by obata 2013-4-19

基本問題

  1. 解釈:『資本論』は、けっきょく、資本主義の生成を、どのように説明したことになるのか?(第1巻レベルで)
  2. 批判:いまの時点にたってみると、それにはどのような限界があるのか。
  3. 展望:資本主義はどのような方向で乗りこえられるのか(乗りこえられようとしているのか)。

「貨幣の資本への転化」と資本主義の生成

  1. 「貨幣の資本への転化」は、資本主義の生成の問題とどのように関連するのか。
    1. 「多重起源説」との関連
    2. 「多重起源説」の拡張: 複合的な流通圏:複線的多重起源説 - eg. マレー半島問題
  2. 「貨幣の資本への転化」と「いわゆる本源的蓄積」という二つの章はどのような関係あるのか。

資本主義の発生をめぐる二つの捉え方

  1. 労働力商品化・本源的蓄積重視の、先行社会との断絶性論
  2. 商品流通の滲透視角
    1. 商人資本と産業資本の関係
    2. 形式的包摂・実質的包摂
    3. 「分業とマニュファクチュア」「機械と大工業」と「いわゆる本源的蓄積」との関係

資本主義からの離脱

  1. 20世紀の社会主義:社会主義革命について
  2. 「先進資本主義」ならぬ「先進社会主義」:「熟成」について(『方法論批判』55頁以下参照)
    1. 柔軟性
    2. 分解作用
    3. 浸透力

「しかし、最後の問題が残っている。こうした現実性は、決定のレベルを細分化し分権化する方向に進まざるを得ない。 熟成した資本主義の柔軟性、分解作用、浸透力に対するオールタナティブは、雇用の総量確保や一律の規制強化で はすまない。商品経済的イデオロギーに対抗するには、コミュニティ意識を共有できる主体間のコミュニケーション と説得が不可避である。特に、大国化する新興諸国に対して、権力の分散と地域社会の拡充を前提とするオールタナ ティブが実現できるか、とりわけ、軍事問題を含むゲバルトの管理がむずかしい問題となる。この問題で蹟けば、社 会民主主義の癌である排外主義に大きく傾き、国民国家の障壁を高め、かつての福祉国家に回帰しようとするアナク ロニズムに陥る恐れがある。しかし、グローパリズムの底流が、冷戦構造のもとで軍事の負担を回避したNICs,NIEs が「小国のメリット」に依存していたように、グローパリズムが本流化した今日、逆に旧先進資本主義国がこのメリットを追求する余地はある。そこに垣間見えてくるのは、漸進的ではあるが、商品経済的な社会編成を部分化してゆく「先進社会主義国」のすがたなのである。」

という『方法論批判』第2章の「むすび」は、どの程度、説得力をもつか?


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Last-modified: 2021-02-20 (土) 17:32:13