#author("2023-07-20T14:05:04+09:00","default:obata","obata") #author("2023-07-20T22:04:53+09:00","default:obata","obata") CENTER:[[前回 ◁ >2023年度/夏学期/第12講]]&color(#447CFF){第 &size(32){13}; 講}; [[▷ 次回>2023年度/夏学期/第14講]] ---- #qanda_setstid(2023-07-20 16:20:00,100) #qanda_who #qanda_mathjax #qanda_points_chart #qanda_points_hist ✔ REC ON&br; ✅ 接続チェック #qanda_set_qst(13,100,1){{ #qanda_set_qst(13,100,0){{ <p>✔ 接続状態をおしえてください。</p> }} #qanda(13,100) CENTER:&size(25){&color(yellow,navy){ 蓄蔵手段 };}; #contents ------ **概要 [#ce74c646] -貨幣のもつ購買力を一定期間保持するはたらきについて考えてみる。 -この機能の限界を知ることで、さまざまな資産的な商品の存在意義を理解する。 **蓄蔵手段 [#a02b2e3f] -購買力を一定期間保持させる貨幣のはたらきを''蓄蔵手段''とよぶ。 #qanda_set_qst(13,1,0){{ <p>貨幣があれば、表示された価格で何でも買える。</p> <p>しかし、何でも買えるからといって、貨幣をただ貯め込むのは得策ではない。</p> <p>貨幣のメリットは「すぐに」買えることだけだから。</p> <hr> <p>この主張は適切か否か。理由を述べよ。</p> }} #qanda(13,1) #qanda_solution(13,1){{ <h4>解答</h4> <ul> <li>適切である</li> <li>貨幣には即時的な購買力はあるが、その購買力の大きさには「不可測性」がある。</li> <li>値上がりする商品を基準にとれば、その購買力は減価しているのあり、すぐに買う必要が在る部分以上に、貨幣を握りしめておくことには、減価というデメリットもある。</li> </ul> <h4>解説</h4> <ul> <li>蓄蔵手段は即時的購買力という性質を維持するのであり、購買力の大きさを維持する機能ではない点に注意</li> <li>「蓄蔵」という用語は「使わずに溜め込むこと」を連想させるが、この講義ではこのような意味で蓄蔵手段という用語を定義していない点も注意</li> </ul> }} **資産 [#x1e8d6f3] #divregion(さまざまな資産,admin,lec=7,qnum=3) -外側の水色のリングをダブルクリックしてみよう。 --これがここまでで定義してきた貨幣のすがた。W0,W1,... という無数の商品がその価値を、すべて単一の貨幣で表現している。 --これらの商品は、売れれば市場からでてゆく、一般商品。 -中心の貨幣の円をダブルクリックしてみよう。 --市場のなかには、売れてもすぐには市場の外にでてゆかない資産がたくさん詰まっている。 --このなかには、[[取引所が存在し、時々刻々、値がついている資産>https://nikkei225jp.com/oil/]]もあれば、個々の売り手買い手の思惑でその値が動くものもある。 --さまざまな資産が転売されるなかで、ある資産の価格が上がり、別の資産の価格がさがるという変動の中で、貨幣の価値の大きさ、つまり購買力は相対的に安定した大きさとして現れる。 #qanda_raw{{ <script src="https://unpkg.com/konva@8.0.4/konva.min.js"></script> <div id="money-asset-relation"></div> <script src="./js/konva/coordinate.js"></script> <script src="./js/konva/2021/money-asset-relation.js"></script> }} #enddivregion #divregion(国債,admin,lec=7, qnum=3) -国債については多くの誤解あり -国債はそもそも「商品」コモディティである。ただの債務証書ではなく、証券市場でいつでも売買できる有価証券。 -その価値の基礎は確定利払いによる。返済が確実なら利子率によって価格は変動する。利払いができるかどうかは、最終的に徴税能力による。これは[[国の予算に占める国債費>https://www.mof.go.jp/zaisei/current-situation/index.html]]を見ればわかる。 -公債金(収入)- 国債費(支出)をみれば、13兆をえるのに10兆円のコストがかかっているのがわかる。これがプラスになる範囲には限度があり、国の負債だからいくらでもOKというものではない。 -しかも、[[その保有者がかなり偏ってきており>https://www.mof.go.jp/jgbs/reference/appendix/breakdown.pdf]]、競争的に価格が決まる商品としての性格を維持する限界も見えている。 #enddivregion