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分配比率
- 分配比率を計るには、生産物のセット(ベクトル)を集計する(スカラー化する)必要がある。
- 今まで使ってきた数値例 ① 生 産 技 術
\begin{equation}\begin{cases} 小麦~ 2 + 鉄~ 3 + 労働~6 \to 小麦~ 8 \cdots\cdots (2)\\ 小麦~ 4 + 鉄~ 2 + 労働~4 \to 鉄~ 6 \cdots\cdots (3)\end{cases}\end{equation}
+
| | ... |
- 投下労働量 \( (t_1,t_2) = (3,4) \) は「生産技術」だけできまる。
- つぎの「分配関係」から影響をうけない。
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- 次の条件を追加する。② 分 配 関 係
- 「純生産物」は「生活手段」と「剰余生産物」に「分配」される。
- 生活手段
$B =(1,1/2) \cdots\cdots (4)$
とする。
- Bを消費することで\( L=6+4 \) 時間の労働が維持されると仮定。
(小麦1kg, 鉄1/2kg) \( \Longrightarrow \) 10時間の労働
だが、もう一度強調しておくが、この矢印 \( \Longrightarrow \) は、生活手段を「原料」にして労働や労働力が「生産」されることを意味するものではない。
- 鉄と小麦を生産する労働は入れ替え可能な同質の労働。
つまり、鉄生産と小麦生産で賃金率は同一であると仮定する。
共通の賃金率 \( w \)[円/時間]
- 教科書 図II,2-5は重要。
- 生活手段\( B \)を生産するのに必要な労働量を「必要労働時間」\( v \)とよぶ。
- 剰余生産物を生産するのに必要な労働時間を、「剰余労働時間」\( m \)とよぶ。
- \( m = L -v = L - Bt \)
+
| | ... |
- \( 10- (1,1/2)(3,4) = 5 \)時間
|
- \( 剰余価値率 =m/v \)
- 生活手段を構成するベクトル:(小麦,鉄)の物量 たとえば
- \( B = (1,1/2) \cdots\cdots (4) \)
- \( B = (1/2,1) \cdots\cdots (5) \)
- 投下労働時間による集計
支配労働量
小麦だけのケース
- 集計単位として、商品の交換比率である価格を考えみてみます。
- 1単位を買うのに必要な労働時間を支配労働量という。
- 1単位を生産するのに、直接・間接に必要な労働時間はなんといったでしょうか .....
小麦と鉄のケース
- 「一をきいて十を知る」.... 複数の生産物がある世界(小麦と鉄の世界)で同じ問題を考えてみよう。
- (2),(3),(4) のもとで
- 小麦1キロが300円、鉄1キロが400円だとする。\( (p_1, p_2) = (300,400) \)
- 質 問 9 . 小麦1キロ、鉄1キロの生産でそれぞれ得られる利益(売値ーコスト)(e_1,e_2) を求めよ。
- 回答:
+
| | ... |
- 小麦8kg: \( 8_{kg}\times 300_{円/kg} - (2_{kg}\times 300_{円/kg}+3_{kg}\times 400_{円/kg}+6_{時間}\times 50_{円/時間}) = 300_{円} \therefore e_1 = 300/8 = 3.75 \)
- 鉄6kg: \( 6_{kg}\times 400_{円/kg} - (4_{kg}\times 300_{円/kg}+2_{kg}\times 400_{円/kg}+4_{時間}\times 50_{円/時間}) = 200_{円} \therefore e_2 = 200/6 = 3.33... \)
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国民経済
- ここまでの復習です。
- 日本を例にとって、粗生産物=売上高と付加価値などの関係を大まかに捉えてみよう。
- 「法人企業統計」を取りあげてみる。(個人企業などもあるが)営利企業=資本の大部分の状況がわかる。
- 売上高は...
+
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- 付加価値 = 賃金 + 利潤 は...
+
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- 「国民経済計算」だともう少し大きな数になります。ラフに言えば
- 付加価値 = 国民総生産 - 固定資本減耗 = 雇用者報酬 + 営業余剰
+
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