訪問者:氏名不詳
計算機としてのコンピュータ
今回のテーマ †
- 電卓とコンピュータ 似て非なるもの。
- コンピュータはどう「わかる」のか?
- アタマのなかのことをどうやったら自動化できるか?
2 mini
問題 6-1
ふつうの電卓には、メモリ(Mボタン)は一つしかない。
コンピュータには大量のメモリが積んである。
なんでだろう?たとえば、それは、電卓では....するのが人間だが、コンピュータではそれを....にさせられるから、というようなかたちで、簡潔に答えてみてください。
解答と解説 6-1 解答
- 電卓では「計算の順序を管理」するのが人間だが、コンピュータではそれを「(コンピュータ側の)プログラム」にさせられるから。
解説
- 誤解なきよう、断っておきますが、電卓が先に生まれ、それがコンピュータになったのではありません。
- ソロバン → 電卓 → コンピュータ というのは、「人間はアタマで計算するのではなく、道具をつかって計算する」という、その道具のレベルをいっているのです。
- あくまでコンピュータを計算機としてみたかぎりの話ですが、それでも、コンピュータは電卓とはレベルが違います。
- (3+4)*(5+6)の計算手順を思いだしてみてください。
- 計算の手順も、コンピュータに記録できれば、$3+4 \to M1, 5+6\to M2, M1 * M2 \to ディスプレイ$ のように、複数のメモリを利用するメリットがでてきます。
- 計算の手順が記憶できない電卓では、たくさんのメモリに数値を記憶してもすぐに人間の記憶能力をこえてしまう。「あの数値は何番のメモリにいれたのだっけ?」
- 要するに、計算する「数」だけではなく「しかた」も、人間のアタマから、コンピュータに移すことができる点で、レベルが違うわけです。
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10/34 ...1点以上 29%
問題 6-21
ここまで説明OKですか。
分からない項目があればどうぞ。
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「わかる」 †
▶「わかる」かな?
▼「わかる」かな?
- 電卓と違うのは、コンピュータはちょとだけ「わかる」がわかるのです。
- 「わかる」とはどういうことか、考えてみましょう。
-
人間のわかる君の気持ち、よくわかるよ... というのはなにをもって「わかる」というのか、複雑でよくわかりません。
- しかし、道具にまかせられそうな「わかる」もあります。だれがやっても同じ答えになる、論理的な意味での「わかる」です。
2 mini
問題 6-2
電卓にはまったくわからない。でもコンピュータはちょっとだけわかる。
コンピュータにもわかる、その「わかる」って、けっきょくどういうことでしょうか。
解答と解説 6-2解答
- 大きいか、小さいか、比べて、「分ける」こと
- もし、こうなら、こうだ、と「判断できる」こと
解説
- 「わかる」って要するに「分けられる」こと。分別?ですか。
- なにも条件なしに、こうだ、ああだ、というのは、論理的なわかり方にはなりません。ということで、if ... then .... else .... という、条件分岐ができること。
- でも、こんなのじゃ、人間の「わかる」にはほど遠いのですが。
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8/52 ...1点以上 15%
▶わからせてみよう
▼わからせてみよう
- 記憶が次々に消えてゆく世界に生きるって、ほんとうにこわ〜いことですが、そうなっちゃったとしましょう。
- 全部メモ用紙に記録しておかないといけません。いまここでつかえるメモ用紙が、コンピュータのメモリだったとします。数字が一つだけかけるメモ用紙のようなもの。うえから書くと、前にあった数字と足した数が記憶されます。つまり、2と書いてあるところに3と書くと5が記憶されるわけです。
- さて、この道具を、どうやって分かるようにするか、簡単な計算問題で、実地にやってみましょう。
- 1から10まで足したらいくらになりますか。1+2+3... +10 カンタン!答は55。
- じゃ、この計算、自分がどのようにしたのか、説明してみてください。
- 自分の記憶力にたよってはダメ、なにも覚えられないから暗算もナシ。
- まずはじめに、チャンとやり方が説明できなければ、道具にやらせることはできません。
3 mini
問題 6-3
コンピュータという道具に「1から10まで足させる」には、最低限何個のメモリがいりますか。
M1: なになにのため、 M2: なになに用、.... と答えてみてください。
解答と解説 6-3解答
- 1から
- 10まで
- 1か、1+1か、(1+1)+1か、(1+1+1)+1か,を
- たした結果、2, 2+3=5, 5+4=9, 9+5=14
というのだから、この4つを記憶できればよい。4つ。
- M1:M1のたす数は、1ずつふやすのだから、この1を記録する場所
- M2:10までたすの10、つまり終わりを表す10を記録する場所
- M3:1,2,3,4... と変化してゆく、たす数を一つ記録する場所
- M4:次々にたした合計、つまり答えを記録する場所
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▶toy computer
▼toy computer
問題 6-4
このメモリ M1,M2,M3,M4 をつかって、計算の手順を書いてみましょう。
- メモリM1 に1と書く。1ずつふやしてゆくの1です。(「1から」というのだからに0と書く)(ここに合計値が書かれてゆきます)
- メモリM2 に10と書く(「10まで」というのだから)
- メモリM3 に0と書く。ここが M1に記憶した1で、0,1,2,3,4,... とふえてゆく
- メモリM4 に0と書く(はじめは0にして、ここに合計を記録する)
- メモリM3 の値に メモリ M1 の値を足した値で M3 を上書きする
- メモリM4 の値にメモリ(A)の値を足した値で M4 を上書きする
- メモリ(B)の値が 「M2の値」 以下なら (C)行目にもどり、そこからおなじことを繰り返し、 「M2の値」 以上になったら次に移る。
- M4 に書いてある値を答とする。
(A)(B)(C)はなんでしょうか。
解答と解説 6-4解答
- (A):M3
- (B):M4
- (C):5
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30/45 ...1点以上 67%
2 mini
問題 6-5
6-4 で、コンピュータは、何行目で、なにがどう、「わかった」(といった)のでしょうか?
コンピュータはなにもいわないモノですが、みんなコンピュータを平気で擬人化しているので...
解答と解説 6-5解答
- 7行目で「足す数が、10以上になったかどうか、わかるんです」といっていました。
解説
- でも足し算しかできないレジスタしかないコンピュータに、いったい以上かどうか、ってどうやって「わかる」の?ときいてみたら
- 「どっちが大きいかは、引き算すれば、結果がプラスか、ゼロか、マイナスか、で分かるでしょう」。
- 「ちょっとしたテクニックがあって、2進数で、負の数をあらわすやり方があり、4+(−10)みたいに、足し算のかたちで引き算も計算でき、しかも簡単にプラスかマイナスかを見分けられるんです。もっと知りたかったら、2の補数、って検索して 」といっていました。
この手順をコンピュータに処理できる命令形式で書けば、たとえば次のようになります。
m1 = 0; m2 = 10; m3 = 1; m4 = 0; while(m1 < m2){ m1 = m1 + m3; m4 = m4 + m1; };
PCでアクセスしているひとは、ブラウザーでうえのコード、動かしてみましょう。やり方は簡単、実地におしえます。
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8/43 ...1点以上 19%
2 mini
問題 6-6
コンピュータは電卓をどうこえたのか?いままでのところを振りかえってみると、二つあるのに気づきます。
電卓では(A)が人間のアタマのなかにあるが、コンピュータでは(A)が人間のアタマの外にある。 コンピュータは(B)がわかるが、電卓には(B)がわからない。
これも擬人化した言い方ですが、その点にはこだわらずにゆきましょう。
解答と解説 6-6解答
- (A): 計算の手順 やり方 手続き
- (B): 大小の区別 「分ける」 条件分岐 判断
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27/49 ...1点以上 55%
今回のまとめ †
▶道具をつかった計算
▼道具をつかった計算
- ソロバンも電卓もコンピュータも、見かけは違っているが「道具をつかった計算」という意味では同じ。
- 電卓とコンピュータは、半導体スイッチをつかった「計算機」という意味では同じだが
- コンピュータは
- 計算の対象になる数値だけではなく、計算の手続きも記録できる
- 大小の比較で分け、処理をかえることができる
点で電卓をこえており、
- 人間がアタマのなかでやってきた計算を自動化することができかけている、という話でした。
- コンピュータは計算機か? 計算機にして計算機に非ず、という話をします。