訪問者:氏名不詳

 情報技術の歴史(2) 

数値データ(続き)

暗算と筆算

  • 「数える」ことと「計算する」ことは別ですが、
  • この計算にはそれなりの時間がかかりますし、しょっちゅう間違いもします。そのため、むかしから、いろいろな工夫がなされてきました。
  • その発展の歴史をふりかえってみることは、コンピュータとは何か、その本質を知る手がかりになります。
問題 5-1

小学校にあがるまえの小さな子供でも、指を使って「2+3は5」と計算できるようになる。

「じゃ、7+8は?」ときいてみよう。どうやって計算するか。

自分が子供だったとき、どうしたか、思いだしてみよう。


解答と解説 6-1
  • 片手の指は5本しかないから....
  • 計算の[[アルゴリズム>WikiPedia.jp:アルゴリズム]]
  • 計算はアタマでやると思っている人が多いが、実は
  • 道具をつかった計算が基本。
  • 指もりっぱな計算という労働の手段。
  • 指からモノをつかった計算へ。棒や小石をつかってモデル化....
  • 「モノに計算させる」ことはできるか?
  • 数字の利用へ。ローマ数字の意味
  • 筆算も道具をつかった計算。しかし、筆算は時間がかかり間違いも多いので、道具をつかった計算に比べて実用性は乏しかった。
5-1 の回答を 
  +  
33/46 ...1点以上  72%

  分

そろばん

問題 5-2

ソロバンを機械だという人はいない。たぶん....

ふつうソロバンといったら、道具だというだろう。

ソロバンのどこが、機械ではなくて、道具だといわせるのか?


解答と解説 5-2

数値データの入力と出力を、人間の知覚能力に頼っている点。

  • ふつう、指でソロバン玉を動かしているところ、といいたくなるかもしれない。 人力=道具 にみえるのか?
  • しかし、ソロバン玉の移動は、かなり機械的。人間の暗算や筆算より、早くてずっと正確。
5-2 の回答を 
  +  
45/49 ...1点以上  92%

  分
▶モノによる計算

電卓

2 mini
問題 5-3

ソロバンで計算するのと、電卓で計算するのと、大きな違いがあるようにみえて、実はそう大差ないところもある。

どこに大差があり、どこで大差がないのか。


解答と解説 5-3

解答

  • 大差があるのは、計算そのもののスピード。
  • 大差がないのは、人間が指で数字をいれ、答えを目で読みとて結果を紙などに記録しているところ。

解説

  • ソロバン玉も物理的な運動。ただ力学的な運動で遅い。
  • 電卓は、電子的な状態変化を利用する技術。それ自身は高速。
  • 技術的には [[on/off 可能なスイッチで計算>http://kids.casio.jp/hatena/hatena2.html]]。二進法。
  • 高速な計算過程を、低速な人間のインプット・アウトプット系が取り囲む構造は基本的の同じ。
  • だから、足し算引き算のレベルだと、ソロバンになれた人が、電卓をつかう人と競争しても大差がつかない。
  • 読み取り読み出しに時間がかかるから。
  • 計算部分(ソロバン玉を動かしたり、レジスターが反応したりする)が占める比率に対して、
  • 数字を読んで指で入力する時間はけっこうかかる。
  • 要するに「遅い入出力装置=人間」の作業がしめる比率が圧倒的に高いから、
  • 計算部分が高速化し差が大きくなっても、その影響は限定的なのだ。
5-3 の回答を 
  +  
19/41 ...1点以上  46%

  分
問題 5-4

だれでも一度はお世話になったことのある電卓ですが、あれって、どうやって計算しているのでしょう。

小学生に「どうして、電卓で7+8が計算できるの?」ときかれたので、「それはね−、電卓のなかにソロバン玉のような長ーい電気スイッチがあってね、はじめに7とおすと7個だけスイッチオン、つぎに8とおすと、つづけてスイッチが、8、9、...とオンになって、全部で15個がオンになるって仕組み。ソロバン玉を動かすのと原理は同じさ。」と教えてやったら、「そんなの、ヘンだよ。だって...」と笑われてしまった。

小学生だってわかる「だって....」ってなんだろう。


解答と解説 5-4

解答

ソロバン玉なら1,2,3って順番に一つずつ動かせるけど、電卓は7とか8とか、ってボタンを一回おすだけ、だれがパチパチやるの?

解説

...なんていうのは、小学生にしちゃマセた子だ。

ただ、この子がヘンだと思っているのは、ソロバンだと、7とか8とかいうの数を、いったんアタマのなかに記憶して、つぎに手で7、それから8と、思いだしながらソロバン玉をパチパチはじけるのに...という話。つかうソロバンは一丁で、同じソロバンで珠を動かした状態は7と15しかない。後からいれる8は、アタマのなかに入っている。

これに対して電卓だと、8のほうも電卓に記憶させておく必要がある。ソロバンでいったら、もう一丁、別のソロバンを用意して、こっちに8を記憶させるようなもの。

要するに、計算を自動化するためには、「複数の数を記憶させる」必要がある、ということ。キャベツの皮をむくように、コンピュータを抽象化していったら、芯のところに「記憶」の問題があることに、なんとなく勘づくでしょう。


とはいえ、答え方は、ひとそれぞれ、みなさんの工夫を拝見。

なにも知識を前提にせずに、子供になにかを説明しようとすると、要するに基本はこうなんだよ、という話になるので、けっこう原理を考えるときに役にたつのです。

小学生向けではないですが、電卓の原理はこんな感じでしょうか。

  1. 三つ、数値をしまうスイッチ群レジスターというそうです。レジにあるあの金銭登録機と同じ、打ち込んだ金額を記録しておく。IBMって、もともとこの種の機械 BM をつくっていたのでしょう。A、B、Cがある。
  2. スイッチ群のオン、オフは、1か0を意味する。
  3. B + C の値が A になる。
  4. Aスイッチの値が、十進数で画面に表示される。
  5. 計算は次の手順で進む。
入力ABC出力
17ボタン000001110000000000000000
2+ボタン000001110000011100000000
38ボタン000010000000011100000000
4=ボタン00001111000001110000100015
5-4 の回答を 
  +  
5/43 ...1点以上  12%

  分
問題 5-5

電卓にはMとRM というボタンがついているものがある。Mを押すと現在表示されている数が記憶され、RMを押すとそれが呼びだされる仕掛けになっている。

さて、この電卓で

(3+4)*(5+6)

を計算するには、どのような順番でボタンを押したらよいか。

1 + 2 M 3 RM .... = のように、ボタンを押す順番にならべてください。


解答と解説 5-5

解答

5 + 6 M 2 + 3 × RM

5 + 6 = M 2 + 3 = × RM

解説

先に 5 + 6 のほうを計算しますよね。この値をメモリに記憶しておいて、後でつかうためです。

筆算でやるときときは、たぶん、書かれている順に、2 + 3 をさきに計算して5とメモ、5 + 6 を計算して11とメモ、...で 5 × 11 を計算、とやるでしょう。

しかし、たった1個しかメモリがない電卓では、計算の順序を後先、逆にしなくてはなりません。

この手順は、計算する人間のアタマのなかに記録されていて、それにしたがって、計算が実行されるわけです。

この計算の手順が、プログラムです。つまり、プログラムは人間のアタマのなかにあり、電卓のなかにはないわけです。

ここのところが、コンピュータが、ソロバンや電卓と異次元の存在になる大元です 。

ということで、次回はコンピュータって、要するになんなのか、考えてみます 。


after

回答用のページでは、括弧が表示されていませんでした。コレにあわせて採点しましたが、ききたかったのは、このページの括弧のある計算です。

5-5 の回答を 
  +  
9/42 ...1点以上  21%

  分

今回のまとめ

▶計算の道具

Last-modified: 2021-02-20 (土) 19:13:40