前回 ◁ 第 14 講
訪問者:氏名不詳 ✔ REC ON ? 問題 14-20 ✔接続状態をおしえてください。 ✔なお、前回学生証番号を登録した人で、今回「氏名不詳」になってしまった人は「再登録」と書いてください。 14-20 の回答を + 0/115 ...1点以上 0% 解答と解説 14-20夏学期 最後の講義になります。
補足:外国為替と物価
外国為替と物価
解答と解説 14-1
解答: $$ 1bal = £ 1$$ $$ \$ 1 =£ 2 $$ 解説: 質問のとおりに答えれば、うえの正解のようになるが 自国通貨£がいくらになるか(円が何ドルになるかという円ドル型の表示)でいれば、 $$£ 1 =1 bal$$ $$£ 1 =\$ 1/2$$ イギリスと西アフリカの貿易品は綿布のみ。 綿布1ヤール が イギリスで$£ 1$ で買える(売れる)、また、西アフリカで $1 bal$で売れる(買える) だから、$$£ 1 =1 bal$$ならイギリスで買い(売い)西アフリカで売い(買い)して 輸出(輸入)代金を為替で取り立て自国通貨に変換しても利益はでない。 逆にこの比率からズレていれば、綿布の輸入輸出でもうかる。 輸入輸出で得られた $£ や bal$ を $£ \to bal\,(bal \to £)$ に交換する需要と供給で 交換レートは $£ 1 =1 bal$に引きつけられる。 これと同様にして、イギリスとアンティール諸島では、砂糖1ポンドが $£4$と $2ドル$なのだから $$£ 1 =\$ \frac{1}{2}$$ これがもっとも単純化した、貿易による為替レートの決定原理になります。 でも、現実はこんなに単純じゃない... って、それはモチのロン。 あくまでも、この講義で強調してきた原理の話です。 14-1 の回答を + 55/92 ...1点以上 60% 問題 14-2 問題14-1 の続き。 £-bal £-ドルの為替レートが成立すると三角貿易の利益はなくなる。 真か偽か。判断の根拠を述べよ。 4 min
解答と解説 14-2$\def\pounds{ {\it\unicode{xA3} } }$
解答: 偽
解説: $\pounds/bal$ レートと $\pounds/\$ $ レートから計算すると $$\frac{\$}{bal} =\frac{£}{ bal} \times \frac{\$}{£} = 1\times \frac{1}{2} =\frac{1}{2} $$ つまり イギリスでは、$1 bal$ で $\$2ドル$が手に入る。 ところで、西アフリカとアンティール諸島で奴隷を売買しても利益が出ない為替レートが成立していたとすると、$奴隷1人 = 100 bal = \$100$ なので $1bal=\$1$ になるはず。 もし、西アフリカとアンティール諸島の間で、$1bal=\$1$ の為替レートが成りたっているなら、ロンドンで $\pounds 1 \to 1 bal$ にして、西アフリカか $1bal \to \$1$ にして、ロンドンで $\$1 \to \pounds 2$ にできる。 つまり、綿布、奴隷、砂糖間の実物の交換レートを反映して$\pounds, bal, \$$ 間の為替レートが成立すれば、為替取引でも利益がでる。 したがって、もし、たとえばロンドンできまる $1 bal \rightleftarrows \$2ドル$ というレートに一致するように、西アフリカないしアンティール諸島の奴隷価格が変われば(eg. $奴隷1人=100bal \to 奴隷1人=200bal$)、三角貿易の利益は消える。 三角貿易という、昔々のお話、しかも奴隷貿易という馴染みのないものが登場する例だったので、あまりピンとこなかったかもしれません。しかし、国際間、あるいは地域間の取引というのはずっと存在してきたことです。特定の名詞を外し思い切り抽象化して考えれば、同じ原理が貫いているわけです。 為替のように通信技術が発達すると、取引に時間がかからなくなるものとことなり、地域間、国家間の、さまざまな商品の価格の間には、単一の世界市場があって、そこですべての価格が一元的に決まるわけではありません。 転売でマージンをつくりだす方法として、ふつうに考えられているのは、同じ商品を安く買って高く売る、直接型のマージン形成です。 しかし、これは別に、価格体系の間の不整合をみつけて、現地では等価交換をしながら、マージンをつくりだす、間接型があるワケです。 たいていの教科書は、資本は G---W---G' でマージンを稼ぐ、と書いてあります。つまり、同じものが100円で買えて120円で売れるという、一物一価に反する現象を想定しているわけです。 ...で、これはやっぱりムリだよネ、といって、G---W---G' はすぐに産業資本 G---W ... P ... W' ---G' にならざるをえないんだ、と説明しています。 間接型なら、一物一価に反せず、直接型と違って長続きする、といっているのでは、モチロンありません。 間接型も全部まとめてみれば、不等価交換によってマージンを得ているわけで、不等価交換には持続性がない、という命題を認めるかぎり、同様に、商人資本は長続きしない、産業資本だけが自立した資本だ、という通説(俗説)で、ハイ終わり。 ただ、この講義の教科書は、いろんなところで標準とズレていますが、ここもある意味、そうで、個々にみれば、市場は不等価交換のチャンスを本質としてしている、という市場観になっています。全体をみればムリ、個々をみればチャンスあり、...で、この先は水掛け論になります。 14-2 の回答を + 35/118 ...1点以上 30% 問題 14-3 $\def\pounds{ {\it\unicode{xA3} } }$
綿布が輸出され砂糖が輸入された結果、価格体系が次のように変わった。
このとき $$\frac{\pounds4+\pounds1}{2}=\frac{\pounds3+\pounds2}{2}=\pounds2.5$$だから、イギリスの物価は去年と今年で変わっていない。 真か偽か。判断の根拠を述べよ。 2 min
解答と解説 14-3
解答: 偽なり。物価は単純平均に非ず。 解説: 物価というのは英語でいえば prices 価格ベクトル$$p = (4,1)$$ と$$p' = (3,2)$$ の「大きさ」を比べようというわけ。 14-3 の回答を + 15/109 ...1点以上 14% 問題 14-4
今年の取引金額は、昨年の何倍か? 14-4 の回答を + 20/96 ...1点以上 21% 解答と解説 14-4
$$\frac{(3,2)(5,4)}{(4,1)(4,6)}=\frac{15+8}{16+6}=\frac{23}{22}$$ 2 min
問題 14-5 問題14-3の続き 物価の変化は、同じ数量を買うのに必要な金額を比べればわかる。 昨年と同じ取引数量を買うと、今年は何倍の金額になるか?
14-5 の回答を + 13/102 ...1点以上 13% 解答と解説 14-5
$$\frac{(3,2)(4,6)}{(4,1)(4,6)}=\frac{12+12}{16+6}=\frac{24}{22}=\frac{12}{11}$$ 問題 14-6 問題14-3の続き 今年と同じ数量を昨年買ったとしたら必要な金額をもとにすると、今年の取引金額は去年の何倍になるか?
2 min
14-6 の回答を + 42/83 ...1点以上 51% 解答と解説 14-6
$$\frac{(3,2)(5,4)}{(4,1)(5,4)}=\frac{15+8}{20+4}=\frac{23}{24}$$ 問題 14-7 物価が上がったか下がったかは、個々の商品価格を正確に把握すればわかる。 真か偽か。根拠を述べよ。 2 min
14-7 の回答を + 56/124 ...1点以上 45% 解答と解説 14-7
偽 物価は価格ベクトルの比較。共通の物量ベクトルでスカラー化しなければ比較できる。 しかし、スカラー化に必要な物量ベクトルは一義的に定義できないから。 |