#author("2023-09-21T16:33:05+09:00","default:obata","obata")
#author("2023-09-27T14:35:18+09:00","default:obata","obata")
CENTER:[[前回◁>2023年度/冬学期/第1講]]&color(#447CFF){第&size(32){2};講};[[▷次回>2023年度/冬学期/第3講]]


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#qanda_setstid(2023-09-21 16:20:00,100)
#qanda_who
#qanda_mathjax
//#qanda_points_chart
//#qanda_points_hist

✔ REC ON&br;
✅ 接続チェック

#qanda_set_qst(2,100,0){{
<p>&#x2714; 接続状態をおしえてください。</p>
<p>chatGTPを使ったこと、ありますか?</p>
}}
#qanda(2,100)


CENTER:&size(25){&color(yellow,navy){&nbsp;労働と生産&nbsp;};};
#contents
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**ネライ [#v7a20e3f]
-自然言語で理論的に考えるときの注意点
-「労働」と「生産」の区別と関係について考えてみる。
-「生産」の定義を与える。

**「理論」とは? [#gedaf84a]
-この講義のタイトルは「経済理論」です。さて、では、そもそも「理論」とは...

#qanda_set_qst(2,101,0){{
<p>理論的に考えるとはどうすることか。</p>
<p>そのためにはどのようなことが必要となるだろうか。</p>
<p>必要な要件をあげてみてください。</p>
}}
#qanda(2,101)
#qanda_solution(2,101){{
<h4>解答</h4>
<ul>
  <li>基本的な用語を厳密に定義すること。</li>
  <li>前提を明示すること。</li>
  <li>論理の規則にしたがって推論すること。</li>
</ul>
<h4>解説</h4>
<ul>
  <li>すべての用語を定義することは無理です。</li>
  <li>基本的な用語を定義することが重要。定義した用語はリストアップしておこう。</li>
  <li>前提も全部網羅するのは無理だが、「隠れた前提」「気づかない前提」には要注意。</li>
  <li>「論理的に考える」ときに、否定形がうまくつかえるようになるとよい。「...だから...だから...」と単線的に考えるのではなく、「もし...でなければ」と反対のケースを考えてみる。</li>
  <li>もうひとつ、「Aであることは、かならずしもA'であることを意味しない。」という文も有効。「AだからBだ」といういい加減な推論をただせるようになろう。
  </li>
</ul>
}}

**生産と労働 [#b3a3f038]
#qanda_set_qst(2,102,0){{
<p>「労働の結果が生産である。」</p>
<p>この命題は真か偽か。</p>
<p>... に答えるまえに、この命題自身、真偽を問うには不完全なところがある。</p>
<p>真偽が問えるように言い換えてみよ。</p>
}}
#qanda(2,102)
#qanda_solution(2,102){{
<h4>解答</h4>
<ul>
  <li>「すべて労働の結果は必ず生産になる。」</li>
</ul>
<h4>解説</h4>
<ul>
  <li>「ある種の労働」だったり、「生産になることもある」だったりすれば、つねに真になるでしょう。</li>
  <li>この命題で、「労働」と「生産」の包含関係も考えてみる必要があるでしょう。</li>
  <li>労働を表す円のなかに、生産を表す円はすっぽり入っているのか、あるいは、逆に、生産を表す円のなかに、労働を表す円はすっぽり入っているのか、はたまた、一部分が重なっているのか、それとも、全然重なるところがないのか?</li>
</ul>
}}

#qanda_set_qst(2,103,0){{
<p>「すべて労働の結果は必ず生産になる。」</p>
<p>この命題は真か偽か?理由を述べよ。</p>
}}
#qanda(2,103)
#qanda_solution(2,103){{
<h4>解答</h4>
<ul>
  <li>真:労働とは何かを「つくる」ことであり、その結果、「つくられたもの」が生じるから、生産である。</li>
  <li>偽:労働とは何かを「つかう」ことであり、その結果、「つかわれたもの」がなくなるから、生産ではない。</li>
</ul>
<h4>解説</h4>
<ul>
  <li>実はこの問題は、労働と生産の定義が不完全で、定義次第で真にも偽にもできそう。</li>
  <li>解答では、二つとも、労働と生産の定義をそれなりに与えているが、「労働とは...」まで考えずに、日常用語で通用するのだから、あえて定義などせずに答えようとした人もいると思う。</li>
</ul>
}}

**生産 [#z511ea37]

#qanda_set_qst(2,104,0){{
<p>問題2-102 の解答における「生産」の定義は共通している。</p>
<p>どのように定義されているか、明示せよ。</p>
}}
#qanda(2,104)
#qanda_solution(2,104){{
<h4>解答</h4>
<ul>
  <li>「生じる」ならば生産。「なくなれる」なら消費。</li>
  <li>結果においてふえていれば生産。</li>
</ul>
<h4>解説</h4>
<ul>
  <li>「生産」という用語は、日常用語では極めて曖昧につかわれている。</li>
  <li>「ふえる」という基準が意識されないことが多い。</li>
  <li>「生じている」という結果だけみて、「生産」だといってしまう人が多い。</li>
  <li>でも「つくる」→「生じる」と、「ふえる」は違うのだ。</li>
</ul>
}}

#qanda_set_qst(2,105,0){{
<p>問題2-102 の解答における「生産」の定義は共通している。</p>
<p>どのように定義されているか、明示せよ。</p>
}}
#qanda(2,105)
#qanda_solution(2,105){{
<h4>解答</h4>
<ul>
  <li>「生じる」ならば生産。「なくなれる」なら消費。</li>
  <li>結果においてふえていれば生産。</li>
</ul>
<h4>解説</h4>
<ul>
  <li>「生産」という用語は、日常用語では極めて曖昧につかわれている。</li>
  <li>「ふえる」という基準が意識されないことが多い。</li>
  <li>「生じている」という結果だけみて、「生産」だといってしまう人が多い。</li>
  <li>でも「つくる→生じる」と、「ふえる」は違うのだ。</li>
</ul>
}}
-問題2-105,106 は104と重複していたため、削除。

#qanda_set_qst(2,106,0){{
<p>問題2-102 の解答における「生産」の定義は共通している。</p>
<p>どのように定義されているか、明示せよ。</p>
}}
#qanda(2,106)
#qanda_solution(2,106){{
<h4>解答</h4>
<ul>
  <li>「生じる」ならば生産。「なくなれる」なら消費。</li>
  <li>結果においてふえていれば生産。</li>
</ul>
<h4>解説</h4>
<ul>
  <li>「生産」という用語は、日常用語では極めて曖昧につかわれている。</li>
  <li>「ふえる」という基準が意識されないことが多い。</li>
  <li>「生じている」という結果だけみて、「生産」だといってしまう人が多い。</li>
  <li>でも「つくる→生じる」と、「ふえる」は違うのだ。</li>
</ul>
}}

#qanda_set_qst(2,107,0){{
<p>「つくる」と「ふえる」の違いは?</p>
}}
#qanda(2,107)
#qanda_solution(2,107){{
<h4>解答</h4>
<ul>
  <li>「つくる」というのは、何かAを何かBにする(させる) make こと。</li>
  <li>AがへってBがふえる。トータルでふえている(B−A>0)とき、結果において「ふえた」といえる。</li>
</ul>
<h4>解説</h4>
<ul>
  <li>「生産」は一つのプロセスだ。</li>
  <li>出発点A→結果Bであり、Bだけみて生産ということはできない。</li>
  <li>「つくる」というのは、結果だけみていえる(かもしれない)。</li>
</ul>
}}

#qanda_set_qst(2,108,0){{
<p>あるモノが、ふえたかどうか、増加したどうかが、いえるためには、(A)ことができなくてはならない。</p>
<p>まわりをみまわしてみると、世の中、(A)ものと(A)ことができないものに分かれているのようだ。</p>
<p>(A)に入る動詞は?</p>
}}
#qanda(2,108)
#qanda_solution(2,108){{
<h4>解答</h4>
<ul>
  <li>「はかる」「かぞえる」</li>
  <li>「計量できる」「量をもつ」</li>
</ul>
<h4>解説</h4>
<ul>
  <li>計量できるものをカタカナで「モノ」とよぶことにする。</li>
  <li>定義:「生産」:=モノの量がふえる過程。「消費」:=モノの量がふえる過程。</li>
  <li>変わらないときは、いちおう「生産」にいれておく。</li>
  <li>これで、生産と消費は重なりをもたない。生産でなければ消費。消費でなければ生産。</li>
</ul>
}}

#qanda_set_qst(2,109,0){{
  <li>「モノ」は目に見えるとか、あるいは手で触れるとかできる対象、つまり「知覚」の対象である。</li>
  <li>真か偽か。理由を述べよ。</li>
<li>「モノ」は目に見えるとか、あるいは手で触れるとかできる対象、つまり「知覚」の対象である。</li>
<li>真か偽か。理由を述べよ。</li>
}}
#qanda(2,109)
#qanda_solution(2,109){{
<h4>解答</h4>
<ul>
  <li>偽</li>
  <li>電気や磁気のように「知覚」できない対象でもその量を計測することはできるから。</li>
</ul>
<h4>解説</h4>
<ul>
  <li>この問題は、考えるとけっこうむずかしい。</li>
  <li>たとえば食べ物の「うまさ」ははかれるか?味覚という感覚で捉えられるのだけど...これは「計量できない」。肉の重さははかれるが、肉のうまさははかれない。なぜなら、はかるというのは(P)という条件を満たさなければならないからだ。</li>
  <li>たとえば食べ物の「うまさ」ははかれるか?味覚という感覚で捉えられるのだけど...これは「計量できない」。肉の重さははかれるが、肉のうまさははかれない。なぜなら、はかるというのは(P)という条件を満たさなければならないからだ。
  </li>
  <li>別の問題ですが、電流も「モノ」。じゃ、エネルギーは?</li>
  <li>「エネルギーを生産する」?この問題は、このあと「自然」環境の話しをするときまで、おあずけにします。</li>
  <li>「物質を生産する」?これはどうだろう。</li>
  <li>「情報を生産する」?「情報産業」ってていうくらいだから、情報だって生産されているのじゃない?</li>
  <br>
  <li>「生産」の定義が、けっこうむずかしいのがわかったでしょうか。</li>
  <li>実は、「生産」:=モノの量がふえる過程 ではすまない問題がある。</li>
  <li>「ミルクでバターをつくる。」「小麦粉でパンをつくる。」このとき、どうやって「ふえた」かどうか、調べたらよいのか?</li>
  <li>「パンとハムでサンドイッチをつくる。」パン2枚+ハム1枚<サンドイッチ1つ?足せません。</li>
  <br>
  <li>こうした問題には、あとで「社会的再生産」という概念をつかって、ちゃんと応えます。</li>
  <li>今回は一口に「生産」といっても、厳密に定義するのはけっこう面倒なのだ、ということがわかればOKです。</li>
  <li>ということで、さしあたり「小麦の種を播いて小麦の種を収穫する」というようなプロセスを想定して、この場合に妥当する「生産」「消費」の定義を与えておきます。</li>
  <li>教科書の説明をみておいてください。</li>
  <li>この範囲でわかるのは、労働を直接定義しなくても、生産は定義できる、ということです。</li>
  <li>では、生産とは相対的に独立に考えられる「労働」とはなにか、「労働」の定義のほうを次講では追求してます。</li>
</ul>
}}

#qanda_set_qst(2,110,0){{
<p>今日の講義の内容で、質問があればどうぞ....</p>
}}
#qanda(2,110)


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