2010年度/夏学期
現象と本質、内実と表現 †
偶然的変動を伴う交換価値(交換比率)の中に、それとは論理レベルの異なる「内的な、内在的な、固有の交換価値」(K., I, S.51.)を考えたい。(ここまでは、マルクスのテキスト解釈。)
- この関係に、「現象」と「本質」という通念的なフレームワークを当てはめてみても、結局この二つのレイヤーのつながりが分かったことにはならない。
- 「現象」と「本質」という整理はきわめて多義的で、論理的な区別として適当ではない。少なくとも、「本質」がいかにして「現象」するのかはっきりさせる必要があるだろう。
- 交換価値は、ある「内実」を「表現」するものだ、というのでは如何。
貨幣への論理と「内在物」への論理 †
貨幣への論理(横の論理) †
小麦 is A、B、C(拡大された価値形態)→A、B、C is 小麦(一般的価値形態)
「内在物」への論理(縦の論理) †
いろいろある交換価値
↓
どれでもない、「内在物」がある。
- 「ただそれ(交換価値)と区別さるべき内在物」(ibid.)
Ehara