61-63草稿の剰余価値論

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概要

量的区別

これは「同時的労働日」のはなし ... 「結合労働日」der kombinierte Arbeitstag S.348-9

質的な差異

集団力
「騎兵一個中隊の攻撃力または歩兵一個連隊の防御力は、各騎兵および各歩兵によって個々別々に展 関される攻撃力および防御力の合計とは本質的に違っているのであるが、それと同じように、個々別別の労働者の力の機械的な合計は、多数の働き手が、分割されていない同じ作業で同時に働く場合---たとえば、荷物を持ち上げたり、クランクを回したり、障害物を取りのぞいたりしなければなら ないような場合---に展開される社会的力能とは、本質的に違っている。 この場合、結合された労働の効果は、個々別々の労働によっ てはまったく生み出されないか、またははるかに長い時間をかけて ようやく生み出されるか、もしくは小規模でしか生み出されないか、であろう。 ここで問題なのは、協業による個別的生産力の増大だけではなくて、それ自体として集団力である べき生産力の創造である。」
競争心
「多くの力が一つの総力に融合することから生じる新しい力能は別としても、たいていの生産的諸労働の場合には、単なる社会的接触によって、生気(。動物精気。)の独自な興奮と競争心とが生み出され、それらが個々人の個別的作業能力を高めるのであって、その結果、一二人が一緒になれば、一四四時間の同時的な〔共同の〕一労働日で提供する総生産物は、一二人の個々別々の労働者が各自一二O 時間ずつ労働するよりも、または一人の労働者が二一日間続けて労働するよりも、はるかに大きい。 このことは、人聞は生まれながらにして、アリストテレスが考えるように政治的動物ではないとして も、とにかく社会的動物であるということに由来している。」
この箇所で総括
「結合労働日は、それと同じ大きさの、個々別々の個別的労働日の総和と比較すると、より大量の使 用価値を生産し、それゆえ一定の有用効果を生産するのに必要な労働時間を減少させる。一定の場合 に、 結合労働日がこの増大した生産力をもつようになるのが、 労働の力学的力能を高めるからであろ うと、 労働の空間的作用部面を拡大するからであろうと、生産の規模に比べて空間的生産場面をせば めるからであろうと、決定的瞬間に多くの労働をわずかの時間のあいだに流動させるからであろうと 個々人の競争心を刺激して彼らの生気を張りつめるからであろうと、 1 多くの人々の同種の作業に連続性と多面性との刻印を押すからであろうと、 3 異なる作業を同時に行なうからであろうと、 2 共同使用によって生産諸手段を節約するからであろうと、個別的労働に社会的平均労働の性格を与えられるからであろうと --- いずれの場合にも、結合労働日の独特な生産力は、労働の社会的生産力または社会的労働 の生産力である。 それは、 協業そのものから生じる 。 労働者は、他の労働者たちとの計画的協力のなかで、 彼の個人的諸制限を脱して、彼の類的能力を発展きせる。」S.348-9

基本形態としての協業

「協業によって展開される労働の社会的生産力が、資本の生産力として現われるのと同じように、協業そのものも、個別的な独立労働者たち、あるいはまた小親方たちの生産過程に対立する、資本主義的生産過程の独特な形態として現われる。それは、現実的労働過程が資本に包摂されることによって こうむる最初の変化である。この変化は、自然発生的に生じる。この変化の前提、すなわち同じ労働過程において比較的多数の賃労働者が同時に就業することは、資本主義的生産の出発点をなす。この 出発点は、資本そのものの定在と一致する。それゆえ、一方では、資本主義的生産様式が、労働過程を社会的過程へと転化きせる歴史的必然性として現われるとすれば、他方では、労働過程のこの社会的形態は、資本が労働過程の生産力を増大きせ、それによってこの過程をより有利に利用するために 使う一方法として現われる。」 「協業は --- その単純な姿態そのものが、いっそう発展した諸形態とならよ特殊な形態として現われ はするが --- 資本主義的生産様式の基本形態である。」


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