訪問者:氏名不詳
問題 6-20
✔ 接続状態をおしえてください。
✔ 前回学生証番号を登録した人で、今回、「氏名不詳」になっていた人は「再登録」と書いてください。
回答時間を短く制限しているのは、「短い時間に集中して判断を迫ることが、キレのよい論理的思考を身につける捷径だ」いう私の経験則によるものです。テレビの早碁をみたことがありますか。「一手30秒未満でうってください」の世界です。論文を書く場合には、一手に丸一日をかける長考スタイルの思考が必要ですが、それはまた論文を書きながら別個に身につけください。
という方針でやっています。..が、回答時間が短すぎるとストレス感じている人もいるのでは?参考までに意見があればどうぞ。
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分 業
今日の目的
- 協業と区別された分業とはなにか?...ごた混ぜはごめんです。
- 分業はスキルは高めるか?...そもそもスキルがなにか分からない。
分業とは
▶『国富論』の分業
▼『国富論』の分業
- アダム•スミスは,『国富論』のはじめのところでピン生産の仕事場を例にあげ,そこでは,
- 18工程に及ぶ労働を10人が分業でおこなうことにより,1人あたり4800本ほど製造しているが,
- 10人が別々にはたらいたとすると,20本はおろか1本もつくりだせない
であろうといっています。
- 今日でもアパレル産業などでは、労働の現場は分業ベースです。
3 mini
問題 6-1
アダム・スミスは実例で、分業は生産力を高める、と説得してきますが、経済原論を勉強しているみなさんとしては、「なんで、分業は生産力を高める?」とスミス博士に尋ねたくなるハズ。とはいえスミス博士はもういません。代わりに、自分で答えてみてください。
解答と解説 6-1解答
スミス博士は、分業がこのような効率化をもたらすのは,一般に,
- 技能の増進
- 作業転換に要する時間の節約
- 労働を促進•短縮し, 1人で多くの人の仕事ができる機械の発明
によるとまとめています。
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46/67 ...1点以上 69%
スキル
3 mini
問題 6-2
- 技能の増進
- 作業転換に要する時間の節約
- 労働を促進•短縮し, 1人で多くの人の仕事ができる機械の発明
のうち、純粋に作業を「分ける」ことから生まれた効果はどれか。
「わける」とどうして効率が上がるのだろうか。
解答と解説 6-2解答
二番目も三番目も「分ける」こと以外で(も)生じる効果。
一番目のスキルアップがそれらしき理由。たとえば、専門化することで
- マスターすべき対象が限定され、スキルを深められる
- 自分の素質にあった対象に、スキルの内容を限定できる
- .....
から。
解説
二番目は「集まる」ことの効果。三番目は「分ける」と、どうして「機械」の発明にかならずやればやれそうですが。教科書は「自動化効果」としてこの側面を説明しています。121-2ページです。つながるのか、という説明がありません。そしてまた、もし機械が発明されれば、分業による労働もいらなくなるハズ。どうも分業という労働組織が、それ自身、生産力を高めるという説明にはなりそうにありません。
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21/68 ...1点以上 31%
2 mini
問題 6-3
作業を分けそれぞれ得意なことに専門化することになるから、分業が深まれば、それだけ個性的なモノがふえる。
真か偽か、理由を述べよ。
解答と解説 6-3 偽
- 分業は、見ず知らずの他人でも使えるモノをつくるもの、知っているだれかの好みに合わせてつくるわけではない。
- つくられるモノの品種はふえるが、それぞれの品種はみな「規格か」「標準化」され、だれでもつかえるモノになる。ちっとも個性的とはいえないのがあふれるのが現実。
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47/63 ...1点以上 75%
3 mini
問題 6-4
スミス博士以来、どうも「分業」なるものが実例で語られ、ちゃんとした定義が与えられていないため、混乱を生んできたようです。
これまで、人が集まってはたらくのが協業、作業を分けるのが分業だ、と定義しました。
ここでもう一歩ふみこんで考えてみましょう。
「集まる」というのは(A)を媒介に労働が結びつくこと、これとの<対>でいえば、「分ける」ことで労働が結びつくのは(B)を媒介にしてである。
(A)(B)は?
解答と解説 6-4解答
- (A) コミュニケーション 意思疎通 目的
- (B) モノ 労働の結果 労働手段
解説
- 教科書によれば
手順がきちんと整った後は,主体は最終目的のことは忘れて,下位の過程に専念すればよい.入力系の意識のループは内部に向けて閉じ,出力系の制御に集中するわけである.こうして,同じ主体の意識も,下位の過程のなかで分割される.意識の分割は,下位の過程を異なる主体が遂行したとしても,所定のモノが結果として生みだされていれば,最終目的は全体の連鎖を通じて実現される.このように,モノを媒介に,異なる主体の労働力が連鎖する労働組織を分業とよぶ.
そうです。 - さしずめ、協業が「おしゃべり型結合」なら、分業は「だんまり型結合」といったところでしょうか。
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34/65 ...1点以上 52%
2 mini
問題 6-5
労働の成果であるモノを媒介にして、労働と労働が間接的に結びつくのが分業だとすれば、分業のほうが、協業よりずっと広い範囲に及ぶ。
この主張は真か偽か、理由を答えよ。
解答と解説 6-5 解答
- 偽
- たしかに、モノを媒介にれば、遠く離れた人の労働と結びつくことはできますが、
- 情報通信技術の発展は、協業の広がりをつくりだす可能性もたかまってくるから。
- 「集まる」といったって、空間的に一カ所に集まることや、顔を見合わせて手を振ることにかぎりません。もっと抽象的に意味でコミュニケーションができれば「集まる」になるわけです。
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12/63 ...1点以上 19%
▶今回のまとめ
▼今回のまとめ
- 作業を分割することを、分業と定義すると、その効果は限られたものとなる。多くは協業と結びついた派生的な効果である。
- その効果の中心と考えられるのは、技能・スキルの上昇である。
- しかし、分業が広く行きわたった世界では、スキルは労働組織の互換的なパーツとして標準化され、その人にしかできなというタイプの職人芸的なスキルは衰退する。