- 日 時:2019年 4月24日(第4水曜日)19時-21時
- 場 所:駒澤大学 3-802(昨年できた新しい建物の一室)
- テーマ:『資本論』第2巻 序言
第2巻に進みます。今回はエンゲルスの「序言」を読みます。第2巻の性格を知るうえで最低限必要なことを説明します。
第2巻に進みます。今回はエンゲルスの「序言」を読みます。第2巻の性格を知るうえで最低限必要なことを説明します。
タイトルだけみると帝国主義段階の植民地かと思ってしまいますが、これは関係ありません。北米大陸、オセアニアへの移民を、「資本の原始的蓄積」の裏返しの現象として描くことで、資本主義の成立にとって労働力の商品化が鍵であることを逆照射する、その意味では前章の補論とみてよいでしょう。しかし、そのうえで、マルクスがその晩年、目撃していたはずの帝国主義的植民地支配の急激な進展に対して、どう考えていたのか、知りたいところです。没する直前、病を癒やすべく避寒のためにアルジェに渡って、たしか一、二ヶ月ほど滞在していたはず(M.ムスト『アナザー・マルクス』訳書362頁以下)。エンゲルスなどに送った手紙は残っていますが、20世紀型の植民地についてどう考えていたのか、はよくわかりません。寿命は歴史をこえられません。
第24章を、そしてある意味では、『資本論』第1部を締めくくる第7節を詳しく読んでみます。
資本主義の起源を単に労働力の商品化に求めるのとは違うlogicが潜んでいることを前回の終わりにちょっと話してみました。今回はこの問題について議論してみましょう。
第24章「いわゆる本源的蓄積」その2
第4節から第6節まで読んでみます。第24章は大きく区切れば三部構成です。
1と2を合わせれば、資本主義の生成が説明できそうですが、そう簡単にはゆきません。こうした通俗的解釈に疑問を投げかける力は身についたはずです。純粋資本主義論の単一起源説か、はたまた変容論的原理論による多重起源説か、資本主義化の道を単線的に考えるか、複線的に描くか、が分岐のカギになります。