東京理科大学 経済学
2023年度 小幡道昭
[
トップ
] [
新規
|
一覧
|
検索
|
最終更新
|
ヘルプ
|
ログイン
]
開始行:
CENTER:[[前回◁>2022年度/冬学期/第12講]]&color(#447C...
#qanda_setstid(2022-12-15 16:10:00,90)
#qanda_who
#qanda_mathjax
------
✔ REC ON&br;
✅ 接続チェック
#qanda_set_qst(13,20,0){{
<p>✔ 接続状態をおしえてください。</p>
}}
#qanda(13,20)
CENTER:&size(25){&color(yellow,navy){ 生産力 };};
//#qanda_points_chart
//#qanda_points_hist
------
#contents
**ネライ [#e1745266]
-単一生産物の世界が大きな経済の抽象化であることを理解する。
-「生産力があがる」とはどういう事態をいうのか、単一生産物...
-パーセント計算の基本を学ぶ。
***この講義の設例 [#gcb1d1d5]
#qanda_raw{{
<div class="mxgraph" style="max-width:100%;border:1px sol...
<script type="text/javascript" src="https://viewer.diagra...
}}
**単一生産物の世界(続き) [#j3d5f8d1]
***大きな経済(補足的な示唆) [#rbcea260]
#qanda_set_qst(13,1,0){{
<p>ここで考えているのは、たとえば日本経済といった大きな世...
<hr>
<p>はじめに、これまで$180_{時間}$としてきた「総労働時間」...
<ol>
<li>総人口が12000万人で、そのうち労働人口(賃金労働者の...
<li>全員が一律に1日8時間労働、週休5日プラス祭日で、年に...
</ol>
<p>年間の総労働時間$L$を求めよ。式も書くこと。</p>
}}
#qanda(13,1)
#qanda_solution(13,1){{
<h4>解答</h4>
$$8\times 250 = 2000時間$$
$$ 2000 \times 5000万 = 1000億時間 = 1.0 \times 10^{11}$$
}}
#qanda_set_qst(13,2,0){{
<p><a href="https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_l...
<p>ただし、これには固定資本減耗分が$100兆円$程度含まれて...
<p>総労働時間が1000億時間であるとすると、1時間あたり、何...
}}
#qanda(13,2)
#qanda_solution(13,2){{
<h4>解答</h4>
$$450兆円=4.5 \times 10^{14}円$$
$$450兆円/1000億時間 = 4.5 \times 10^{14} /1.0 \times 1...
}}
#qanda_set_qst(13,3,0){{
<p>賃金率が一律$3000円$だとすると、賃金所得の総額はいくら...
}}
#qanda(13,3)
#qanda_solution(13,3){{
<h4>解答</h4>
$$3000_{円/時間}\times 1000億時間 = 300兆円$$
}}
#qanda_set_qst(13,4,0){{
<p>純生産物のうち何パーセントを労働者は受けとっていること...
}}
#qanda(13,4)
#qanda_solution(13,4){{
<h4>解答</h4>
$$300/450 = 2/3 \fallingdotseq 0.666$$
$$約 67\%$$
}}
#qanda_set_qst(13,5,0){{
<p>GNPから資本減耗を控除した$450兆円$はフローの額か、スト...
<p>フローとストックを定義して答えよ。</p>
}}
#qanda(13,5)
#qanda_solution(13,5){{
<h4>解答</h4>
<p>ストックは、ある一時点において実際に存在する商品およ...
<p>いずれもフローである。</p>
<h4>解説</h4>
<p>販売価格のうち、原材料費が占める割合を5割だとすると...
<p>したがって
$$小麦120_{トン} + 労働 180_{時間} \longrightarrow 小...
は
$$450_{兆円} + 労働 1000_{億時間} \longrightarrow 900...
というイメージになる。
</p>
<hr>
<p>注意1:講義の説例は1回の生産を意味しているので、フロ...
<p>注意2:GNPはいろいろな種類の商品で構成されているが、...
$$450/p_{?} + 労働 1000_{億時間} \longrightarrow 900/p_...
のように、小麦の例により近くなる。</p>
<p>しかし、この実物$Y$は正体不明。</p>
<p>価格ベースのGNPを「物価」$p$で割って求めた計算値。$p...
<p>異なる商品を集計するための「相対価格の決定理論」を内...
<p>マルクス経済学は、価格決定理論をベースに集計した全体...
}}
***生産力 [#c1523042]
#qanda_set_qst(13,6,0){{
<p>「生産力が上昇した」とか「下落した」とか、よく耳にする...
<p>しかし、具体的にはどういう事態をいうのか。</p>
<p>この講義の今までの内容との整合性を考えたとき、次のケー...
<ol>
<li>$小麦120_{トン} + 労働 180_{時間} \longrightarrow ...
<li>小麦の価格が$900_{円/トン}$</li>
<li>時給が$450_{円/時間}$</li>
</ol>
<p>100 -> 200, 300->400 ...など(必要最低限な範囲で複数可...
}}
#qanda(13,6)
#qanda_solution(13,6){{
<h4>解答</h4>
<ol>
<li>$小麦120_{トン} \to 小麦160_{トン}$</li>
<li>$小麦240_{トン} \to 小麦320_{トン}$</li>
</ol>
<h4>解説</h4>
<ul>
<li>「生産力」という用語は多義的に用いられている。明...
<li>しかし、ここまでの「講義内容」を前提にすると、す...
<hr>
<li>ということで、うえの「解答」は「たとえば」の一例...
<li>基本的に期待しているのは、労働 $180_{時間}$で播か...
<li>その結果、小麦の粗生産量が増大するケース。</li>
<li>一定時間に加工できる原材料が増え、その結果、粗生...
<li>無論、小麦の粗生産量だけが増大するケースが増大す...
<li>ただ、賃金率や価格を変更したものは不可。</li>
</ul>
}}
#qanda_set_qst(13,7,0){{
<p>次の4つのケースについて、小麦$1_{トン}$の生産に必要な...
$$小麦160_{トン} + 労働 180_{時間} \longrightarrow 小麦32...
$$小麦120_{トン} + 労働 180_{時間} \longrightarrow 小麦32...
$$小麦90_{トン} + 労働 180_{時間} \longrightarrow 小麦240...
$$小麦120_{トン} + 労働 150_{時間} \longrightarrow 小麦24...
}}
#qanda(13,7)
#qanda_solution(13,7){{
<h4>解答</h4>
$$180_{時間}/(320_{トン}-160_{トン})=1.125_{時間/トン}$$
$$180_{時間}/(320_{トン}-120_{トン})=0.9_{時間/トン}$$
$$180_{時間}/(240_{トン}-90_{トン})=1.2_{時間/トン}$$
$$150_{時間}/(240_{トン}-120_{トン})=1.25_{時間/トン}$$
<h4>解説</h4>
<p></p>
$$A+L \longrightarrow B$$
<p>問題の4つのケースは次のように整理される。</p>
<ol>
<li>$B/A \to,\quad L/A \searrow,\quad L/B \searrow$</...
<li>$B/A \nearrow,\quad L/A \to,\quad L/B \searrow$</...
<li>$B/A \nearrow,\quad L/A \nearrow,\quad L/B \to$</...
<li>$B/A \to,\quad L/A \nearrow,\quad L/B \to$</li>
</ol>
<hr>
$$ At + L = Bt$$
$$\therefore\quad \displaystyle t = \frac{L}{B-A} = \fr...
}}
#qanda_set_qst(13,8,0){{
<p>ケース1:</p>
<ol>
<li>$小麦120_{トン} + 労働 180_{時間} \longrightarrow...
<li>小麦の価格が$900_{円/トン}$</li>
<li>時給が$450_{円/時間}$</li>
</ol>
<p>ケース2:</p>
<ol>
<li>$小麦160_{トン} + 労働 180_{時間} \longrightarrow...
<li>小麦の価格が$900_{円/トン}$</li>
<li>時給が$450_{円/時間}$</li>
</ol>
<p>ケース1からケース2に移ったとき(生産力がアップしたと...
}}
#qanda(13,8)
#qanda_solution(13,8){{
<h4>解答</h4>
<p>$ケース1:(900/450)(120/180)-1=2\times 3/2-1=1/3 \fa...
<p>$ケース2:(900/450)(160/180)-1=2\times 9/8-1=7/9\fal...
<p>したがって分配率は、約$44$パーセントポイント、資本家...
<h4>解説</h4>
<p>分配率を決める式は</p>
$$\displaystyle m = \frac{p/w -t}{t} =\frac{p}{w}\tim...
=\frac{p}{wt} -1$$
<p>最後の式は$\displaystyle\frac{小麦価格}{貨幣賃金額}-...
<hr>
<h5>パーセントとポイント</h5>
<ul>
<li>なお、$44$「パーセント」上昇するのではなく、$44$...
<li>経済現象に関して、しばしばパーセントの差を計算す...
<li>$5\%$から$8\%$でも、$95\%$から$98\%$でも、「$3$ポ...
<li>しかし、$108/105\fallingdotseq 1.02857143$ですが...
<li>だから「毎年$3$ポイントの成長をキープしている」と...
<li>$103/100=1.03$ですから、$100\% \to 103\%$ のとき...
<li>要するに基準値に近い数ポイントのところで、概数と...
</ul>
}}
#qanda_set_qst(13,9,0){{
<p>ケース1:</p>
<ol>
<li>$小麦120_{トン} + 労働 180_{時間} \longrightarrow...
<li>小麦の価格が$900_{円/トン}$</li>
<li>時給が$450_{円/時間}$</li>
</ol>
<p>ケース2:</p>
<ol>
<li>$小麦160_{トン} + 労働 180_{時間} \longrightarrow...
<li>小麦の価格が$900_{円/トン}$</li>
<li>時給が$w_{円/時間}$</li>
</ol>
<p>ケース1からケース2になったとき、分配率が変化しないよ...
}}
#qanda(13,9)
#qanda_solution(13,9){{
<h4>解答</h4>
$$\frac{900}{450}\times\frac{240-120}{180} -1= \frac{90...
$$ w = 600$$
<h4>解説</h4>
<ul>
<p>$p$が一定なのだから、実質賃金額$(tw)/p$を同じに維...
$$\displaystyle \frac{180/(240-120)}{180/(340-160)}\t...
より$w=600$を求めてもよ。</p>
</ul>
}}
#qanda_set_qst(13,10,0){{
<p>生産力が上昇し「生産に必要な労働時間」が5パーセント減...
<p>このとき、分配率が変わらないようにするには、実質賃金率...
<p>真か偽か、理由を述べよ。</p>
}}
#qanda(13,10)
#qanda_solution(13,10){{
<h4>解答</h4>
<ul>
<li>概数として考えれば真。</li>
<li>厳密にいえば偽。</li>
<li>分配率は「生産に必要な労働時間」と「購買に必要な...
<li>実質賃金率が5パーセント上昇すれば、その逆数である...
</ul>
<h4>解説</h4>
<ul>
<li>分配率は$$\displaystyle m = \frac{p/w}{t} - 1$$</li>
<li>したがって、「実質賃金率$w/p$」の逆数$p/w$ と「生産...
$$\displaystyle\frac{p/w}{t}$$
が一定なら$m$ も一定。</li>
<li>解答の <span style="color:red">約</span> と <span s...
</ul>
<h5>逆数の変化率</h5>
<ul>
<li>「ある数が$r\%$増加すれば、その逆数は$r\%$減少す...
<li>$$a \to a(1+r) \Longrightarrow 1/a \to (1/a)(1-r)...
<li>$$\frac{1/(a(1+r))}{1/a}=\frac{1}{1+r}=\frac{1-r}...
<li>$r^2$ は $r$ に比べてずっと小さくなるのでゼロと見...
<li>5パーセントの増大で$1.05$になった数の逆数は$1/1.0...
<li>因みに無視した$r^2=0.05^2=0.0025$を考慮して補正し...
<li>逆数の減少率は、もとの数の増加率より、若干大きく...
</ul>
<h5>商の伸び率 $\fallingdotseq$ 分子の伸び率 - 分母の伸...
<ul>
<li>商$(a/b)$の変化率は、変化率が小さいところでは、分子...
<li>一般に$\displaystyle\frac{a}{b}$で微少な増量を$\Del...
$$\displaystyle \frac{(b+\Delta b)/(a+\Delta a)- (b/a)}...
=\frac{a(b+\Delta b) -b(a+\Delta a)}{a(a+\Delta a)}\tim...
=\frac{a\Delta b - b\Delta a}{(a+\Delta a)b}
=\frac{\Delta b/b -\Delta a/a}{1+\Delta a/a}
\fallingdotseq \Delta b/b -\Delta a/a$$
<li>たとえば$$ 20/10 \to 26/11$$ になったとする。分子が...
<li>しかし、$$\frac{26/11}{20/10} = 1.18181818$$ である...
<li>これは分母の$\Delta a/a = 0.1$を無視したことによる...
<li>つまり$\Delta a/a$ がゼロに近いときは、$b/a$の増加...
<li>...ということで、$5\%$を小さいとみれば概数で、生産...
</ul>
<h5>積の伸び率 $\fallingdotseq$ 項の伸び率の和</h5>
<ul>
<li>因みに積全体のパーセント変化が、各項のパーセントの...
$$\displaystyle \frac{(a+\Delta a)(b+\Delta b)(a+\Delta...
=\frac{ab+a\Delta b + b\Delta a + \Delta a\Delta b -ab}...
=\frac{a\Delta b + b\Delta a + \Delta a\Delta b}{ab}
\fallingdotseq \frac{\Delta a}{a} + \frac{\Delta b}{b}$$
<li>これは$\displaystyle\frac{\Delta a\Delta b}{ab}=(\f...
<li>一次の$\Delta$ をゼロの見なした商の場合より、二次の...
<li>これを拡張すると$$\displaystyle \frac{\Delta abc\cd...
</ul>
}}
#qanda_set_qst(13,11,0){{
<p>「労働者の所得が3パーセント伸び、資本家の所得が2パーセ...
<p>真か偽か、理由を述べよ。</p>
}}
#qanda(13,11)
#qanda_solution(13,11){{
<h4>解答</h4>
<ul>
<li>偽</li>
<li>総所得=労働者の所得+資本家の所得。積とは違い、...
<li>労働者の所得が総所得に占める割合が小さければ、そ...
<li>総所得に占めるそれぞれの所得の比率でウエートづけ...
</ul>
<h4>解説</h4>
<ul>
<li>$$A=B+C \longrightarrow A(1+ \Delta A/A) = B(1+ \...
$$\frac{\Delta A}{A} = \frac{B}{A}\times\frac{\Delta ...
<li>和のときには、それぞれの伸び率パーセントに、各項...
</ul>
}}
#qanda_set_qst(13,21,0){{
<p>ここまでの内容で、質問があればどうぞ。</p>
}}
#qanda(13,21)
終了行:
CENTER:[[前回◁>2022年度/冬学期/第12講]]&color(#447C...
#qanda_setstid(2022-12-15 16:10:00,90)
#qanda_who
#qanda_mathjax
------
✔ REC ON&br;
✅ 接続チェック
#qanda_set_qst(13,20,0){{
<p>✔ 接続状態をおしえてください。</p>
}}
#qanda(13,20)
CENTER:&size(25){&color(yellow,navy){ 生産力 };};
//#qanda_points_chart
//#qanda_points_hist
------
#contents
**ネライ [#e1745266]
-単一生産物の世界が大きな経済の抽象化であることを理解する。
-「生産力があがる」とはどういう事態をいうのか、単一生産物...
-パーセント計算の基本を学ぶ。
***この講義の設例 [#gcb1d1d5]
#qanda_raw{{
<div class="mxgraph" style="max-width:100%;border:1px sol...
<script type="text/javascript" src="https://viewer.diagra...
}}
**単一生産物の世界(続き) [#j3d5f8d1]
***大きな経済(補足的な示唆) [#rbcea260]
#qanda_set_qst(13,1,0){{
<p>ここで考えているのは、たとえば日本経済といった大きな世...
<hr>
<p>はじめに、これまで$180_{時間}$としてきた「総労働時間」...
<ol>
<li>総人口が12000万人で、そのうち労働人口(賃金労働者の...
<li>全員が一律に1日8時間労働、週休5日プラス祭日で、年に...
</ol>
<p>年間の総労働時間$L$を求めよ。式も書くこと。</p>
}}
#qanda(13,1)
#qanda_solution(13,1){{
<h4>解答</h4>
$$8\times 250 = 2000時間$$
$$ 2000 \times 5000万 = 1000億時間 = 1.0 \times 10^{11}$$
}}
#qanda_set_qst(13,2,0){{
<p><a href="https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_l...
<p>ただし、これには固定資本減耗分が$100兆円$程度含まれて...
<p>総労働時間が1000億時間であるとすると、1時間あたり、何...
}}
#qanda(13,2)
#qanda_solution(13,2){{
<h4>解答</h4>
$$450兆円=4.5 \times 10^{14}円$$
$$450兆円/1000億時間 = 4.5 \times 10^{14} /1.0 \times 1...
}}
#qanda_set_qst(13,3,0){{
<p>賃金率が一律$3000円$だとすると、賃金所得の総額はいくら...
}}
#qanda(13,3)
#qanda_solution(13,3){{
<h4>解答</h4>
$$3000_{円/時間}\times 1000億時間 = 300兆円$$
}}
#qanda_set_qst(13,4,0){{
<p>純生産物のうち何パーセントを労働者は受けとっていること...
}}
#qanda(13,4)
#qanda_solution(13,4){{
<h4>解答</h4>
$$300/450 = 2/3 \fallingdotseq 0.666$$
$$約 67\%$$
}}
#qanda_set_qst(13,5,0){{
<p>GNPから資本減耗を控除した$450兆円$はフローの額か、スト...
<p>フローとストックを定義して答えよ。</p>
}}
#qanda(13,5)
#qanda_solution(13,5){{
<h4>解答</h4>
<p>ストックは、ある一時点において実際に存在する商品およ...
<p>いずれもフローである。</p>
<h4>解説</h4>
<p>販売価格のうち、原材料費が占める割合を5割だとすると...
<p>したがって
$$小麦120_{トン} + 労働 180_{時間} \longrightarrow 小...
は
$$450_{兆円} + 労働 1000_{億時間} \longrightarrow 900...
というイメージになる。
</p>
<hr>
<p>注意1:講義の説例は1回の生産を意味しているので、フロ...
<p>注意2:GNPはいろいろな種類の商品で構成されているが、...
$$450/p_{?} + 労働 1000_{億時間} \longrightarrow 900/p_...
のように、小麦の例により近くなる。</p>
<p>しかし、この実物$Y$は正体不明。</p>
<p>価格ベースのGNPを「物価」$p$で割って求めた計算値。$p...
<p>異なる商品を集計するための「相対価格の決定理論」を内...
<p>マルクス経済学は、価格決定理論をベースに集計した全体...
}}
***生産力 [#c1523042]
#qanda_set_qst(13,6,0){{
<p>「生産力が上昇した」とか「下落した」とか、よく耳にする...
<p>しかし、具体的にはどういう事態をいうのか。</p>
<p>この講義の今までの内容との整合性を考えたとき、次のケー...
<ol>
<li>$小麦120_{トン} + 労働 180_{時間} \longrightarrow ...
<li>小麦の価格が$900_{円/トン}$</li>
<li>時給が$450_{円/時間}$</li>
</ol>
<p>100 -> 200, 300->400 ...など(必要最低限な範囲で複数可...
}}
#qanda(13,6)
#qanda_solution(13,6){{
<h4>解答</h4>
<ol>
<li>$小麦120_{トン} \to 小麦160_{トン}$</li>
<li>$小麦240_{トン} \to 小麦320_{トン}$</li>
</ol>
<h4>解説</h4>
<ul>
<li>「生産力」という用語は多義的に用いられている。明...
<li>しかし、ここまでの「講義内容」を前提にすると、す...
<hr>
<li>ということで、うえの「解答」は「たとえば」の一例...
<li>基本的に期待しているのは、労働 $180_{時間}$で播か...
<li>その結果、小麦の粗生産量が増大するケース。</li>
<li>一定時間に加工できる原材料が増え、その結果、粗生...
<li>無論、小麦の粗生産量だけが増大するケースが増大す...
<li>ただ、賃金率や価格を変更したものは不可。</li>
</ul>
}}
#qanda_set_qst(13,7,0){{
<p>次の4つのケースについて、小麦$1_{トン}$の生産に必要な...
$$小麦160_{トン} + 労働 180_{時間} \longrightarrow 小麦32...
$$小麦120_{トン} + 労働 180_{時間} \longrightarrow 小麦32...
$$小麦90_{トン} + 労働 180_{時間} \longrightarrow 小麦240...
$$小麦120_{トン} + 労働 150_{時間} \longrightarrow 小麦24...
}}
#qanda(13,7)
#qanda_solution(13,7){{
<h4>解答</h4>
$$180_{時間}/(320_{トン}-160_{トン})=1.125_{時間/トン}$$
$$180_{時間}/(320_{トン}-120_{トン})=0.9_{時間/トン}$$
$$180_{時間}/(240_{トン}-90_{トン})=1.2_{時間/トン}$$
$$150_{時間}/(240_{トン}-120_{トン})=1.25_{時間/トン}$$
<h4>解説</h4>
<p></p>
$$A+L \longrightarrow B$$
<p>問題の4つのケースは次のように整理される。</p>
<ol>
<li>$B/A \to,\quad L/A \searrow,\quad L/B \searrow$</...
<li>$B/A \nearrow,\quad L/A \to,\quad L/B \searrow$</...
<li>$B/A \nearrow,\quad L/A \nearrow,\quad L/B \to$</...
<li>$B/A \to,\quad L/A \nearrow,\quad L/B \to$</li>
</ol>
<hr>
$$ At + L = Bt$$
$$\therefore\quad \displaystyle t = \frac{L}{B-A} = \fr...
}}
#qanda_set_qst(13,8,0){{
<p>ケース1:</p>
<ol>
<li>$小麦120_{トン} + 労働 180_{時間} \longrightarrow...
<li>小麦の価格が$900_{円/トン}$</li>
<li>時給が$450_{円/時間}$</li>
</ol>
<p>ケース2:</p>
<ol>
<li>$小麦160_{トン} + 労働 180_{時間} \longrightarrow...
<li>小麦の価格が$900_{円/トン}$</li>
<li>時給が$450_{円/時間}$</li>
</ol>
<p>ケース1からケース2に移ったとき(生産力がアップしたと...
}}
#qanda(13,8)
#qanda_solution(13,8){{
<h4>解答</h4>
<p>$ケース1:(900/450)(120/180)-1=2\times 3/2-1=1/3 \fa...
<p>$ケース2:(900/450)(160/180)-1=2\times 9/8-1=7/9\fal...
<p>したがって分配率は、約$44$パーセントポイント、資本家...
<h4>解説</h4>
<p>分配率を決める式は</p>
$$\displaystyle m = \frac{p/w -t}{t} =\frac{p}{w}\tim...
=\frac{p}{wt} -1$$
<p>最後の式は$\displaystyle\frac{小麦価格}{貨幣賃金額}-...
<hr>
<h5>パーセントとポイント</h5>
<ul>
<li>なお、$44$「パーセント」上昇するのではなく、$44$...
<li>経済現象に関して、しばしばパーセントの差を計算す...
<li>$5\%$から$8\%$でも、$95\%$から$98\%$でも、「$3$ポ...
<li>しかし、$108/105\fallingdotseq 1.02857143$ですが...
<li>だから「毎年$3$ポイントの成長をキープしている」と...
<li>$103/100=1.03$ですから、$100\% \to 103\%$ のとき...
<li>要するに基準値に近い数ポイントのところで、概数と...
</ul>
}}
#qanda_set_qst(13,9,0){{
<p>ケース1:</p>
<ol>
<li>$小麦120_{トン} + 労働 180_{時間} \longrightarrow...
<li>小麦の価格が$900_{円/トン}$</li>
<li>時給が$450_{円/時間}$</li>
</ol>
<p>ケース2:</p>
<ol>
<li>$小麦160_{トン} + 労働 180_{時間} \longrightarrow...
<li>小麦の価格が$900_{円/トン}$</li>
<li>時給が$w_{円/時間}$</li>
</ol>
<p>ケース1からケース2になったとき、分配率が変化しないよ...
}}
#qanda(13,9)
#qanda_solution(13,9){{
<h4>解答</h4>
$$\frac{900}{450}\times\frac{240-120}{180} -1= \frac{90...
$$ w = 600$$
<h4>解説</h4>
<ul>
<p>$p$が一定なのだから、実質賃金額$(tw)/p$を同じに維...
$$\displaystyle \frac{180/(240-120)}{180/(340-160)}\t...
より$w=600$を求めてもよ。</p>
</ul>
}}
#qanda_set_qst(13,10,0){{
<p>生産力が上昇し「生産に必要な労働時間」が5パーセント減...
<p>このとき、分配率が変わらないようにするには、実質賃金率...
<p>真か偽か、理由を述べよ。</p>
}}
#qanda(13,10)
#qanda_solution(13,10){{
<h4>解答</h4>
<ul>
<li>概数として考えれば真。</li>
<li>厳密にいえば偽。</li>
<li>分配率は「生産に必要な労働時間」と「購買に必要な...
<li>実質賃金率が5パーセント上昇すれば、その逆数である...
</ul>
<h4>解説</h4>
<ul>
<li>分配率は$$\displaystyle m = \frac{p/w}{t} - 1$$</li>
<li>したがって、「実質賃金率$w/p$」の逆数$p/w$ と「生産...
$$\displaystyle\frac{p/w}{t}$$
が一定なら$m$ も一定。</li>
<li>解答の <span style="color:red">約</span> と <span s...
</ul>
<h5>逆数の変化率</h5>
<ul>
<li>「ある数が$r\%$増加すれば、その逆数は$r\%$減少す...
<li>$$a \to a(1+r) \Longrightarrow 1/a \to (1/a)(1-r)...
<li>$$\frac{1/(a(1+r))}{1/a}=\frac{1}{1+r}=\frac{1-r}...
<li>$r^2$ は $r$ に比べてずっと小さくなるのでゼロと見...
<li>5パーセントの増大で$1.05$になった数の逆数は$1/1.0...
<li>因みに無視した$r^2=0.05^2=0.0025$を考慮して補正し...
<li>逆数の減少率は、もとの数の増加率より、若干大きく...
</ul>
<h5>商の伸び率 $\fallingdotseq$ 分子の伸び率 - 分母の伸...
<ul>
<li>商$(a/b)$の変化率は、変化率が小さいところでは、分子...
<li>一般に$\displaystyle\frac{a}{b}$で微少な増量を$\Del...
$$\displaystyle \frac{(b+\Delta b)/(a+\Delta a)- (b/a)}...
=\frac{a(b+\Delta b) -b(a+\Delta a)}{a(a+\Delta a)}\tim...
=\frac{a\Delta b - b\Delta a}{(a+\Delta a)b}
=\frac{\Delta b/b -\Delta a/a}{1+\Delta a/a}
\fallingdotseq \Delta b/b -\Delta a/a$$
<li>たとえば$$ 20/10 \to 26/11$$ になったとする。分子が...
<li>しかし、$$\frac{26/11}{20/10} = 1.18181818$$ である...
<li>これは分母の$\Delta a/a = 0.1$を無視したことによる...
<li>つまり$\Delta a/a$ がゼロに近いときは、$b/a$の増加...
<li>...ということで、$5\%$を小さいとみれば概数で、生産...
</ul>
<h5>積の伸び率 $\fallingdotseq$ 項の伸び率の和</h5>
<ul>
<li>因みに積全体のパーセント変化が、各項のパーセントの...
$$\displaystyle \frac{(a+\Delta a)(b+\Delta b)(a+\Delta...
=\frac{ab+a\Delta b + b\Delta a + \Delta a\Delta b -ab}...
=\frac{a\Delta b + b\Delta a + \Delta a\Delta b}{ab}
\fallingdotseq \frac{\Delta a}{a} + \frac{\Delta b}{b}$$
<li>これは$\displaystyle\frac{\Delta a\Delta b}{ab}=(\f...
<li>一次の$\Delta$ をゼロの見なした商の場合より、二次の...
<li>これを拡張すると$$\displaystyle \frac{\Delta abc\cd...
</ul>
}}
#qanda_set_qst(13,11,0){{
<p>「労働者の所得が3パーセント伸び、資本家の所得が2パーセ...
<p>真か偽か、理由を述べよ。</p>
}}
#qanda(13,11)
#qanda_solution(13,11){{
<h4>解答</h4>
<ul>
<li>偽</li>
<li>総所得=労働者の所得+資本家の所得。積とは違い、...
<li>労働者の所得が総所得に占める割合が小さければ、そ...
<li>総所得に占めるそれぞれの所得の比率でウエートづけ...
</ul>
<h4>解説</h4>
<ul>
<li>$$A=B+C \longrightarrow A(1+ \Delta A/A) = B(1+ \...
$$\frac{\Delta A}{A} = \frac{B}{A}\times\frac{\Delta ...
<li>和のときには、それぞれの伸び率パーセントに、各項...
</ul>
}}
#qanda_set_qst(13,21,0){{
<p>ここまでの内容で、質問があればどうぞ。</p>
}}
#qanda(13,21)
ページ名: