『資本論』第1巻を読む III 第6回

第13章 機械と大工業 その2

前回の読書会では、けっきょく、第1節だけで時間切れになりました。第2節、第3節の概要は、前回第5回のページに掲示してあります。今回の読書会で、 第4節から第7節まで予定しているのですが、ちょっと無理かもしれません。概要はここに掲示しておきますが…

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『資本論』第1巻を読む III 第4回

第12章 分業 その2

後半の二つの節を読んでゆきます。マニュファクチュアを同職組合を組織した自立した手工業者と比較しながら、マニュファクチュアのもつ資本主義的性格が解き明かしてゆきます。この点は、資本主義的生産=機械制大工業という通念を反省する契機になります。

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『資本論』第1巻を読む III 第3回

第12章 分業 その1

分業 divison of labor は、協業 cooperation に比べて、一般にも馴染みのあるようです。『国富論』以来、分業は市場をベースとした生産システムの基本原理だと考えられてきました。『資本論』における分業の考察は、『国富論』以来の伝統を意識しながら、これを批判するかたちで書かいれています。ただこの批判が明示的でなく、かなり屈折した説明になっています。二回に分けて読み込んでみます。

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『資本論』第1巻を読む III 第2回

第11章 協業

短い章で、内容も比較的まとまっていて読みやすいので軽く読みなしてしまいそうですが、資本主義の本質を考えるうえで無視できないところがあります。たしかに、資本主義的生産の基本が、独立の小生産者には手が届かない大規模生産にあるのは確かです。だから、分業ではなく、協業こそが資本主義的な労働編成の基礎である。この命題は、このあと『資本論』第1巻の後半体系を支配し、資本の蓄積で大資本が小資本を淘汰するという集中集積論に通じてゆきます。しかし、単純に<規模>の問題だけではありません。無視できない協業の根本問題は「労働過程」との内在的なつながりに潜んでいます。今日の労働の変容を理論的に理解するためには、この埋もれた部分を掘り起こしてみる必要があります。そのために、資本が労働と生産を組織するとき、決定的な意味をもつ協業の概念は、分業と理論的にどう区別されるのか、両者は一体となって現象するわけですが、今回はこうした原理的な区別を探ってゆきたいと思います。
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