「価値表現の両極」

「リンネルは自分の価値を上着で表しており、上着はこの価値表現の材料として役立っている。」(S.63)

「上着で表す」というのはどういうことか?

  1. 上着の価値で表す:表されているのはリンネルの価値だから、これはおかしい。
  2. 上着の使用価値(or商品体)で表す?*1

→むしろ、商品体を価値物にして表現している、と言うべきところだが、こうすると価値物の説明をしないといけないので、伏せてある、と解釈。

Xを実在する価値、Aを商品とすると、 単にX=Aとするのではなく、f(X)=AあるいはX=g(A)(写像的な関係)というように、何らかの操作を加えて「等値」している*2。 だから、マルクスは相対的価値形態と等価形態は倒置できないと言っていると読める。

ehara

無題

obata (2010-07-09 (金) 12:33:41)

前回の議論のエッセンスですね。ほぼこの通りの話をしたと思います。正確な内容です。


*1 欲求によって等価物が決まるという特定性を強く言う立場の、商品所有者の動機に即して言うと、商品体で良さそうだが、この動機は市場における売買の動機と不整合では?
*2 「等しい」はf(X)=Aの世界について、「同一」はX is A, X is BというときのXについて言う。

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Last-modified: 2021-02-20 (土) 17:32:13