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価格機構

  • Price Mechanism:価格を通じた社会的再生産の編成
  • 通説的理解:需要供給の不一致 → 市場価格の上昇・下落 → 資本の部門間移動 → 需要供給の一致*1
  • この夏学期の講義では 在庫と貨幣がある市場を想定:
    • → 「市場価格の上昇・下落」というプロセス(通説のカナメ)は考えない。
    • それでも、粗利潤率と純利潤率の違いから、資本の部門間移動 → 需要供給の調整は充分説明できる。
  • \( \displaystyle{ 粗利潤率 R = \frac{粗利潤}{生産資本}} \)
  • \( \displaystyle{ 粗利潤率 r_i = \frac{粗利潤 - 流通費用}{生産資本+流通資本}} \)
  • \( r_i = R -\xi_i \) ただし、\( \xi_i \) は販売過程の不確定要素:個々の資本ごとにまちまち
    +  ...

費用価格と利潤

  • 生産価格:すべての資本の利潤率が等しくなる価格
  • 次の仮定をおく
  1. 流通費用・流通資本は存在しない=市場で即座に売れる
  2. 各商品ごとに生産方法はユニーク(単一)
  3. 同じく生産期間も等しい(あるいはゼロ)
  4. 固定資本(機械など多数の商品の生産に使用され、投下資本額の回収に長期間かかる)は存在しない
  5. etc.
  • 以上の仮定をおくと、
    • 利潤率= 商品1単位あたりの利益率(マージンレート)となる。
    • 費用価格 cost price = 製造原価 = 1単位あたりの原材料価格プラス賃金
    • 費用価格×(1+R) = 販売価格
    • この仮定のもとで、価格と利潤率について考えます*2

投下労働価値説

  • (投下)労働価値説 = 労働時間に比例した価格で交換がおこなわれるという説
  • (2)(3)(4) の数値例で考えてます。
    \begin{equation}\begin{cases} 小麦~ 2 + 鉄~ 3 + 労働~6 \to 小麦~ 8 \cdots\cdots (2)\\ 小麦~ 4 + 鉄~ 2 + 労働~4 \to 鉄~ 6 \cdots\cdots (3)\end{cases}\end{equation}
    \[ B = (1,1/2) \cdots\cdots (4) \]
  • 「小麦1キロが300円、鉄1キロが400円だとする。\( (p_1, p_2) = (300,400) \) 円」という前回の仮定は、実は投下労働量 \( (t_1,t_2) = (3,4) 時間 \) に比例した価格であった。
    •  質 問    1 . 小麦と鉄の価格が( p_1, p_2 ) = (300,400)円のときの小麦、鉄部門の利潤率 (R_1, R_2) を求めよ。
      • 回答:
        +  ...


*1 以下は試験にはでません
*2 ここから後は試験にでます

Last-modified: 2021-02-09 (火) 09:52:26