料」と「モノ」とは、次元が違う概念である。</li> <h4>解説</h4> <ul> <li>真だという回答もあるかもしれません。だとすると、そもそも、経済学でいう生産なんてインチキな概念だ、ということになるのですか...</li> <li>しかし「閉じた系」というのは何なんだろうか?</li> </ul> }} #qanda_set_qst(8,2,0){{ <p>質量保存則が成りたつための「閉じた系」Pと同じタイプの「閉じた系」Qを、生産過程についても考えることはできるか。</p> <p>理由を述べよ。</p> }} #qanda(8,2) #qanda_solution(8,2){{ <h4>解答</h4> <ul> <li>できない。</li> <li>PとQは両立しない。Pの内部でQの増加があるなら、QはPから何かを取りこんでいるはず。(小麦,鉄)がふえるとすれば、それはふえた分、外部から物質を取りこんでいる。 </li> </ul> <h4>別解</h4> <ul> <li>できる。</li> <li>PとQは、同じ次元の二つの系ではない。「モノ」が「ふえる」次元での閉じた系Qと物質が変化する次元でのPを直接比較するのは誤り。</li> </ul> <h4>解説</h4> <ul> <li>むずかしい問題です。</li> <li>経済学では「別解」にように、次元が違うから、独自にQのような閉じた系を考えてよいとしてきたのではないかと思います。</li> <li>「再生産」という考え方の基礎の基礎には、次元の違い、という考え方が潜んでいそうです。</li> </ul> }} ***簡単な例 [#l11472b7] **再生産 [#p39129bb] ***簡単な例 [#b115c307] **再生産 [#xf1a1b63] ***簡単な例 [#cd52fc9b] **再生産 [#o0898211] -投入と産出が同じモノ(たとえば小麦)であるケース $$小麦20kg \longrightarrow 小麦30kg$$ -時間のながれに沿ってみると $$小麦20kg \longrightarrow 小麦30kg \longrightarrow 小麦45kg \longrightarrow \cdots$$ -しかし、$$R[小麦20kg \longrightarrow 小麦20kg] + 小麦10kg$$ とみると、プロセスRは自己を繰り返し再現しており、プロセスRからあまり(純生産物)が繰り返し生みだされていることになる。 -再生産の定義:産出から投入することにより繰り返される生産を''再生産''とよぶ。 #divregion(教科書の説明,admin,lec=8,qnum=2) 教科書142ページ > この場合,出発点となる小麦はどこからでてきたのか.先行する自然過程の産出からであろう. では,その産出のための投入はどこかでてきたのか.それは,さらに先行する過程の産出からであろう. これは,どこまでも遡る. しかし,産出の一部が再び投入されると考えると,帰結から出発点に戻る関係として捉えることができる. 時間の流れのなかで進行する生産を,復帰を伴う循環として捉えたものが再生産である. 投入と産出が分離可能なのは,その間に期間が介在するからである. 投入から産出までの期間を生産期間とよぶ. < -再生産の条件は、循環のループが維持されること。産出のすべてが再投下されても、循環が維持されいるので、再生産(拡大再生産)である。 -反対に、産出が投入以下であっても、循環は可能なので、再生産(縮小再生産)という。ただ、縮小再生産は繰り返せば継続困難になる。 -例のように初期のインプットと同量がアウトプットで埋め合わせら(補填さ)れるとき、単純再生産という。 -以下では断らないかぎり、再生産という場合はワンサイクルの単純再生産を想定している。 #enddivregion #divregion(再生産:シンプルなケース,admin,lec=8,qnum=2) #qanda_raw{{ <script src="./js/konva/coordinate.js"></script> <script src="https://unpkg.com/konva@8/konva.min.js"></script> <div id="reproductFrame"></div> <script src="./js/konva/2021/reproductFrame.js"></script> }} 外部との関係は、次回以降で、しっかり考える。今回は内側の二つのボックスに注意してほしい。 #enddivregion #qanda_set_qst(8,3,0){{ $$\begin{cases} \text{小麦生産 } P : & (1,1)\to (4,0)\\ \text{鉄生産 } Q : & (2,1) \to (0,x) \end{cases}$$ <p>縮小再生産にならない$x$を求めよ。</p> }} #qanda(8,3) #qanda_solution(8,3){{ <h4>解答</h4> <ul> <li>2</li> </ul> <h4>解説</h4> <ul> <li>$P+Q: (3,2)\to (4,x)$ </li> </ul> }} **社会的再生産 [#w7920079] #divregion(2を聴いてNを知る, lec=8 , qnum=3 ,admin) **社会的再生産 [#tb8e59a1] **社会的再生産 [#hf9fddd5] -再生産は、多数の生産過程の連鎖によって成りたっている。 #divregion(2を聴いてNを知る, lec=8 , qnum=2 ,admin) #qanda_raw{{ <p style="margin-left:6em;font-size:120%;">生産物の数を<span class='num' id="ten">10</span>,から <span class='num' id="nine">9</span>, <span class='num' id="eight">8</span>, <span class='num' id="seven">7</span>, <span class='num' id="six">6</span>, <span class='num' id="five">5</span>, <span class='num' id="four">4</span>, <span class='num' id="three">3</span>, <span class='num' id="two">2</span> へと抽象化してゆく。 </p> <div id="social_reproduction"></div> <script src="https://unpkg.com/konva@7.0.7/konva.min.js"></script> <script src="./js/konva/coordinate.js"></script> <script src="./js/konva/2020/social-reproduction.js"></script> }} #enddivregion -生産物の数がふえると、この連鎖のなかに依存関係を見極めることはむずかしくなる。 #divregion(二人の関係でいえば,admin,lec=3,qnum=2) 赤とオレンジの二つに「抽象化」すれば三タイプは次のようになる。 > +双方向依存型:「(赤)+オレンジ → 赤」かつ「赤+(オレンジ) → オレンジ」 +一方向依存型:「赤+オレンジ → 赤」かつ「オレンジ → オレンジ」または... +相互独立型:「赤 → 赤」かつ「オレンジ → オレンジ」 < &br; -こういうのは人間関係でもありそう。 +両想い +片思い +無関心 -数が増えると、間接的な依存関係がふえ複雑になるが。三角関係? -[[相互依存関係を解き明かす図解>実験/2023wlec8]] #enddivregion #divregion(図に描いてみよう,admin,lec=8,qnum=3) #qanda_raw{{ <div style="margin: 20px; padding:6px"> <form id="form1" action="#"> <label for="item_number">生産物数:</label> <input type="text" id="item_number" maxlength="2" size="2"> <input type="button" onclick="getItemNumber()" value="click"> </form> </div> <div id="prod-dependency"></div> <script src="https://unpkg.com/konva@8/konva.min.js"></script> <script src="./js/konva/coordinate.js"></script> <script src="./js/konva/2021/prod-dependency.js"></script> **再生産の持続条件 [#b805da25] **再生産の持続条件 [#ka41c86d] #qanda_set_qst(8,3,0){{ $$\begin{cases} \text{小麦生産 } P : & (1,1)\to (4,0)\\ \text{鉄生産 } Q : & (2,1) \to (0,x) \end{cases}$$ <p>縮小再生産にならない$x$を求めよ。</p> }} #enddivregion #qanda(8,3) #qanda_solution(8,3){{ <h4>解答</h4> <ul> <li>2</li> </ul> <h4>解説</h4> <ul> <li>$P+Q: (3,2)\to (4,x)$ </li> </ul> }} **再生産の持続条件 [#wc7145b8] #qanda_set_qst(8,4,0){{ $$\begin{cases} \text{小麦生産 } P : & (1,1)\to (4,0)\\ \text{鉄生産 } Q : & (2,1) \to \color{red}{(0,5)} \end{cases}$$ $$\begin{cases} \text{小麦生産 } P : & (1,1)\to (4,0)\\ \text{鉄生産 } Q : & (2,1) \to \color{red}{(0,2)} \end{cases}$$ <p>${\color{red}{(0,5)} } \to {\color{red}{(0,2)} }$ は何を意味するのか。言葉で説明せよ。</p> }} #qanda(8,4) #qanda_solution(8,4){{ <h4>解答</h4> <ul> <li>鉄生産における生産力が低下した。</li> </ul> <h4>解説</h4> <ul> <li>同じインプット$(2,1)$でアウトプットが減少しているので、この場合は簡単です。</li> <li>持続的に再生産可能であるためには、最低限必要な生産力というものがあるわけです。</li> <li>では、インプットが変化したときはどうでしょうか。</li> <li>インプットを構成する要素が全部減少ていれば、もちろん、生産力は上昇したといえますが、減少するものも増大するもののあったときは....</li> }}