イデオロギーと経済理論 †資本家の言い分を紹介している部分について、いわゆるイデオロギー的言説をマルクス経済学が扱うことの意義について、議論した。宇野の科学とイデオロギーの分離がどこまで支持できるのか。 古典派経済学・俗流経済学 †この用語法については、ミークの説に言及した。 『経済学とイデオロギー』時永淑訳 複雑労働について †伊藤誠さんの整理が参考になる、として紹介した。不肖の弟子で不十分でした。 複雑労働=強められた労働説 †
複雑労働8時間が単純労働16時間に評価される。複雑労働は、強められた労働の度合いに応じて、高賃金をえると考えると、剰余価値率は単純労働と同じ。複雑労働が、単純労働の2倍の価値を形成するとすると、複雑労働の賃金は2倍となり、剰余労働も2倍となる。要するに、2人単純労働者を雇ったのとかわりはない。 複雑労働=養成費プラス単純労働説 †
私自身はこの種の形式論に興味はあまりないが、これは家事労働でも同じようなことになりうる。 資本家のもとで労働する労働者の労働を生産する労働として、家事労働は位置づけられる。家事労働は、熟練養成労働に翻訳できるわけである。家事労働が単純労働でしかも剰余価値は生まないとすると、工場労働者の賃金は、家事労働+工場労働者の必要労働部分が賃金を構成し、これに対して、それをこえる剰余労働部分を資本家が取得する、というかたちになる。家事労働8時間+工場労働者の必要労働部分4時間+剰余労働部分4時間となる。通常の剰余価値率は、4/4=100パーセントだが、4/4+8=33パーセントが本来の剰余価値率である、という類の議論になる。こんなかたちで、労働価値説モドキをつかうと、ちょっと軽薄な感じがしますが。 養成労働が複雑労働であったらどうか。 †複雑労働で複雑労働を生産するという循環になるので、些末な数学問題が発生するだけのこと。 |