訪問者:氏名不詳
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問題 10-20
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0/44 ...1点以上 0%
文字を経由しない自動化
今回の課題 †
- 文字データに加えて、画像、音声など、さまざまなデータがデジタル化され、コンピュータによって処理されるようになったすがたを知る。
- さまざまなデジタルデータが利用できるようになると、人間の労働のすがたはどのような方向に変わるのか。
文字データを経由しない自動化 †
2 mini
問題 10-1
人間の五感のうちには、味覚や臭覚や触覚のようなアナログデータによるものと、視覚や聴覚のようにデジタルデータによるものがある。見たり聴いたりする画像や音声がコンピュータで処理しやすいのは、同じでデジタルデータを対象としているからである。
真か偽か、理由を述べよ。
解答と解説 10-1解答
- 偽
- 人間の知覚は基本的に神経系を伝わる微弱な電荷であり連続的な量である。
解説
- 人間の知覚がどのようなものかは、きちんと答えるにはもっと学問的に考えなければならないことが多い。
- そして、すでにいろいろな研究が大量にでている。たとえば人間の「感覚」が「認知」につながっていること
は、コンピュータと労働の関係を考えるうえで無視できない。 - しかし、ここではもう少し日常的な経験に近いレベルで、コンピュータが人間労働にどう影響するか、理論的に考えてみる。
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4/50 ...1点以上 8%
2 mini
問題 10-2
コンピュータで情報処理される一次データは、文字数値として入力されたものを除くと、画像や音声のデータが多いのはなぜか。
解答と解説 10-2解答:
- 視覚や聴覚でえられるものは、ことばで表されることが多いため。
- 視覚や聴覚の対象は、文字で記述され、さらにその量的な表現も発達しているため。
解説:
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10/45 ...1点以上 22%
2 mini
問題 10-3
卵焼きをつくるとき、知覚はどのようにはたらいているのか、分析せよ。
解答と解説 10-3解答
焼くという目的にむかって、タマゴの状態をコントロールするための情報を与える
コントロールのための判断の基準をえる
- タマゴの焼き色の変化をみながら加熱をやめるかとか..
- 焼けるときの音に注意するとか..
- フライパンに手をかざして..
- こげないように、においをかいで..
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35/43 ...1点以上 81%
2 mini
問題 10-4
はたらくこと、労働すること、にとって、知覚はどのような役割を果たすのか。
解答と解説 10-4解答:
After
- 「判断」ということばを使った回答が大半。
- 「知覚」五感そのものは、判断するものではありません。
- 「判断」の「材料」を与える、なら、ちょっと近い。
- 卵焼きの例でみたような、知覚 -> 判断 を通じて、「焼く」というプロセス全体を「コントロール」しているという、「コントロール」という回答がほしかったのです。
- 今回のテーマは、自動化=人間のコントロールとしての労働を取りのぞいてゆくこと、という流れなので。
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32/47 ...1点以上 68%
2 mini
問題 10-5
解答と解説 10-5解答:
- 身体
- 手
- 手をコントロールする何か(「脳」か「心」か)
After
- 「技術」「知識」など、アタマに関する回答が多かった。
- まえの問題で「知覚」の役割を考えたので、ここではその制御、コントロールをするために必要な「なにか」をたずねてみたのですが。
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6/54 ...1点以上 11%
2 mini
問題 10-6
卵焼きを自動的につくるには、五感にかわるセンサとともに、手のように動くアクチュエーターが必要だ。
この主張は適切か?理由を述べよ。
解答と解説 10-6解答:
- 愚か
- 自動化するだけなら、人間モドキに、卵焼きをつくらせる必要はない。
解説
- 自動炊飯器と同じで、せいぜいマイコンで焼き具合をコントロールする、プラスアルファ程度でできる。
- 人間がやっていること(いたこと)を、そのまま、外部の装置にコピーしようとするとたいへんなことになる。
- 卵焼きならこんな愚かなことはしないが、たとえば、自動車の自動運転ということになると、人間のドライバーをそのまま実現したくなる。しかし、自動車の仕組みから変えることが必要で、簡単に考えても、完全に自動運転にできるなら、ハンドルもブレーキペダルもアクセルペダルもいらない。
- 人型汎用ロボットで人間の代わりをさせるという発想そのものに問題がある。
- 多くの場合、自動化ならそれぞれの作業に特化したセンサー+コンピュータ+アクチュエーターを工夫する方がよい。
- 昆虫などはロボット化しやすいので、アリ型ロボットをたくさんつかって細かいゴミを掃除させる、ゴキブリ型ロボットで床下天井の点検をさせる、など。
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18/49 ...1点以上 37%
2 mini
問題 10-7
20世紀になると、電動ミシンで縫う、旋盤を操作する、自動車を運転する、など機械をあつかう労働がふえてきた。
これらは「汗水を流す力仕事が労働だ」という昔からの労働固定観念を変えてきた。
コンピュータの発達は、この20世紀型の労働に対して大きなインパクトを与えている。
そこであらためてたずねますが、機械はもともと自動的な性質をもつのに、機械をあつかう労働がふえたのはなぜだったのか?
解答と解説 10-7解答
- 機械のもつ自動性が、基本的に高速だが、同じタイプの動作の繰り返し(ミシンの針の運動も自動車のエンジンの回転も)であったため、方向を変えたり停止ししたり、という複雑な制御を人間の知覚とそれに連結した手足の動作に頼らざるをえなかったため。
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28/42 ...1点以上 67%
小括 †
▶「AIでなくなる職種は?」の愚
- 人間の労働とはなか、その基本構造を分析しないと、コンピュータが人間の労働に及ぼす影響も捉えることはできない。
- 愚問で指摘される多くのケースは、20世紀型の運転・操縦労働。
- この種の労働に対して、①センサーの発達→②人間の知覚に頼ってきた情報を、デジタルデータとして入力できるようになった→③コンピュータをつかった制御が可能に→④アクチュエーターの発達(人間の手の動作に求められてきた複雑な動きをする装置に出力)という技術の発達が見られたという話。
- とくに①②で、コンピュータに入力されるデータの量が爆発的に増えた。ビックデータが利用できるようになったことで、繰り返される動作における微調整の性能がコンピュータの側で高まった。
- また、①→②が、文字化されない直接的なデータであることにも注意しよう。視覚にかわる画像がデジタル化され、コンピュータに数値として入力されている。たとえば「赤い」という「ことば」を介さずにhsl(0,50%,50%) #ffffff という赤を表す数値になっている。
- 「AI」というラベルがはられたいろいろなもの中味の大半は、この性能アップ。大量のデータの取捨選択であり、人間の能力のほんの一部に過ぎない。とはいえ、これによって多くの運転操縦労働が縮小することはたしかだが。
- 人工知能の知能は、一度だけの発見をなすような人間のアタマとは違う知能。大量のデータを扱わないかぎり能力を発揮することはない。
- たとえばまえに挙げた例のように、1から10までたすとき、1+2+....10 を早くやることはできる。10ならたいしたことはないが、1000だと人間にと差がつく。しかし、(1+2+ ...+10)+(10+9+...1)と考えて、11×10÷2 で一挙に55という解き方を思いつく知性、一発勝負の知性はコンピュータにはない。
- こうした知性は、人間が外界をみたときに、それを「ことば」に抽象化する能力に由来している。この知性、能力はコンピュータには移せない、と高をくくってよいか、というと、これもそうは簡単にはゆかない。人間の労働とコンピュータの最前線は「文字データに関わる自動化」にある。この話はまた来週....