#author("2019-07-11T16:21:05+09:00","default:obata","obata") #author("2019-07-11T16:59:33+09:00","default:obata","obata") CENTER:[[前回>2019年度/第9講]]<<第10講>>[[次回>2019年度/第11講]] CENTER:&size(25){&color(yellow,navy){ 資本について(2)};}; ----- #qanda_who #qanda_setstid(2019-07-11 16:10:00,30); #qanda_setstid(2019-07-11 16:10:00,60); ------ *講義の概要 [#v410bec7] **復習 [#m837eb12] ***物価指数 [#q577528c] -第8講の問題25.26 は残念ながら正答率ゼロでした。 ~ #divregion(もう一度問題をだしなおします。) #qanda_set_qst(10,1,0,0){{ 二つの国の間で物価水準を比較することを考えてみよう。簡単にするために、A国とB国で、農産物と工業製品がそれぞれ一種類ずつ消費されるとする。 <ol> <li>A国の価格は(500,300)円で消費量は(2,4)コ </li><li>B国の価格は(3,6)ドルで消費量は(5,2)コ</li> </ol> とする。<br /> またドル円レートは1ドル100円とする。<br /> さて、A国のひとがB国にゆき、A国にいたときと同じ(2,4)コの消費をするには何ドルが必要か? }} #qanda(10,1) #qanda_set_qst(10,2,0){{ 二つの国の間で物価水準を比較することを考えてみよう。簡単にするために、A国とB国で、農産物と工業製品がそれぞれ一種類ずつ消費されるとする。 <ol> <li>A国の価格は(500,300)円で消費量は(2,4)コ </li><li>B国の価格は(3,6)ドルで消費量は(5,2)コ</li> </ol> とする。<br /> またドル円レートは1ドル100円とする。<br /> さて、B国のひとがA国にゆき、B国にいたときと同じ(5,2)コの消費をするには何円が必要か? }} #qanda(10,2) #qanda_set_qst(10,3,0){{ 二つの国の間で物価水準を比較することを考えてみよう。簡単にするために、A国とB国で、農産物と工業製品がそれぞれ一種類ずつ消費されるとする。 <ol> <li>A国の価格は(500,300)円で消費量は(2,4)コ </li><li>B国の価格は(3,6)ドルで消費量は(5,2)コ</li> </ol> とする。<br /> またドル円レートは1ドル100円とする。<br /> さて、A国の消費量を基準にして、A国の物価を100とすると、B国の物価はいくらになるか? }} #qanda(10,3) ~ #qanda_set_qst(10,4,0){{ 二つの国の間で物価水準を比較することを考えてみよう。簡単にするために、A国とB国で、農産物と工業製品がそれぞれ一種類ずつ消費されるとする。 <ol> <li>A国の価格は(500,300)円で消費量は(2,4)コ</li> <li>B国の価格は(3,6)ドルで消費量は(5,2)コ</li> </ol> とする。<br /> またドル円レートは1ドル100円とする。<br /> さて、B国の消費量を基準にして、A国の物価を100とすると、B国の物価はいくらになるか? }} #qanda(10,4) #enddivregion *** 転売について [#y29adcd8] -前回はいれなかった[[第9講>2019年度/第9講]]のテーマは''転売''でした。 ~ #divregion(転売とは....) -''売って買う''のではなく -''買って売る''こと。 #enddivregion ~ #divregion(売って買うのはなぜかというと...) -売って買うのは +他人のための使用価値をもつ商品を +自分にとって使用価値をもつ財にかえて、 ~消費するためだ。 -だから、100円の商品を別の100円の商品に換えるだけでもメリットがある。 -つまり''等価交換''でも効用はたかまる。 -でも、市場で売買が繰り返されるのは、もっと強力な動機がはたらいてるからだ。 -市場という車輪には、この動機を受けとめて回転するギアがついている。 -「売って買う」のではなく、「買って売る」という活動、つまり転売である。 #enddivregion ~ #divregion(買って売る目的は....) -買って売る転売は、等価交換じゃ意味がない。 -100円でかった商品を、100円で売っても、もとの100円の貨幣になるだけ、 -はじめから100円玉をもっているほうがいいだろう。 -買って売るのは、何のためか? --W --- G --- W' は100円の商品Wを、別の種類の100円の商品W'に換える意味はあるが --G --- W --- G 100円を100円に換えても意味はない。目的は金額を増やすこと。つまり.... --G --- W ---G' [ &mathjax{G'=G+{\Delta}G};]という''転売''が繰り返される。 #enddivregion ~ #divregion(転売が常態化する理由は...) > #divregion(消極的理由) +貨幣は、何でもすぐ買えるが、どれだけ買えるかはわからない。 +貨幣の価値は値段が上がる商品を基準にすれば、価値が減ってしてしまうため。 #enddivregion ~ #divregion(積極的理由) > +売るのには長短が定まらない時間がかかる。 +売り手のなかには、なかなか売れず、値下げしてでもすぐ売りたいものがでてくる。 +貨幣に余裕がある者には、相場以下で買い入れ、相場の価格で売れば利益をえるチャンスがある。 +もちろんチャンスには損をするリスクが付きものだ。でも貨幣に余裕がない者には、そもそもチャンスさえないのだ。 +転売が繰り返される市場は、「一物一価の法則」Law of One Price がなりたたない市場。 +市場価格は、需要供給の均衡で価格が一つに決まるという考え方はとらない。 +この講義の教科書の索引で「均衡」という用語を引いてみようとすると.... +同一種類の商品でも、価格はバラつきをもつ。 +とはいえ、だた安く買って高く売るといっても、それだけではいつも成功するとは限らない。 +''安く買って''標準的な相場価格で売るという活動は、''安くつくって''に発展する。 #enddivregion ~ #enddivregion < **資本 [#t70e78ae] -目標:''資本''ということばを正しく使えるようにしよう。 > #divregion(資本とは) --''転売'' は、資本にとって不可欠な要因だが、それだけは資本にならない。 --たとえば、100円で買った商品Wが120円で売れたとしよう。 --でも、この100円を単純にすぐ、資本と考えてはならない。 --100円で買ったときに、貨幣が資本になるわけではない。 --100円で買うことは、貨幣の''支出''である。 --そのまえに、この100円を「さてこれを、もうけるための元手にしよう」と決めた時点で、100円は''資本''になる。 --何年何月何日、資本として100円とこの日付と金額をキチンと帳面に書いておこう。 --貨幣100円は、支出される前に、まず資本として''投下''される。 #qanda_set_qst(10,5,0){{ 「貨幣は(A)される。資本は(B)される。」<br /> AとBは? }} #qanda(10,5) --「貨幣は(?)され、資本は(?)される」と10回繰り返し言ってみよう.... --''資本''とは、価値増殖のために投下された価値額(金額)である。 #enddivregion ~ ----- CENTER:第11講はここから ------- //#divregion(費用と収入) --投下された資本は、売買を通じて、貨幣と商品という、価値の二つの''かたち'' shape を取り替える。 --商品を買えば、貨幣が支出され、商品を取得するための費用となる。 --帳面に何月何日 商品Xをxコ取得するための費用px円のとしっかり書いておこう。 --商品xをp'円で売れば、収入として貨幣p'x円が得られる。 --帳面に何月何日何円の収入としっかり書いておこう。 --一定期間に、売買が繰り返されると、支出総額=総費用と収入総額=売り上げ総額がきまる。 --費用も収入の差額が ..... --「収入総額 - 支出総額 = マージンの総額」となる。 --この講義ではマージンの総額を''粗利益''ということばで統一する。 #qanda_set_qst(10,6,0){{ <ol> <li> xx年1月1日に100万円を投下した。</li> <li>2月1日に商品Wを40万円で買った。</li> <li>3月1日商品W'を20万円で買った。</li> <li>4月1日商品W'を30万円で売った。</li> <li>5月1日商品Wを50万円で売った。</li> </ol> さて総利益は? }} #qanda(10,6) //#enddivregion ~ //#divregion(売買にかかる費用) --商品を買うのに支出した費用は、一コ何円という''単価'' (@p円) をもつ。 --この費用を''費用価格''という。費用価格 cost price は商品の''原価''である。 --買った数量&mathjax{ x }; とすれば、費用価格の総額 &mathjax{ px }; と数量に比例する。 --ところが費用には、このほか、売買活動にかかる費用がある。この費用を''流通費用''という。 --たとえば、商品の保管費とか、あるいは宣伝広告の費用とか..... --流通費用は単価で計算できない。売買数量 x に比例して支出されるわけではない。 ---1万円商品を1万個で仕入れるには1億円必要だ。この商品1万個売るのにさらに宣伝費100万円がかかった。 ---2万円商品を1万個で仕入れるには2億円必要だが、この商品2万個売るのにさらに宣伝費200万円必要かどうかはわからない。 --流通費用も支出したら、帳面に何月何日何円の費用としっかり書いておこう。 --流通費用〈原価)と費用価格をハッキリ区別できるかな? #qanda_set_qst(10,7,0){{ 費用価格と流通費用は( )計算ができるかどうかで区別できる。さて( )は? }} #qanda(10,7) //#enddivregion ~ //#divregion(どれだけもうかったのか、計算してみよう) --まず期日をハッキリさせよう。ノートをみれば、いつからいつまで、何日間のもうけを考えているのか、わかる。 --この期間の粗利益はそのままもうけにはならない。流通費用が支出されているから.... --粗利益 - 流通費用総額 = 純利潤 この純利潤が、投下した資本がもたらした、この期間の増殖分 --増殖率を計算してみよう。 > &mathjax{\displaystyle 利潤率= \frac{総利益 - 流通諸費用総額 }{投下資本額}}; < #qanda_set_qst(10,8,0){{ <ol> <li> xx年1月1日に100万円を投下した。</li> <li>2月1日に商品Wを40万円で買った。</li> <li>3月1日商品W'を20万円で買った。</li> <li>3月1日商品W'を20万円で買った。</li> <li>4月1日商品W'を30万円で売った。</li> <li>4月1日商品W'の倉庫代(保管費)5万円を支払った。</li> <li>5月1日商品Wを50万円で売った。</li> <li>5月1日商品W'の倉庫代(保管費)15万円を支払った。</li> <li>6月末日を迎えた。 </ol> さてこの半年の利潤率は? }} #qanda(10,8) --次のような利潤率の特性に注意しよう。 #qanda_set_qst(10,9,0){{ 利潤率は、 <ol> <li>フロー ÷ フロー</li> <li>ストック ÷ ストック</li> <li>フロー ÷ ストック</li> <li>ストック ÷ フロー</li> </ol> のどれか? }} #qanda(10,9) #qanda_set_qst(10,10,0){{ 「マージン率(1個あたりの売買差額)が減れば、利潤率もかならず下がる。」<br> 真か偽か? }} #qanda(10,10) //#enddivregion