資本主義 — 現在・過去・未来 —

本研究所の事業ではありませんが、先日所員の小幡が「独占研究会」というところで話をしてきたそうです。この研究会、第475回だっていっていましたから、月一のペースでやっても40年ちかく続いていることになります。

「資本主義 — 現在・過去・未来 —」なんて、大げさなタイトルで思わず吹きだしてしまいましたが、当人は至極まじめな様子….内容についてはgflogoレジュメをご覧ください。

当日報告の最後に、「未来」っていうことで、「社会主義」とちょっと口走ったら、とたんに異論噴出、「なんか、一言、『社会主義』ってきくだけで、とたんにテンションがあがる、そういう世代がまだいらっしゃるのですね….」と感慨ぶかげな顔をしていました。

伝送便カレッジ 第4回

市民を対象にした講演、参加自由(銀座経済学研究所の受託事業)

日時:2013年7月28日(日)午後2時00分〜5時00分

場所:東京大学経済学部 小島ホール 1階セミナー室

講師:小幡道昭(東京大学経済学部教授)

テーマ:協業と分業(続) — 協力のゆくえ —

第3回の続きです。最終回ということで、資本主義的生産様式の基本形態とをなす「協業」の問題を検討してみます。

前回は『資本論』第1巻の前半部分における「表の論理」である「搾取論」の論理構成の背後に、どうやら「もう一つの論理」が読みとれそうだ、という点について、参加者と議論してみました。ちょっと面倒な話ですが、20世紀の社会主義の基盤を形づくってきた問題を問いなおすにはここまで遡ってみる必要がある、ということであえてむずかしい問題をぶつけてみました。

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伝送便カレッジ 第3回

市民を対象にした講演、参加自由(銀座経済学研究所の受託事業)

日時:2013年6月16日(日)午後2時00分〜5時00分

場所:東京大学経済学部 小島ホール 1階セミナー室

講師:小幡道昭(東京大学経済学部教授)

テーマ:協業と分業 — 協力のゆくえ —

『資本論』第1巻第11章と第12章を読んでみます。ともにはたらくことで創出される効果は、どのようにしてだれのものになるのか?マルクスが『資本論』で描いた搾取論のコアに迫ります。

4回続きの話の第3回目ということで、少し顔なじみになったみなさんに、『資本論』のような書物はどんなふうに読んだらよいのか、私自身がどんなふうに読んできたのか、多少、体験談めいたことをまじえ、枕のところで話します。

レジュメ:gflogo報告スライド

伝送便カレッジ 第2回

日時:2013年4月14日(日)午後2時00分〜5時00分

場所:神田公園区民館 5階会議室

講師:小幡道昭(東京大学経済学部教授)

テーマ:そもそも労働とは… — 労働概念の拡張 —

『資本論』第1巻第5章第1節「労働過程」を読んでみます。労働概念を広く捉えかえすことが、今日の資本主義を理解するうえで避けて通れなくなってきています。遠回りに思えるかもしれませんが、根本から考えなおすことがけっきょくは近道です。

レジュメ:gflogo報告スライド

伝送便カレッジ 第1回

日時:2013年1月27日(日)午後2時00分〜5時00分

場所:飯田橋ユースホステル会議室

講師:小幡道昭(東京大学経済学部教授)

テーマ:『資本論』における労働 — 機械的搾取論をこえて —

「8時間はたらいたのに、賃金で買える生活物資は4時間でつくれる。8-4=4 時間分の労働でつくられたものが搾取されているのだ。」というのはもっとも。

しかし、「だから本当は8時間の生産物全部が自分のものだ。全部よこせ!」といったのでは、「自分のものは自分のもの」という私的な所有権を是認・強調する結果になってしまう。入り口は正しくても出口が間違っているのだ。

こうした紋切型の通俗的搾取論を批判的に乗りこえなくては、これからの社会主義は展望できない。マルクスがこの隘路をどう突破したのか、『資本論』を直に読んでみよう。

レジュメ:gflogo報告スライド