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問題 1-20
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問題 1-21
最近の経済ニュースで、いまあなたの記憶にいちばん残っているのなんですか?
そのニュースのどんなところに興味を覚えましたか?
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経済学
▶日本の経済学教育
▼日本の経済学教育
- 社会を対象とする学問の一つ。「社会科学」
- 経済学部/学科
- 経済理論(経済学史はほぼ経済理論史)
- 労働経済、農業経済、国際経済、環境経済、金融、財政(制度論・政府の政策)etc.、日本経済、アメリカ経済、地域経済...
- 経済史
- 経営学部/学科 商学部/商業学科
- 統計学:経済学にかぎらず広く使われる手法
経済理論
▶経済学における理論の優位
▼経済学における理論の優位
- 他の社会科学に比較すると、「理論」の優位が伝統的に維持されてきた.... 最近は崩れつつあるようだが...
- ユークリッドの幾何学原理、ニュートンのプリンピキアを模範とする if A then B 論理演繹的学問が18世紀から広くおこなわれるようになる。
- 二つの流れがある。そして、今また別の方向に...
▶第一の流れ
▼第一の流れ
- 政治学>「経済学」オイコノミーのもともとの意味は オイコス+ノモス 家政学。
- 17,8世紀、為政者が「一国」全体を「一家」のようにマネイジする、いわば
経済「術」技術の術です。「術」の対をなす一字は...? political economy として普及。
問題 1-1
「理学」と「工学」の違いを簡単に教えてください。
経済学の始まりは、「理学的」「工学的」?どっちになるでしょうか?
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解答と解説 1-2工学的
ただし、「もし「理学的」:「工学的」= why : how ならば...」
解説
人間の知識の形成過程は、How → Why
Because が自立することで「科学」に。
Why → How として「科学技術」=「工学」へ。
工学が大学の科目になるのは、理学( natural philosophy として「哲学」に含まれていた)のあと。
経済学が大学で講義されるようになったのも、工学に前後する時期。それまでは moral philosopy や法学に含まれていた。
▶How から Why へ
▼How から Why へ
- 初期の経済学:重商主義
- 一国の富をふやす手段として、対外貿易を重視:重商主義
- 部分の寄せ集めとしてではなく、社会「全体」を捉えようとする傾向。
- はじめは人体モデル。有機的な身体の類推で社会を捉える。
- 初期の経済学者には医者も。フランソワ・ケネー重農学派。
- 経済学の確立:古典派経済学
- 18世紀後半、英国では経済全体の「拡大」が問題に。
- 19世紀、さらに、増大した富の分配が中心テーマに。
- マルクス経済学の発展
- 19世紀後半、
「資本主義」ただしこの用語は20世紀になって普及したもの。という認識。歴史上のある時に、あるところで誕生し、発展しながら、やがて限界を迎える経済社会。
- K.Marx の主著のタイトルは?
- この流れの特徴は?強いて三つあげれば...
- 個別の寄せ集めに還元できない「全体」像
- 社会的な生産構造→市場:循環構造
- 長期の発展過程・不連続な変化・歴史的段階・構造変化
▶第二の流れ
▼第二の流れ
- Economics という発想。
- 19世紀末、ニュートン物理学のつくりだす不変的な世界観で、経済現象を記述する動き。
- 実は、時代はもう、こういう世界観を超えはじめていたが....
- ニュートン物理学の市場への応用:第一の流れを批判するかたちで台頭し、今日では主流のミクロ経済学に。
- 微分可能な連続関数が、需要と供給をそれぞれ独立に影響
- 需要と供給の「均衡」という概念。
- 互いに依存する関係を同時に決定される市場。連立方程式の世界。「一般」均衡。
- 20世紀になると、ミクロ経済学を批判するかたちでマクロ経済学が登場。
- しかし、そのための基礎となる「集計」問題を解決できず。価格の決定に関してはミクロ理論に依存。
- ミクロ経済学は、貨幣の存在する市場を理論化できず。「貨幣は?」ときくと「貨幣はマクロ経済学にきけ」と答える。
- 不完全な二組の理論が、もたれ合っているのが現在大学で講義されている経済理論。
- この流れの特徴は?強いて三つあげれば...
- 原子化された「個別」主体
- 個別家計→市場←個別企業
- 連続的変化・成長
▶変調の予感
▼変調の予感
- 演繹理論への反動
- 「抽象理論 → 「複雑な現象」という方法への反省。
- 理論を「応用」するとか「適用」するとかいう発想の限界。
- とくに経済の諸現象は、相互の影響が複雑で強く、部分モデルがつくりにくい。
- そのため実験が困難。
- しかも、対象の構造が変化する性格。
- そのため、ある時期、フィットしても、次の時期にはもうフィットしない。
- その結果、複数のモデルが乱立。その間で一般的な優劣がつかない。
- ところが、近年、
- データ量が激増(情報通信技術とコンピュータサイエンス)
- 統計学の発展(素朴な旧い「帰納論」に変わる、「現象→原因」の確率論的な推測という新しい方法)
のもとで、演繹型理論は劣勢に。純粋理論の終焉?
この講義について
▶特徴は...
▼特徴は...
- 基本は第一の流れの最後でふれた、マルクス経済学の経済原論
- 対象は、生産が市場(資本)によって全面的に処理されるようになった「資本主義経済」
- 方法は、演繹論理(抽象的な想定から、推論によって首尾一貫した体系をつくる)
- 特徴は、全体構造の変容(歴史的な発展をある範囲で可能にしまた不可能にする構造の解明。理論ですべてが決まるのではない。決定論ではなく、変わることを受け入れる骨組みが課題。)
▶この講義を聴けば....
▼この講義を聴けば....
- さまざまな経済現象を考える大きな枠組みがわかる
- 長期の歴史的な発展のなかで、今日の経済を眺め、将来を展望できる
- 論理的思考に強くなる
問題 1-4
生産・分配・消費という「経済」自体は人間社会とともに古くから存在してきた。しかし、この「経済」全般では、演繹的な理論は有効に使えない。それが有効になるには(X)という要素が加わることが不可欠である。
(X)はなにか?なぜそれが加わると、演繹理論が有効になるのか?
1-4 の回答を +
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解答と解説 1-4解答
市場
$ P $ なら必ず $ Q $ になるという関係は、だれか特定の個人の意図で物事が決まらないこと、だれもが対等な立場で行動できることが前提とする。市場では、不特定多数の関係によって、誰かの意図に左右されず、かならず $ P→Q $ という推論が可能となるから。
解説
- 人間の社会が、演繹的な理論の対象になるという驚き
- 個人の行動は意図的なもの、法則に支配されているわけではない。強制されることはあるが、基本的には自由に行動できるはず。
- なのに、なぜ、人間の社会に演繹的法則が作用している(ようにみえる)のか?
- 無数の人間が影響を与えあう場=市場の存在。だれも「意図」しなかった「結果」が生じる。
- この「意図せざる結果」の存在が、本来自由なはずの人間が構成する社会に対して、演繹型理論の適用を可能にする。
- だから経済理論は、「市場」が社会編成の中心になる時代になって、はじめて成立した。
- この条件が満たされた社会が「資本主義」。
- 衣食住に関わる経済活動は、昔からあったが、
- それはそのまま、経済理論の対象になるわけではない。
- この講義の対象は「経済活動」全般ではなく、「資本主義の経済」である。
- 講義用テキストの2頁に「『資本主義とは何か』という問いは、本当に成りたつのだろうか。」という問題がでている。「とはなにか」というのはイカ本の書名によく使われる。余裕があればチョット考えて巻末の「解説」を読んでみよう。さらに、この「解説」の欠陥を自分の言葉でいえるようになればこの講義の目的は完全に達成です。