価値・貨幣・恐慌 †
吉村信之 (2006-07-13 (木) 21:31:20)
吉村氏の報告は
(1)貨幣商品の価値規定に関する理論的・歴史的考察
(2)「純粋な流通費用」に関連した諸問題
とを結びながら、そこに貨幣商品特有の問題点が伏在している点を、『資本論』体系の貨幣論のトータルな把握の中に剔抉しようとしていました。おそらく信用・恐慌の諸問題にも連なっていくことでしょうが、今のところは未だ乞うご期待の範囲で、全貌が顕れるには少し時間がかかりそうですね。ただ私個人としては、その鋭利な問題提起には非常に啓発を受けました。
―なんていうコメントを、誰か書いてみる人はいませんか?
「マルクスにおける貨幣と価値」とは †
obata (2006-07-15 (土) 23:05:24)
このタイトルに即して読んだのですが、いろいろ関連がありそうな諸説の紹介に埋もれて、けっきょく、このタイトルに対して、著者がなにを主張しているのか、読みとれませんでした。演習の際にもたずねたのですが、
- 原理論において、貨幣は金貨幣というかたちをとるのか。貨幣素材が貨幣の価値の大きさをきめるという立場にたつのか。
- 商品価値を労働価値説ないしは客観価値説で説明するように、貨幣の価値を労働価値説で説明するのか。
小幡先生のコメントに感動と感謝を込めて †
吉村信之 (2006-07-16 (日) 14:52:09)
「けっきょく、このタイトルに対して、著者がなにを主張しているのか、読みとれませんでした。」と、
まあ、そんなコメントを頂戴するんだろうなあと事前に予測していたんですが、一度くらいは予測が裏切られるという経験もしてみたいものですね。
おたずねについてですが
1.貨幣素材が貨幣の価値を決める(その意味では貨幣商品論)。その素材のなかでも特に耐久性という要因が重要と考える。
2.貨幣を労働価値説で説明するのかというならば然り。ただその労働価値説による価値規制のあり方は、一般商品のそれとは大きく異なるのではないか
ということです。1と2の問題は、実は同じ問題なのではないかというのが、今の私の考えです。