#author("2021-07-16T10:32:12+09:00","default:obata","obata") #author("2021-07-16T10:53:44+09:00","default:obata","obata") CENTER:[[前回 ◁ >2021年度/夏学期/第8講]]&color(#447CFF){第 &size(32){9}; 講}; [[▷ 次回>2021年度/夏学期/第10講]] ----- #qanda_setstid(2021-07-15 16:10:00,90) #qanda_who #qanda_mathjax ------ ✔ REC ON&br; ✅ 接続チェック #qanda_set_qst(9,20,0){{ <p>✔ 接続状態をおしえてください。</p> <p>✔ 前回学生証番号を登録した人で、今回、「氏名不詳」になっていた人は「再登録」と書いてください。</p> }} #qanda(9,20) //#qanda_set_qst(9,21,0){{ //9回目のライブの講義で講義内容について質問があればどうぞ。 //}} //#qanda(9,21) ----- CENTER:&size(25){&color(yellow,navy){ 貨幣の機能 2 };}; ---- **流通手段 [#ofd6c1de] #divregion(商品の 流通と貨幣の流れ ,admin,lec=5,qnum=20) --circulation と currency #qanda_raw{{ <div id="wgw-circulation"></div> <script src="https://unpkg.com/konva@7.0.7/konva.min.js"></script> <script src="./js/konva/coordinate.js"></script> <script src="./js/konva/2021/wgw-circulation.js"></script> }} #enddivregion ***貨幣量と物価指数 [#d554ed31] #qanda_set_qst(9,1,0){{ <p>次のような強い仮定をおく。</p> <ol> <li>1兆円の貨幣が存在する。</li> <li>この貨幣がすべて、1日に3回、購買に支出される。</li> <li>1日に商品A 5000万個、商品B 5000万個が販売される。</li> <li>商品A の価格と商品B の価格の比は1:1である。($p_a : p_b = 1:1$)</li> </ol> <p>このとき、商品A,商品Bの価格は?</p> }} #qanda(9,1) #qanda_solution(9,1){{ <p>解答:3万円</p> <p>解説</p> <ol> <li>$p_a=p_b=p$ とする</li> <li>購買額:$1兆円\times 3=3兆円$</li> <li>販売額:$5000万\times p+5000万\times p=p億円$</li> <li>購買額=販売額:$p=3万円$</li> </ol> }} -9-2 採点しません(先に正解を表示してしまったため) #qanda_set_qst(9,2,0){{ <p>次のような強い仮定をおく。</p> <ol> <li>1.1兆円の貨幣が存在する。←前問と違うのはここだけ。</li> <li>この貨幣がすべて、1日に3回、購買に支出される。</li> <li>1日に商品A 5000万個、商品B 5000万個が販売される。</li> <li>商品A の価格と商品B の価格の比は1:1である。$(p_a : p_b = 1:1)$</li> </ol> <p>このとき、商品A,商品Bの価格は?</p> }} #qanda(9,2) #qanda_solution(9,2){{ <p>解答:3.3万円</p> <p>解説</p> <ol> <li>《貨幣の「数量」が増加すると、それに比例して価格が上昇する(逆なら逆)》という命題。</li> <li>この命題を「貨幣数量説」という。</li> <li>貨幣の数量が価格水準を決定するという主張である。</li> <li>貨幣数量説は、経済学が学問として成立する以前から通念として存在。</li> <li>経済学のなかで、洗練されてきた。</li> <li>if P then Q という推論として、正しい「理論」はいろいろできる。貨幣数量背いつも possibility としては否定できない。</li> <li>しかし、そのための仮定が強すぎて、現実にそれが当てはまる蓋然性 probabilty は低い。</li> <li>貨幣数量説の仮定は、この講義の仮定とも矛盾する。貨幣の数量を「変える」ことができる(「変える」と「変わる」は別、「変わる」ことは否定しないが)、とか、貨幣はすべて支出される、等々。すなわち、「理論」の次元でも、この講義はアンチ・貨幣数量説!</li> <li>貨幣数量説は、理論として失格、というのがこの講義の結論。</li> </ol> }} #qanda_set_qst(9,3,0){{ <p>次のような強い仮定をおく。</p> <ol> <li>1.1兆円の貨幣が存在する。</li> <li>この貨幣がすべて、1日に3回、購買に支出される。</li> <li>1日に商品A 5500万個、商品B 5500万個が販売される。←前問と違うのはここだけ。</li> <li>商品A の価格と商品B の価格の比は1:1である。($p_a : p_b = 1:1$)</li> </ol> <p>このとき、商品A,商品Bの価格は?</p> }} #qanda(9,3) #qanda_solution(9,3){{ <p>解答:3万円</p> <p>解説</p> <ol> <li>$3.3兆円 = (0.55,0.55)(p,p)兆円$</li> <li>貨幣の数量が10パーセント増大</li> <ol> <li>生産物の物量は一定なら、価格が10パーセントアップ。</li> <li>生産物の物量は一定なら、価格が10パーセントアップ。</li> <li>その中間、というのもアリ。価格がもっとアップして、売買される商品の物量が減る、なんていうこともアリ。逆も。</li> </ol> <li>貨幣の数量をふやせば、物価があがって景気がよくなる、という、まったくの没理論。</li> <li> $(0.5,0.5)(1.1p,1.1p) = (0.55,0.55)(p,p)$</li> <li>景気がよいといえるのは、どっち?</li> </ol> }} #divregion(物価,admin,lec=9,qnum=3) -前問で「物価」という言葉がでてきた。 -物価 prices というのは、複数の商品価格の加重平均。 -$p_a:p_b=1:1$ のようの固定してしまえば「平均」をもちだす意味はないが -価格が上がる商品もあれば下がる商品もあるときには、全体としてみて、あがったのか、さがったのか、が知りたくなる。 -価格 $(p_a,p_b) \to (p_a',p_b')$ : 物量 $(x_a,x_b) \to (x_a',x_b')$ と変わったとしよう。 -$(x_a',x_b')=k(x_a,x_b)$なら、どちらで加重平均しても同じ。 -しかし、そうでないとちょっと面倒.... +$物価指数\,\alpha = (p_a',p_b')(x_a,x_b)/(p_a,p_b)(x_a,x_b)$ +$物価指数\,\beta = (p_a',p_b')(x_a',x_b')/(p_a,p_b)(x_a',x_b')$ -$\alpha > 1$ (物価上昇にみえる)かつ $\beta < 1$ (物価下落にみえる)のケースもアリ。 -貨幣の価値=購買力と規定すると、貨幣の価値の大きさは&color(red){&qanda_tooltip(「不可測」){どうはかるかで、あがったようにも下がったようにも見えるということ};};となる。 #enddivregion