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 経済学と理論 

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問題 1-20

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経済学とは

  • Web検索で、日本のいろいろな大学の経済学部のカリキュラムをちょっと覗いてみましょう。
問題 1-1

経済学部のカリキュラムを説明したページでは、「経済学」とはなにか?が、どんなふうに説明されていますか。該当するurlも教えてください。

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問題 1-2

「経済学」とは「経済」を対象とする学問だとして、その「経済」とはなにか?についてはどうですか?

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解答と解説 1-2

解説

そもそも「経済とはなにか」について明言しているところもないでしょう。

みんな「経済」とはにかは知っていて、経済学部といえば、その経済を対象とする学問ですよ、というのが暗黙の前提となっているわけです。

でもあらためて尋ねますが、「経済」とは何でしょうか?

こういう問題をだすと、今の人はたいていwebで検索すると思います。こういうコピペですむ「質問」は堕しません。

検索してみてください。もしあえて、ここで問題をだすとすると、「あなたのコピペしようとしたその内容の誤りを指摘せよ」でしょうか?

問題 1-3

どの経済学部のカリキュラムにもコア科目がいくつかあるようですが、それらの名称はなんでしょう?

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解答と解説 1-3

解説

これも採点対象にするような質問ではありなせんが...

だいたいこんなイメージでしょうか。

  • 経済学部/学科
    • 一般的な経済理論(経済学史はほぼ経済理論史)
    • 特定の分野を対象に:労働経済、農業経済、国際経済、環境経済、金融、財政 etc.、日本経済、アメリカ経済、地域経済...,西洋経済史、日本経済史、グローバル経済史、etc
  • 経営学部/学科 商学部/商業学科 (金融学科)
    • 経営学
    • 会計学
    • ファイナンス(工学的アプローチで金融市場を分析)
  • さらに統計学:経済学にかぎらず広く使われる手法として。しかし「統計学部」といのはまだないようです。計量経済学、この話はまた後で...
問題 1-4

「統計学は自然科学の発達と連動して発達した。」

この主張は妥当でしょうか。適否の理由を説明してください。

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解答と解説 1-4

解答

妥当ではない。

大量の数値を集計し比較するという作業は、だいたい人間の活動が関わっている。国家が租税を徴収するとか、そのため人口を捉えるとか、さまざまな生産物の量や、さらに貨幣を管理するとか、いうためにまず必要となった。

解説

広い意味で「統計学」は「経済学」と連動して、あるいはそれに先行して発達した。ウィリアム・ペティの「政治算術」など。

統計が必要となるような《大量》の実験、観察のデータで、演繹型の理論をチェックしようとするようになるのはずっと後の話です。ガリレオやニュートンに統計学はない。

問題 1-5

ついでに「統計学」についてもう少し尋ねてみましょう。

19世紀になると「統計学」は数学と結びつくようになります。今日「統計学」といえば数理統計学を思い浮かべる人も多いでしょう。

この結びつきの要因となったのはなにか?それはどのように統計学をかえたのか?

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解答と解説 1-5

解答

確率論。

これにより、部分から全体の様子を確率論的にとらえるということが可能になった。

解説

歴史的な統計は、全数調査。その平均値や偏り(分散や中央値など)を計算することはあったが、これは初歩的な算術で充分。中心極限定理を使って仮説を棄却するような確率論ベースの統計学とは別。

じつはこのような数理統計学の発達が、今日の経済理論のあり方を大きく変えようとしていることは、この後で...

問題 1-6

どうも経済学の特徴は、各論に先だって一般理論を学ぶところにありそうだ。

この「理論」というのは、物理学などでいう理論と同じで、ある定義、前提から、もしそうならこうだ、if A then B という「演繹」で、現象を引きおこす「法則」を説明する推論システムのことのようだ。

しかし、自然現象ならともかく、人間の社会現象に「法則」が成りたつ、というのはちょっとヘンではないか。人間には「意志」があり、自由に行動が選べるのだから、だれもがみな、共通の「法則」に必然的に支配される、などということは考えられないから。

だから、人間の社会現象一般に関して、演繹型の理論をつくることは無理なのだ。事実、経済現象の全体を「記述」する統計(学)はふるくからあっても、それは「経済理論」にはならなかった。「経済」の存在は古くからあるが、「経済学」=「経済理論」の発達はずっと後になってからのことである。

さて、では、この「経済理論」の成立の契機、要因となったのは何だろうか、それはなぜ、自由意志をもつ人間社会の現象に「法則」的な関係を生みだすことになったのか?

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解答と解説 1-6

解答

商品が売買される「市場」

市場では、一人ひとりの意図をこえた集合的な結果が生じる。価格現象が典型。だれも自分の意志で価格を決めることはできない。ひろく「意図せざる結果」unintented results が生じるから。

解説

「交換」と答えたひともいると思います。「交換」ではなく「売買」といったワケは、次回以降で説明します。現段階では市場の定義を広く交換の場だというのもアリですが、市場の本質は、モノの交換ではなく、商品が売買される場です。


というわけで、この講義では、「経済学」は演繹型の経済理論を中心に話してゆきます。一般論です。各論的な知識も重要なのです。みなさんが知りたいのもこちらかもしれません。そういう各論から一般論を構成しようというのではなく、「市場」を中心とする経済の特徴を一般的に捉えてゆきます。そのもとで、可能なかぎり、各論的な現象として《例》として説明してゆきます。

問題 1-9

今日の話はむずかしかったでしょうか?

もう少し説明が必要な点があればどうぞ....

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まとめ

  1. 経済学部で教えられている「経済学」は「経済理論」をベースにしている。
  2. 「経済理論」では、限られた定義や前提から、もしこうならこうなる if A the B という論理(「演繹」)で「法則」が説明される。
  3. 「法則」が成りたつのは、生産_分配・消費という「経済」活動一般ではなく、それを「市場」を通じておこなうからである。経済理論の対象は市場経済(あとで詳しく説明しますが、市場経済一般ではなく、資本主義経済)である。

  • 4月21日の講義はここからはじめます。

▶経済理論の二類型
問題 1-7

「三角形の内角の和が180度であることは、いろんな三角形を大量に描きその内角の和をはかると、それらの平均が180度になることから明らかである。一般に演繹理論の正しさは統計によって実証される。」

この主張は適切か?理由を述べよ。

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解答と解説 1-7

解答

不適切。

演繹理論の正しさは、定義と前提から論理一貫的な推論によって保証される。これは100パーセントそうなるという必然性をもつもので、「演繹理論の正しさ」は観察可能な現象によって保証されるものではない。

解説

「演繹理論の正しさ」はそうなのですが、「正しさ」というときにはもう一つの面があります。

理論が現象と一致しているという意味の「正しさ」で、こちらは理論の適不適というべきでしょう。

純粋な演繹体系である数学では、こちらの「正しさ」は問題になりません。三角形の内角の和は、99パーセント180度であるとか、いうのはナンセンスです。

しかし、物理学というの対象科学ですから、現象との合致が重要になってきます。この合致で示されるのは、理論の適用ないし利用の可能性です。そのかぎりで、実験・観察で得られたデータとの一致が問題になり、物理学にかぎらず、自然科学では統計学が重要な役割をはたすようになるわけです。

問題 1-8

自然科学で統計学が重要な役割をはたすようになっていったのに対して、経済理論と統計学の関係は疎遠になっていった。もともと統計学は経済現象と深く結びついてたことを思うと、これは奇妙なことであるが、19世紀から20世紀前半に発達した経済理論は、物理学における天体運動や生物学における遺伝の法則のような観測データによる検証に基づくものではなかった。なぜ、経済理論は同時期の数理統計学の発達を利用できなかったのだろうか?

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解答と解説 1-8

解答

現象を構成する要素の種類の多さ。その各々が複雑に影響しあう関係。

広範に当てはまるように抽象化された理論の作り方。

解説

たとえば価格は簡単に得られそうですが、商品の種類を考えるとものすごい数になります。またそれらは何月何日、どこの価格か、時間がたつにつれて変わってゆきます。

ある価格の変化は、多のすべての価格に影響を及ぼす可能性があります。価格は、その価格での取引数量と関係していますから、この数量データも合わせて考えなくてはなりません。

さらに、一般の商品価格は利潤率や利子率、賃金(これらも広い意味での価格ですが)などとも影響しあいます。

複雑で多様で変化する現象を、きわめて抽象化された単純な理論で捉える方向に経済理論が進んだため、統計学的な検証が困難な結果になったのではないか、と私は考えています。

演繹理論一本でゆくことの弊害もあります。「正しい」理論はそれ自身いくつもできるわけです。ユークリッド幾何学も非ユークリッド幾何学のようなものも、ともに「正しい」理論です。経済学の理論は、異なる理論が「対立」してきたのですが、決着がなかなかつきません。現実性のようなものをもちだすのですが、Aが自分に都合のよい事実a1,a2,.... をもちだせば、Bはb1,b2,.... で反論するといったかたちになりがちでした。

ところが20世紀末頃からか、経済学と統計学との関係は変わってきました。統計学の発達もありましたが、どうじに利用できるデータの数が桁違いに増えたのです。コンピュータサイエンスと情報通信技術の発達は決定的でした。ここでは述べませんが、ベーズの理論も大きな役割を果たしたかもしれません

P→Qという演繹型の理論に対して、Qという結果から原因Pが何パーセントくらいの確率で推定できるか、という考え方が、金融とか労働とか、分野別の経済学で盛んになり、それが演繹型の「経済理論」の出番を脅かしつつあるように思えます。最近の計量経済学というのはこうしたアプローチが中心なのではないかと思います。

これが本当によいかどうか、いろいろ問題があると私は思いますが、かなりむずかしい話になるのでここらでやめておきましょう。

いずれにせよ、この講義はマルクス経済学の「理論」です。いろいろデメリットもありますが、これから中身に即して、それをしのぐメリットをみなさんに紹介してゆきます。


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Last-modified: 2022-04-14 (木) 19:23:14