駒澤大学 現代経済事情

2020年度 小幡道昭

訪問者：氏名不詳

講義の概要 †

• 前回、「資本とは...」まではなしたので、その続きで、資本の基本概念の拡充をしてゆきます。
• 到達目標は産業資本（そして資本主義）です。

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「資本の多態化」 †

• 教科書の86頁から
• 多態化 ポリモーフィズムという用語はちょっとむずかしいけれど、考え方はそれほどのことはありません。

  ▶たとえば

  ▼たとえば

  • 同じピカチュウでも、ルビー・サファイア・エメラルドとか、ハートゴールド・ソウルシルバーとか、いろいろな種類になる。
  • プログラムを書くときに、基本的なデータ（属性）や動き方（メソッド）などをきめた一般的なものをまず書いておき、種類ごとにその内容を上書きしてやればよい。
  • 各種類ごとに別々に書くのではなく、共通な仕様を決めておき、この仕様をそれぞれの特性に合わせて実装するのです。

資本も、基本的な枠組み、満たすべき要件は共通でも、実際のもうけ方にはいくつかのやり方があります。

基本的な枠組みのほうは、いま前回のところでみてきたとおりです。もう一回おさらいしておくと...

問題 11-1 まだ出題されていません。

まとめ †

• 極限まで絞り込んでしまえば...

• G--W--G' という個別のマージンをすぐに資本が増えたと考えてしまうのは愚です。

もうけ方 三態 †

１. 安く買ってもうける法 †

• 11.5 は問題文に誤りがありました。
• 「安く売って高く売る」→「安く買って高く売る」
• 回答をみてなんかへんだなと思ったら、こちらの出題ミスでした。
• １３回目の講義で訂正し、「ヒント」の意味を補足しました。

• 売るのに時間がかかるということは、その間、商品を運んだり保管したりするため費用がかかる。
• 売買そのものにも、売買契約を結び、送金や支払を促すなどにも経費がかかる。
• 売買にかかる費用を流通費用という。
  問題 11-6 まだ出題されていません。
  11-6 の回答を 

    +  

   74/76 ...1点以上  97%

  
  

    0 1 2 3 4 5  分

• 売買差額、マージンの総額である粗利益（教科書では粗利潤となっていますが）から、かかった流通費用はキチンとまとめて引いておこう。
• この最後の差額が純利潤である。
• 同じ商品の価格差を利用して増殖する資本を資本を商人資本という。
• 古い時代からずっとあった資本です。

２. 流通費用を節約してもうける法 †

• 結果的には1.の安く買う法と同じだが、
• 販売にかかる経費のほうを節減する方法がある。
  問題 11-7 まだ出題されていません。
  11-7 の回答を 

    +  

   

  
  

    0 1 2 3 4 5  分

• 単純な商品売買をおこなうものは、流通費用に該当する支出をしているが、この計算システムをもたない。見えるのはマージンだけ。
• 資本は、流通費用を利潤の計算システムのなかで流通費用を合理的に管理することができる。
• とはいえ、この資本も、安く買って相場でることで増殖する商人資本である。

３. 安くつくってもうける法 †

• 費用をかけて調べれば、できあがった商品Wを買うチャンスはあるが、
• 商品Ｗがつくられる過程にチャンスを求める手もある。
• Wの原材料を安く仕入れることができれば、それを組み立てることで、同じ完成品Wをもっと安く手に入れることができる。
• 完成品をただ安く買うのではなく、安くつくるかたちで安く買う法である。
• これは費用と収入の枠組みのなかに、原料を買って完成品を売るというかたちで、生産を取りこめることを意味する。
• この資本を商人資本と区別して産業資本とよぶ。
• 産業 industrial という言葉は、異なる意味をもち複雑である。
• ここでは、生産で増殖するという意味で「産業資本」というこの言葉を用いる。