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問題 2-100
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労働と生産
ネライ
- 自然言語で理論的に考えるときの注意点
- 「労働」と「生産」の区別と関係について考えてみる。
- 「生産」の定義を与える。
「理論」とは?
- この講義のタイトルは「経済理論」です。さて、では、そもそも「理論」とは...
問題 2-101
理論的に考えるとはどうすることか。
そのためにはどのようなことが必要となるだろうか。
必要な要件をあげてみてください。
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解答と解説 2-101解答
- 基本的な用語を厳密に定義すること。
- 前提を明示すること。
- 論理の規則にしたがって推論すること。
解説
- すべての用語を定義することは無理です。
- 基本的な用語を定義することが重要。定義した用語はリストアップしておこう。
- 前提も全部網羅するのは無理だが、「隠れた前提」「気づかない前提」には要注意。
- 「論理的に考える」ときに、否定形がうまくつかえるようになるとよい。「...だから...だから...」と単線的に考えるのではなく、「もし...でなければ」と反対のケースを考えてみる。
- もうひとつ、「Aであることは、かならずしもA'であることを意味しない。」という文も有効。「AだからBだ」といういい加減な推論をただせるようになろう。
生産と労働
問題 2-102
「労働の結果が生産である。」
この命題は真か偽か。
... に答えるまえに、この命題自身、真偽を問うには不完全なところがある。
真偽が問えるように言い換えてみよ。
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解答と解説 2-102解答
解説
- 「ある種の労働」だったり、「生産になることもある」だったりすれば、つねに真になるでしょう。
- この命題で、「労働」と「生産」の包含関係も考えてみる必要があるでしょう。
- 労働を表す円のなかに、生産を表す円はすっぽり入っているのか、あるいは、逆に、生産を表す円のなかに、労働を表す円はすっぽり入っているのか、はたまた、一部分が重なっているのか、それとも、全然重なるところがないのか?
問題 2-103
「すべて労働の結果は必ず生産になる。」
この命題は真か偽か?理由を述べよ。
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解答と解説 2-103解答
- 真:労働とは何かを「つくる」ことであり、その結果、「つくられたもの」が生じるから、生産である。
- 偽:労働とは何かを「つかう」ことであり、その結果、「つかわれたもの」がなくなるから、生産ではない。
解説
- 実はこの問題は、労働と生産の定義が不完全で、定義次第で真にも偽にもできそう。
- 解答では、二つとも、労働と生産の定義をそれなりに与えているが、「労働とは...」まで考えずに、日常用語で通用するのだから、あえて定義などせずに答えようとした人もいると思う。
生産
問題 2-104
問題2-102 の解答における「生産」の定義は共通している。
どのように定義されているか、明示せよ。
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解答と解説 2-104解答
- 「生じる」ならば生産。「なくなれる」なら消費。
- 結果においてふえていれば生産。
解説
- 「生産」という用語は、日常用語では極めて曖昧につかわれている。
- 「ふえる」という基準が意識されないことが多い。
- 「生じている」という結果だけみて、「生産」だといってしまう人が多い。
- でも「つくる」→「生じる」と、「ふえる」は違うのだ。
- 問題2-105,106 は104と重複していたため、削除。
問題 2-107
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解答と解説 2-107解答
- 「つくる」というのは、何かAを何かBにする(させる) make こと。
- AがへってBがふえる。トータルでふえている(B−A>0)とき、結果において「ふえた」といえる。
解説
- 「生産」は一つのプロセスだ。
- 出発点A→結果Bであり、Bだけみて生産ということはできない。
- 「つくる」というのは、結果だけみていえる(かもしれない)。
問題 2-108
あるモノが、ふえたかどうか、増加したどうかが、いえるためには、(A)ことができなくてはならない。
まわりをみまわしてみると、世の中、(A)ものと(A)ことができないものに分かれているのようだ。
(A)に入る動詞は?
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解答と解説 2-108解答
- 「はかる」「かぞえる」
- 「計量できる」「量をもつ」
解説
- 計量できるものをカタカナで「モノ」とよぶことにする。
- 定義:「生産」:=モノの量がふえる過程。「消費」:=モノの量がふえる過程。
- 変わらないときは、いちおう「生産」にいれておく。
- これで、生産と消費は重なりをもたない。生産でなければ消費。消費でなければ生産。
問題 2-109
「モノ」は目に見えるとか、あるいは手で触れるとかできる対象、つまり「知覚」の対象である。真か偽か。理由を述べよ。
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解答と解説 2-109解答
- 偽
- 電気や磁気のように「知覚」できない対象でもその量を計測することはできるから。
解説
- この問題は、考えるとけっこうむずかしい。
- たとえば食べ物の「うまさ」ははかれるか?味覚という感覚で捉えられるのだけど...これは「計量できない」。肉の重さははかれるが、肉のうまさははかれない。なぜなら、はかるというのは(P)という条件を満たさなければならないからだ。
- 別の問題ですが、電流も「モノ」。じゃ、エネルギーは?
- 「エネルギーを生産する」?この問題は、このあと「自然」環境の話しをするときまで、おあずけにします。
- 「物質を生産する」?これはどうだろう。
- 「情報を生産する」?「情報産業」ってていうくらいだから、情報だって生産されているのじゃない?
- 「生産」の定義が、けっこうむずかしいのがわかったでしょうか。
- 実は、「生産」:=モノの量がふえる過程 ではすまない問題がある。
- 「ミルクでバターをつくる。」「小麦粉でパンをつくる。」このとき、どうやって「ふえた」かどうか、調べたらよいのか?
- 「パンとハムでサンドイッチをつくる。」パン2枚+ハム1枚<サンドイッチ1つ?足せません。
- こうした問題には、あとで「社会的再生産」という概念をつかって、ちゃんと応えます。
- 今回は一口に「生産」といっても、厳密に定義するのはけっこう面倒なのだ、ということがわかればOKです。
- ということで、さしあたり「小麦の種を播いて小麦の種を収穫する」というようなプロセスを想定して、この場合に妥当する「生産」「消費」の定義を与えておきます。
- 教科書の説明をみておいてください。
- この範囲でわかるのは、労働を直接定義しなくても、生産は定義できる、ということです。
- では、生産とは相対的に独立に考えられる「労働」とはなにか、「労働」の定義のほうを次講では追求してます。
問題 2-110