#author("2020-09-25T06:07:45+09:00","default:obata","obata") #author("2021-04-13T16:36:29+09:00","default:obata","obata") CENTER:&color(#447CFF){第 &size(32){1}; 講}; [[▷ 次回>2020年度/冬学期/第2講]] ---- #qanda_setstid(2020-09-17 22:00:00,60) #qanda_who //#qanda_points_chart -------- ✔ REC &color(red){ON}; ? ✔ REC ON チェック&br; ✅ 接続チェック #qanda_set_qst(1,20,0){{ <p>✔接続状態をおしえてください。</p> <p>✔なお、前回学生証番号を登録した人で、今回「氏名不詳」になってしまった人は「再登録」と書いてください。</p> }} #qanda(1,20) #qanda_solution(1,20){{ 冬学期、最初の講義になります。 }} //#qanda_scorechart(1,20) ----- CENTER:&size(25){&color(yellow,navy){ 市場から資本主義へ };}; ----- #divregion(経済理論A全体の目的は...,lec=1,qnum=20,admin) -マルクス経済学の原論の講義。 -経済学1 2 を通じて、''資本主義経済''のしくみを知ることが目的。 -でも資本主義経済って、いったいなに? -「今の日本のような経済でしょ」...ってそんな「のような」じゃ、知ってることにはならない。 -ということで、基礎の部品から一つ一つ組み立ててゆくことにしました。 -夏学期は、こんなふうにして、資本主義の基本となる「市場」を組み立てみました。 #enddivregion #divregion(前期にわかったことは....,lec=1,qnum=20,admin) -わかったこと.... --「市場」は財と財が''交換''される場ではない。 --商品の単純な流通(間接的な等価交換)の場でも&qanda_tooltip(ない){否定形を上手につかうのが、論理的思考のはじめの一歩です。};。 --市場の中心に位置するのは[[.....>2020年度/夏学期/第13講]]だ、ということ。 ---①''商品''が存在すれば、必ず同時に''貨幣''が存在し、 ---②商品と貨幣が存在する市場の中心には、必ず売買を通じてふやすことを目指す''資本''が登場する。 ---①と②は''価値''という用語をキチンと定義してうまく使えるようになると、紛れなく、明晰に説明できるようになります。 #enddivregion #divregion(後期の講義で目指すのは...,lec=1,qnum=20,admin) -とはいえ、「資本」が市場の中心に存在するからといって、それでただちに「資本主義」になるわけでは&qanda_tooltip(ない){またまた、否定形です。};。 #qanda_set_qst(1,1,0){{ <p>資本主義 = 市場 +(X)</p> <p>資本が支配する市場は、資本主義の必要条件。 <p>さて、資本主義が資本主義であるための必要十分条件はなにか。</p> <p>(X)を漢字2字でこたえ、なぜ、それが必要十分条件になるのか、理由を述べよ。 }} RIGHT:mini 4 #qanda(1,1) #qanda_solution(1,1){{ <h4>解答:</h4> <p>生産</p> <p>なぜなら...</p> <ol> <li>経済=モノの生産+配分+消費</li> <li>市場=配分の一つの方式</li> <li>ゆえに、市場の中心をなす資本が、生産を支配することが、資本主義経済の必要十分条件となる。</li> </ol> <h4>解説<h4> <p>「なぜなら...」には、ちょっとコジつけ感があります。もっとスマートな答えを自分で工夫してみてください。</p> <p>必要なのは、「... であるなら ... である(では''ない'')」型の推論の能力です。自分で分析して組み立てる力です。</p> <p>どこかにエラい先生が「....である。」と書いていました式のベタな答え方や、「....によれば...」式のコピペ型の回答はもう卒業しよう。自分のアタマでチャンと組み立てること、これは夏学期に学んだ原論魂です。</p> }} -後期の講義で目指すのは、この資本主義の全体構造です。 #enddivregion #qanda_set_qst(1,21,0){{ ここまでOKですか?内容に疑問があればどうぞ .... }} #qanda(1,21) #divregion(結合原理,lec=1,qnum=1,admin) -市場と生産の結びつきかた(市場+生産の+)には、いくつかのかたちがあります。 #qanda_set_qst(1,2,0){{ <p>市場と生産の結びつきかたには</p> <ol> <li>奴隷労働をつかった商品生産のシステムや</li> <li>自分の生産手段をもっている独立自営の生産者が自分で生産して生産物を売る小生産者の生産システム</li> </ol> <p>もあるが、資本が生産を組織する資本主義における連結のカナメになるのは(X)である。</p> <p>(X)はなにか、適当な用語を考え、その用語はどういうことを意味するのか、簡単に説明せよ。</p> }} RIGHT:mini 4 #qanda(1,2) #qanda_solution(1,2){{ <p>解答:</p> <p>賃金労働</p> <p>賃金を支払うことで労働力が買えること。</p> <p>解説:</p> <p>生産手段が商品として買えるだけでは資本は生産を支配できない。労働力も買えるようになると、安く買うために、生産手段と労働力を買って商品生産をおこなうことができるようになります。</p> }} #enddivregion #qanda_set_qst(1,22,0){{ ここまでOKですか?内容に疑問があればどうぞ .... }} #qanda(1,22) #divregion(変わりゆく世界,lec=1,qnum=2,admin) -労働と生産の世界は、現在激しく変化しています。 -コンピュータとインターネットの発達は、これまでの資本による生産と労働に大きなインパクトを与えています。 -雇傭の規模だけではなく、はたらき方そのもののすがたが大きく変わっています。 -講義では、コンピュータやネットワークの話をはじめ、今起こっている現象についてWEBサイトなどを利用しながら、みてゆきます。 -おもしろい現象が、つぎからつぎにおこるので、これをやっているとついつい時間を忘れるのですが、 -でもこれは、みなさんも、自分でヒマなときにいくらでもできること、興味のある記事など、探して読んでみましょう。 #qanda_set_qst(1,3,0){{ <p>労働や生産に関して、今いちばん、興味をもっているニュースはなんですか。</p> <p>なるべく具体的なトピックに絞って、どんな側面に関心があるのか、おしえてください。</p> }} #qanda(1,3) #qanda_solution(1,3){{ <p>モチロン、この問題は採点の対象外</p> }} #enddivregion #divregion(でも理論化がムズかしい世界,lec=1,qnum=2,admin) -講義では、こうした現象をもっと大きな視点で整理し、変わりゆく世界の全体像を探ってゆきます。 -しかし、こうした激変に対して、あれやこれやの現象を列記しても、その真のすがたはわかりません。 -事実を知ることは大事ですが、それをふまえて、 -そもそも「はたらく」とはどういうことか、労働とは何なのか、生産とはどうすることなのか、こうした基礎の基礎から考えなおさないと、変わりゆく世界の真のすがたはわかりません。 -必要なのは全体を捉える$\to$理論的アプローチ。 -とはいえ、生産や労働は、理論的に考えにくい世界です。夏学期にやった貨幣や資本に比べても... #qanda_set_qst(1,4,0){{ <p>「理論化する」って、どうすること?</p> <p>それって、どんなメリットがあるの?</p> }} #qanda(1,4) #qanda_solution(1,4){{ <p>解答:</p> <p>少ない前提 $\cal{Ps}$ で、いろいろな複雑な現象 $\cal{Qs}$(の一面)を説明すること。一見違ってみえる現象の関係が明らかになり、バラバラな現象が統一的に理解できるのがメリット。</p> <p>解説:</p> <p>この説明は、「PだからQなのだ」とか「QなのはPのせいだ」とかいったかたちになります。これ、厳密には違うかもしれませんが、この講義で「演繹」とか「推論」とかいっている論理です。</p> <p>たとえば「RなのもPだからだ」ということになれば、QもRもPが原因なのだ、というようにともかく結びつくわけです。</p> <P>こんな具合に、いろいろな現象がタテヨコ斜めにつながってくることで、「全体」も見えてきます。</p> <p>自転車の部品を全部そろえて、これが「自転車だ」といっても自転車にはならない。部品を一つ一つつなぎ合わせてはじめて自転車という全体になるようなものです。</p> <p>「自転車と、理論化と、ぜんぜん関係ないだろう」と思っているあなた。ある意味、その通り。</p> <p>ただ、「いろいろなモノをただ集めても全体にはならない、関連づけてはじめて全体になる」という意味では共通するものがあるのです。</p> <p>こういうのを、なんというのでしたっけ?</p> <p>.... そう、抽象化です。(同じレイアでは違ってみえるけれど、レイアをいちだん引き上げると等しい、って、夏学期に、どこかでやりませんでしたか?)</p> }} #enddivregion #enddivregion #qanda_set_qst(1,23,0){{ ここまでOKですか?内容に疑問があればどうぞ .... }} #qanda(1,23) #divregion(後期全体のながれ,lec=1,qnum=3,admin) -ふつうの経済学は、 --価格や利潤など、数量化しやすい領域では、演繹型の理論を発達させてきまたのですたが、 --労働や生産のしくみのような、数量化しにくい定性的な領域では、 --歴史的な現象を''観察''し、少しばかり一般的な用語で''記述''してきただけ。 -でも、この講義の教科書では、 --労働や生産に対しても、商品・貨幣・資本なみの抽象レベルで理論的な分析をやっているので、 --これを参考に、独自に組立作業をやってみることにします。 -ということで、後期の前半では、従来の経済理論では、蚊帳の外におかれてきた労働と生産の構造にスポットライトを当ててみます。 --とくに、コンピュータとインターネットの発達が、パンデミック以降、さらに労働と生産の世界を変容させているので、こうした現象を思い切り''抽象化''して考えてみたいと思います。 --労働と生産の基本構造がわかると、商品の価値の大きさがどうきまるのか、という問題も解決します。 --夏学期、「需要供給の均衡で価格がきまるのじゃ''ない''」といったのですが、「じゃ、なんできまるのさ?」という疑問に、「価格は生産コストがきめるのだ」と答えてゆきます。 --これは、生産$\to$市場という方向の影響を重視する客観価値説の立場です。 --さらにこれをベースにした「所得」の分配原理の話をします。資本が全体として、利潤を上げることができる理由を明らかにしてゆきます。 #enddivregion